メディカルチェック推進機構と検査キット事業を手がけるICheckは10月6日、新型コロナワクチン接種証明アプリ「ワクパス」の提供を開始すると発表した。
ワクチン接種の証明画面
ワクパスは、メディカルチェック推進機構が発行する、民営のワクチン接種証明だ。無料で利用できる。ユーザーがアプリのワクチン接種証明画面を提示することで、参画企業による優待特典が受けられる。ユーザーと安全・安心な企業活動を望む賛同企業をつなぐものと位置づけ、ワクチン接種と社会経済活動の促進を目指す。また、アプリ内で抗原検査キットなどを購入できるようにする。
ワクパス使用の流れ
協賛企業には、APAホテルやアトム、HIS、オリーブスパ、鹿島アントラーズ、カッパ・クリエイトらが名を連ねる。APAホテルは、特典として1時間のチェックアウト延長を提供することを発表している。
発表時点の賛同企業
ワクチン接種証明をめぐっては、政府が12月にもオンラインで発行する方針だ。これについてICheck 取締役の山口慶剛氏は「一歩踏み込み、インセンティブクーポンを付け加えている。政府関係者との情報共有はさせていただいており、ワクパスそのものは排他的なものではない。政府のものも含めて協調して進めたい」と説明した。
歌手でICheck社外取締役の島谷ひとみさんが、登録の流れを説明し、ワクパスをアピールした
アプリから、ガイドラインに沿ってワクチン接種書類や身分証明書などを撮影する
また、前自治医科大学理事長、元総務省事務次官、メディカルチェック推進機構理事長の香山充弘氏は「民間企業にワクパスのようなものを望む強い声があり、それに応えるもの。安全を確保しつつ経済活動を停滞させない方法はいくつもあると思うが、その一つが接種済証をデジタル化すること。すでに検査済証を提示すれば割引する店舗はあるが、そうしたところに対して競合になることは考えていない。協賛企業のサービス内容をアプリで一覧できるので、ユーザーにとって利便になると思う」と説明した。
企業の掲載は無料
なお、ワクパスは、スマートフォンアプリ(iOS/Android)を予定。アプリから、各地の医療機関や自治体が発行した、新型コロナウイルスのワクチン接種済証(記録書)を撮影しデジタル化。さらに写真付きの身分証明書などと合わせて確認し、アプリ上でワクチン接種を証明する。
現在アプリをアップルとグーグルに申請中だが、センシティブな内容のためか、まだ承認されていない。これについて山口氏は、「われわれとしてもなるべく早くと思っているが、十分に検証していただくのはあるべき形。日本医師会名誉会長で前世界医師会会長、メディカルチェック推進機構会長など公的な立場を持っている方と展開しており、ご理解いただければ承認されると思っている。(発表会の会場は)東京商工会議所の渋沢ホールで、東京商工会議所にも全面サポートしていただいている」と語った。
今後の構想