Ethernetというか10GBASE-Tに関しては、2017年から【10GBASE-T、ついに普及?】と題し、全11回と番外編2回をお届けした。だが、ツイストペアによる銅配線のEthernetは10GBASE-Tまでで、25/64GBASE-Tはまだまだ実用化には至っていない。
【アクセス回線10Gbpsへの道】とも一部は被るかもしれないが、ここでは光ファイバーを利用する“光Ethernet”を紹介していこう。
「光Ethernetの歴史と発展」記事一覧
- 可決が多数を占めた2021年7月ミーティングへの投票結果
- 【Straw Poll #1】以下の各項目を支持するか?
- 【Straw Poll #2】以下の各項目を支持するか?
- 【Straw Poll #3】Chip-to-ChipおよびChip-to-Module向けに、16レーンで1.6Tb/sのオプションを追加すべきか
- 【Straw Poll #4】800Gb/sのCRについて
- 【Straw Poll #5】200Gb/s・400Gb/s・1.6Tb/sのCRについて
- 【Motion #1】IEEE 802.3 Working Group は、IEEE 802.3 Beyond 400 Gb/s Ethernet Study Groupの再結成を要請
- 【Motion #2】以下の項目を仕様として含める(75%)
- 【Motion #3】以下の項目を仕様として含める(75%)
- 【Motion #4】Chip-to-ChipおよびChip-to-Module向けに16レーンで1.6Tb/sのオプションを追加すべきか(75%)
- 【Motion #5】OIFおよびITU-T向けのIEEE P802.3cwの提示するドラフトに関してのコメントは、議長に編集権限を付けて一任することを決議
- 「10GBASE-T、ついに普及へ?」記事一覧
- 【アクセス回線10Gbpsへの道】記事一覧
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可決が多数を占めた2021年7月ミーティングへの投票結果
2021年7月のミーティングでは、ほかにも「200GEL(200G Electrical Lane)」のCopper Cableや、200G per LaneのKR/CRの電気的特性などの提案も行われたが、こちらは光Ethernetとは関係ないので今回は割愛したい。
そこで、8月のミーティングに話を移す前に、7月ミーティングの投票結果について紹介していきたい。
【Straw Poll #1】以下の各項目を支持するか?
- 200Gb/sのMAC層をサポート
- Chip-to-ChipおよびChip-to-Module向けに1レーンで200Gbのアタッチメントユニットをオプションでサポート
- 1対のSMFで到達距離500m以上の、200Gb/sの物理層をサポート
- 1対のSMFで到達距離2km以上の、200Gb/sの物理層をサポート
- Yes:98票
- No:3票
- もっと情報が必要:5票
- 棄権:10票
【Straw Poll #2】以下の各項目を支持するか?
- 400Gb/sのMAC層をサポート
- Chip-to-ChipおよびChip-to-Module向けに2レーンで200Gbのアタッチメントユニットをオプションでサポート
- 1対のSMFで到達距離500m以上の、200Gb/sの物理層をサポート
- Yes:88票
- No:4票
- もっと情報が必要:7票
- 棄権:7票
【Straw Poll #3】Chip-to-ChipおよびChip-to-Module向けに、16レーンで1.6Tb/sのオプションを追加すべきか
- Yes:83票
- No:4票
- もっと情報が必要:8票
- 棄権:16票
【Straw Poll #4】800Gb/sのCRについて
1)8対の2軸ケーブルで2mの到達距離をサポートすべきか
- Yes:44票
- No:3票
- もっと情報が必要:13票
- 棄権:9票
2)4対の2軸ケーブルで1mの到達距離をサポートすべきか
- Yes:33票
- No:7票
- もっと情報が必要:21票
- 棄権:8票
【Straw Poll #5】200Gb/s・400Gb/s・1.6Tb/sのCRについて
1)1.6Tb/sを8対の2軸ケーブルで1mの到達距離でサポートすべきか。
- Yes:33票
- No:10票
- もっと情報が必要:21票
- 棄権:9票
2)200Gb/sを1対の2軸ケーブルで1mの到達距離でサポートすべきか。
- Yes:33票
- No:8票
- もっと情報が必要:23票
- 棄権:9票
3)400Gb/sを1対の2軸ケーブルで1mの到達距離でサポートすべきか。
- Yes:33票
- No:10票
- もっと情報が必要:21票
- 棄権:9票
【Motion #1】IEEE 802.3 Working Group は、IEEE 802.3 Beyond 400 Gb/s Ethernet Study Groupの再結成を要請
- 参加者の返事で可決
【Motion #2】以下の項目を仕様として含める(75%)
- 200Gb/sのMAC層をサポート
- Chip-to-ChipおよびChip-to-Module向けに1レーンで200Gbのアタッチメントユニットをオプションでサポート
- 1対のSMFで到達距離500m以上の、200Gb/sの物理層をサポート
- 1対のSMFで到達距離2km以上の、200Gb/sの物理層をサポート
- 賛成:106票
- 反対:4票
- 棄権:5票
- →動議は可決
【Motion #3】以下の項目を仕様として含める(75%)
- 400Gb/sのMAC層をサポート
- Chip-to-ChipおよびChip-to-Module向けに2レーンで200Gbのアタッチメントユニットをオプションでサポート
- 1対のSMFで到達距離500m以上の、200Gb/sの物理層をサポート
- 賛成:92票
- 反対:2票
- 棄権:8票
- →動議は可決
【Motion #4】Chip-to-ChipおよびChip-to-Module向けに16レーンで1.6Tb/sのオプションを追加すべきか(75%)
- 全員参加で可決
【Motion #5】OIFおよびITU-T向けのIEEE P802.3cwの提示するドラフトに関してのコメントは、議長に編集権限を付けて一任することを決議
- 全員参加で可決
Motion #1と#5には少し説明が必要だろう。この2つは、Study Groupでの検討内容には直接には無関係な話である。
Motion #1は、OIFおよびITF-Uから1つずつリエゾンが来ており、これへの返答を議長らが作成、メンバーに開示している。これに異論があればメンバーから異議を申し立てられるがどうか? という問いかけであり、全メンバーとも特に異論もなく、議長らの作成した返答を承認したという話である。
Motion #5は、IEEE P802.3cw 400 Gb/s over DWDM Systems Task Forceが、OIFおよびITU-T向けにリアゾン(or リアゾンの返事:どちらかは判別できず)を発行するにあたり、関連規格であるこのStudy Groupもコメントが必要になっているようで、そのコメントを行う権限を議長に一任する、という動議であり、こちらも全員賛成で可決している。
実を言えば、このIEEE P802.3cw Task ForceはIEEE P802.3ct Task Forceと統合しているのだが、これらの議長はBeyond 400G Study Groupと同じHuaweiのJohn D’Ambrosiaであり、その意味では図らずしも連動しているというべきか。ただ、一応両者は別の組織なので、一応きちんと分けることにしたという話である。
それにしても、Straw Poll #1→Motion #2、Straw Poll #2→Motion #3、Straw Poll #3→Motion #4がそのまま全部通過しているのが興味深い。さすがにStraw Pall #4/#5はまだ反対ないし様子見、というメンバーが多数ということもあって、Motionには至っていないようだ。これらは8月以降のミーティングでの課題となった格好だ。