【全67店舗】スペインの日本食チェーン店『UDON(ウドン)』で『鶏南蛮うどん』を注文した日本人のコメント「そっちの南蛮か」

ロケットニュース24

日本人がスペインの街を歩くとき、嫌でも目に入ってしまう外食チェーン店がある。その名も『UDON(ウドン)』……一応 “アジアン料理店” と表現はぼかしてあるものの、店名や佇まいから “和食” をイメージしていることは明らかだ。

『UDON』はマジでどこにでもあって、逆に『UDON』を発見せずにスペイン旅行を遂行することが困難に思えるほど。調べたところスペイン国内に67もの店舗を有する巨大チェーン店らしい。

スペイン料理に夢中な私は特に「和食が恋しい!」という気分でもなかったが、だんだん行かないことが申し訳なく思えてきたので行くことにした。スペインで急成長を遂げた『UDON』のお手並み拝見といこう。

・結構チャンとしてる

今回私が訪れたのはマドリードの店舗。『UDON』はショッピングモールに入っていることも多い……というより、むしろショッピングモールには大抵『UDON』が入っているのだ。

店内はスッキリとオシャレでイイ感じ〜!

ランチセットの前菜は「枝豆」「味噌汁」「野菜焼き鳥」「野菜天ぷら」「餃子」「タイ風チキン」「ごはん」の中から選べる。ここはもちろん味噌汁で!

メインディッシュは「野菜炒め」「味噌ラーメン」「鶏南蛮うどん」「野菜焼きそば(うどん)」「ベジミート焼きそば(うどん)」「チキン焼きそば(うどん)」「ビーフ焼きそば(うどん)」「海鮮焼きそば(うどん)」「カツ丼」「野菜カレー&豆腐」と多彩。


それにデザートと飲み物が付いて11.5ユーロ(1507円)。本当に和食が出てくるのならかなりリーズナブルだ。私はこの中で唯一の「汁うどん」である『鶏南蛮うどん』をチョイス。なかなか難易度の高い料理だが、大丈夫だろうか?


・間違ってはいない

注文を済ませると手元に割り箸とナプキン、敷紙が置かれた。ってコレ……

タイの名物「船の上でシーフードを焼くおばちゃん」の写真じゃねぇか!!! タイを代表する風景の上に印字された「UDON」の文字がシュール……しかし今から食するのが『鶏 “南蛮” うどん』であることを考えると、あながち間違いとも言い切れないかもしれん。

そこへレンゲとともに運ばれてきたミソスープ。豆腐、ネギ、ワカメが浮かんでおり、見た目はほぼ完璧に近い。どれどれ、お味は……ゴホッ!

ショッパい!


と、同時にかなり甘い。そしてほのかに酸味もあるぞ……なんだコレ? ちょっと「赤だし味噌汁」っぽくもあるが、本当に味噌が入っているかどうかは微妙。どちらかというと醤油スープといった感じである。しかし不思議と、コレはコレでクセになる。ウマいかマズいかで言えば、私は好きだ。


・鶏南蛮うどん、現る

さぁ、それではお待ちかね! スペインの『鶏南蛮うどん』の全貌が……こちらになります!


んっ!?


注目すべきはタップリと乗せられた鶏肉。日本で一般的に南蛮そば(うどん)に使用するのは「煮た鴨肉」であるが、こちらはニワトリの肉が使用されている模様だ。薄切りのトリ胸肉が、それはもうカラリと揚がっておいしそう…………って


これ『チキン南蛮』やん……!


スペインの『鶏南蛮うどん』の正体、それはズバリ「チキン南蛮を乗っけたうどん」であった。同じ南蛮でも我々の想像とは全く異なる。そこへネギ、シイタケ、チンゲンサイ、モヤシが浮かんでいるという、何だかとっても健康に良さげな1杯なのだ。

ウドンは海外でオーソドックスな「コシゼロ」タイプ。給食の『ソフト麺』をイメージして頂けると近い。

またスープは先ほどの味噌汁と同様に甘じょっぱく、「すき焼きの残り汁にウドンをぶち込んだヤツ」に似ていた。日本の南蛮うどんとは全然違うが、おいしい。なんなら個人的には鴨南蛮より好きかもしれない。


・スペイン人に聞いてみた

なお『UDON』を利用したことのあるスペイン人3名に聞き取りを行ったところ、全員が「おいしいと思う」と回答。このことから『UDON』の味付けはスペイン人の好みに寄せている可能性が高いとみていいだろう。

そもそもこれが日本人観光客を当てにした商売であれば、67店舗もの巨大チェーンへと成長することはなかったはずである。我々はつい外国の日本食を「ニセモノ」などと断じてしまいがちだが、ならば日本のラーメンやカレーはどうだと言うのか? そのへん胸に手を当ててよ〜く考えてみるべきではないか。

満腹になったところで登場したデザートは、チョコレートをワンタンの皮で包み揚げた創作料理。ウマい。まさに至れり尽くせり。コロナ禍でスペインへ渡る日本人がほぼいなくなった今も、シャカリキに営業中の『UDON』。みんなも遠い日本からエールをおくってほしい

参考リンク:UDON公式サイト
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

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