COP26 メタン削減計画推進で合意 – ロイター

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[グラスゴー 2日 ロイター] – 英グラスゴーで始まった国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の首脳級会合は2日までに、森林破壊の阻止や温暖化ガスのメタンの排出量削減などで合意したほか、気候変動で最も大きな痛手を受けている途上国に対する先進国の資金支援などでも進展がみられた。

<メタン排出削減>

この日は、世界のメタン排出量を2030年までに20年比で30%削減する「グローバル・メタン・プレッジ」が発足。100カ国以上が参加を表明した。

グローバル・メタン・プレッジは米国と欧州連合(EU)が主導。バイデン米大統領によると、グローバル・メタン・プレッジの参加国・地域のメタン排出量は全世界の約半分に相当する。

世界のメタン排出上位10カ国のうち、米国、ブラジル、インドネシア、ナイジェリア、パキスタン、インドの6カ国が参加。ただ、中国、ロシア、インド、イランは参加を見送った。

メタンの温室効果は二酸化炭素(CO2)の約80倍。ただ、CO2ほど長く大気中に滞留しないため、メタン排出量を削減すれば気候変動対策に素早く大きな効果をもたらせる。

これとは別に米国は石油・天然ガス産業から排出される温暖化ガスのメタンの排出量を削減する計画を発表。石油・天然ガス業者に四半期ごとに合計30万カ所の規模が大きい油田・ガス田でメタンの漏れがないか点検を要請。メタンの大気中への放出を禁止するほか、貯蔵施設やコンプレッサーなどの設備の刷新も求める。

こうした対策で、石油・天然ガス産業からのメタン排出量を2035年までに2005年水準から74%削減することを目指す。

<森林破壊阻止>

世界の100人以上の首脳らが1日遅くに共同声明を発表し、2030年までに森林破壊や土地の劣化を終わらせると表明。森林の保護と回復に官民で190億ドルを投資する計画などを打ち出した。

共同声明は、ブラジルやインドネシア、コンゴ民主共和国など世界の森林の85%を占める国々の首脳が支持。英国を含む12カ国が21─25年に途上国向けに87億5000万ポンド(120億ドル)の公的資金を提供し、劣化した土地の回復や山火事への対応などを支援すると約束したほか、英保険会社アビバ、英資産運用会社シュローダーズ、仏保険会社アクサなど民間部門の30社超が少なくとも53億ポンドを提供する。

<日本が追加支援表明>

岸田文雄首相はCOP26で、アジアの脱炭素化に向け5年間で最大100億ドルの追加支援を行うと表明。他国の気候変動への適応と災害防止のための支援も148億ドルに倍増させるとも述べた。

気候変動問題を担当するケリー米大統領特使は、日本が新たに資金拠出を申し出たためことを受け、1000億ドルの気候変動資金目標を1年早く達成できる可能性があると述べた。

<米中の確執>

米国のバイデン大統領は、中国の習近平国家主席が今回の会合に対面で出席していないことを非難。記者会見で「中国が参加していないのは、率直に言って大きな過ちだ」とした上で、「中国は、世界中の人々のほか、COPの全参加者に対する影響力を失った。(プーチン大統領が出席していない)ロシアについても同様のことが言える」と述べた。

習主席はCOP26に対面での出席を見送ったが、中国外務省はこの日、COP26で習主席にビデオ演説をする機会は与えられなかったため、代わりに書面でメッセージを寄せることになったと明らかにした。

英政府報道官によると、英国は対面での参加を求めているためオンラインでの参加はできず、対面参加でない場合は録音や声明の発表のみに限定した。

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