Intelが2021年第3四半期決算を発表、社内の半導体不足は解消もチップの売上は伸び悩み

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現地時間の2021年10月21日、半導体大手のIntelが2021年第3四半期(7~9月)の決算を発表しました。同期における売上は市場予想を下回ることとなったため、決算発表後にIntelの株価は9%下落しています。

Intel Reports Third-Quarter 2021 Financial Results :: Intel Corporation (INTC)
https://www.intc.com/news-events/press-releases/detail/1505/intel-reports-third-quarter-2021-financial-results


Intel (INTC) earnings Q3 2021
https://www.cnbc.com/2021/10/21/intel-intc-earnings-q3-2021.html

Intel Reports Q3 2021 Earnings: Client Down, Data Center and IoT Up
https://www.anandtech.com/show/17027/intel-reports-q3-2021-earnings-client-down-datacenter-and-iot-up

2021年第3四半期のIntelの総売上は181億ドル(約2兆700億円)で、市場予想の182億4000万ドル(約2億800億円)には届きませんでした。

Intelにとって最大のビジネスとなっているクライアントコンピューティング部門は、前年同期比で2%減の97億ドル(約1兆1000億円)の売上を記録しています。クライアントコンピューティング部門はIntelのPC向けチップの売上を含んでいます。前年比で売上が減少したことについて、同社のパット・ゲルシンガーCEOは、社内の半導体不足は解消されたものの、PCメーカー側の部品不足が影響して出荷台数が伸び悩んだ可能性を指摘しています。ゲルシンガーCEOは「我々は今最悪の状態にあり、来年の四半期ごとに段階的に改善されていくこととなるでしょう。2023年まで需要と供給のバランスはとれないでしょう」と語っています。

なお、新型コロナウイルスのパンデミックに際して起きたPC需要について、アナリストの中には「PCの売上が伸び悩みつつあるので、需要の急増が終わりに近づいている可能性がある」と語る人もいます。その一方で、ゲルシンガーCEOはPCの需要増は今後も続く傾向にあると考えているようで、「PCビジネスは今や構造的に大きなものとなっており、1日100万台もの売上を記録するビジネスになりつつあります」と語っています。


一方、データセンター向けのプロセッサやその他のシリコンを販売するデータセンター部門の売上は前年同期比で10%増の65億ドル(約7400億円)を記録しています。ただし、この数字も市場予想の66億ドル(約7500億円)を下回っています。Intelのデータセンター部門の売上が増加した理由について、CNBCは「企業や政府向けのオンプレミスサーバー需要の増加によるもの」と説明。一方でゲルシンガーCEOは「主要顧客である中国のクラウドコンピューティングサービスベンダーが、政府による新規制に対応したことで売上が予想よりも伸びなかった」と説明しています。

この他、IoT部門の売上は前年同期比で54%増の10億ドル、Intelの子会社である自動車関連テクノロジーのMobileyeの売上は前年同期比で39%増の3億②600万ドル、不揮発性メモリソリューション部門は前年同期比で4%減の11億ドル、プログラマブルソリューション部門の売上は前年同期比で16%増の4億7800万ドルを記録しています。

2021年第3四半期の決算発表と同時に、Intelはアメリカのアリゾナ州に新しい半導体工場を建設するプロジェクトを含み、200億ドル(約2兆3000億円)を同分野に投資すると発表しています。

なお、Intelは2021年第4四半期の売上に183億ドル(約2兆900億円)を計上すると予測しています。

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