政治の世界でエグい「選挙区調整」はままあることですが…これはあまりにも、あまりにも。。
こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
本日は衆参で本会議が開催され、岸田新総理から初の所信表明演説が行われました。
が、中身が抽象的であまり論評できることがない…ので、山本太郎さんの話を書こうと思います。
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まず「選挙区調整」という名の下で、予定していた候補者が降ろされてしまう・立候補できないというのは、残念ながら政治の世界ではままあることではあります。
私が初めて選挙に出たのは2013年の都議選で、このときも実は党内で候補者調整が選挙間際になって行われました。さすがに1週間前とかではなかったと思いますけど。
都議8人区に2名ずつ予定候補を立てていたのですが、情勢調査で二人出すと共倒れする可能性が極めて高いことがわかり、事前に1名に絞ったという調整内容です。
この時、調整で降ろされてしまった方は特に懇意にしていた仲間でしたので、退路を断ち会社をやめ、家族と離れ引っ越してまで挑戦していた彼の落ち込むさまを間近にみて、なんて残酷な世界だと衝撃を受けたのを昨日のことのように覚えています。
大の大人が、悔しくて悔しくて電話の向こうで泣いてるわけですよ。闘いのスタートにすら立てず、本当に無念だったと思います。
「選挙は立候補できるまでが、まずひとつの闘いなんだ」
と言われる選挙の世界、本当にその通りだなと。
なので私自身、立候補してまず公営掲示板にポスターを貼れた時にすごく嬉しかったですし、何度選挙に出ても毎回身震いがします。ああ、今回も闘いの舞台に立てたと。
特に公党の公認を得て立候補するスタート地点に立つというのは、実は簡単そうに見えて難しいことでもあるのですね。
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ただこの選挙区には吉田はるみさんという、前回選挙からずっと諦めずに活動していた立憲民主党の予定候補者がいました。
野党共闘ということで、山本太郎さんがその代表として統一されるのであれば、吉田はるみさんはこの選挙区から出馬できないということになります…。
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前述の通り、政治の世界で「選挙区調整」というのはままあることです。
あることですが、今回のケースはあまりにも、あまりにも義理人情がなさすぎないかと他人事ながら思うのです(どんなケースでも可哀想ですが)。
後出しジャンケンをする、直前まで選挙区を決めない・伏せておくのは自由でしょう。それもまた選挙戦略の一つです。
でも、それで出馬が決まっている仲間の予定候補を降ろすというのであれば、話はまったく異なります。
今度こそはという想いも、人一倍強かったはずです。
かけたお金や労力はもちろんのこと、こんな直前に心をへし折られる本人や支援者のことを考えると、人生を賭けた「選挙」というものを経験してきたものとして、あまりにも不憫で不憫でなりません…私の同情なんて欲しくないだろうけど。。
だって、山本太郎さんほどの知名度なら、他の選挙区でも勝負になるところなんて沢山あるはずじゃないですか。
今回は負けられない事情があるから東京8区にするというのなら、せめてもう少し時間をかけて丁寧に根回しをするべきです(当日まで立憲の予定候補が街頭演説を予定しているなんておかしい)。
立憲の吉田はるみさんからしたら、公党の代表で知名度もある山本太郎さんが党に交渉を仕掛けてきたら、そりゃあ押し切られるでしょうから溜まったものではありません。
加えて4年前の票の出方をみると、いわゆる野党共闘が成立すれば吉田はるみさんも十分に可能性がある選挙区に思えるだけに、本人やその周辺の無念はいかばかりかと胸が苦しくなるばかりです。
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今回の選択は、「弱い人たちのため」「みんなのため」と語り続けてきた山本太郎さんらしくないなと率直に思います。
他人のために自分はリスクを取る、参院選の時に自分以外の二人を国政に押し上げた、あの山本太郎さんはどこに行ってしまったのか…その落選で懲りたのかもしれないけれど。
支援者の方たちも当面は収まりがつかないでしょうし、どうなるのでしょうか。
本当に無関係な他人ですが、吉田はるみさんが比例などで優遇されることを願わずにはいられません。
いずれにいたしましても、これで東京都内で「れいわ」の票は増えることになりますので、人の心配をしていないでしっかりと維新の党勢拡大に努めてまいりたいと思います。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2021年10月8日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。