月曜を全社的な「休業日」に、ある新興EC企業の取り組み:「従業員のバーンアウトが最大のリスク」

DIGIDAY

eコマーススタートアップのボルト(Bolt)は、レイバーデー(労働者の日:9月の第1月曜)を間近に控えた8月、月曜日のほとんどを「ウェルネスデー」と名付け、全社的な休業日にした。同社のマーケティング担当バイスプレジデントを務めるトム・バーガー氏によれば、これは300人近い従業員がバーンアウト(燃え尽き症候群)に陥るのを防ぐための取り組みだという。パンデミックが続くなか、バーンアウトは企業が対処すべき経営上の課題となっている。

「テクノロジー系のスタートアップにとって、チームのバーンアウトは最大のリスクのひとつと我々は考えている。ウェルネスデーのような取り組みは、バーンアウトを緩和し、従業員に確実に休んでもらうために役立つものだ」と、バーカー氏は語った。

従業員が疲れ切ってやる気を失わないようにしようと、新たな休暇や特典を導入している企業はボルトだけではない。マーケティング企業の幹部らは、新型コロナウイルス感染症の変異株がもたらすストレスや、パンデミックによって続く不確実な状況、そして第4四半期ならではのストレスを踏まえ、従業員の健康を維持すべく休暇や特典を増やしている。

社員全員を休みに

ボルトがレイバーデー前に3週連続で月曜日を休みにしたのは、今年が初めてのことだった。バーガー氏によれば、この取り組みは好評だったため、今後は年間を通じてウェルネスデーを増やし、従業員をサポートしていくことになりそうだという。

ボルトでは、特別な有給休暇を従業員に与えるのではなく、特定の日を全社的な休業日とすることで、従業員が心置きなく休暇を楽しめるようにした。「全員が休めば、誰もが充電できる。皆を休みにしなければ、Slackのメッセージやeメールが届くことになるだろう。全員が休暇を取れるようにするには、この方法しかなかった」と、バーガー氏は語る。

ボルトでリテールアドボカシー担当シニア・ディレクターを務めるイアン・レスリー氏も、ウェルネスデーを大いに活用したひとりだ。休暇が取れれば、仕事から離れてストレスを解消し、「ゆっくりした時間を過ごす」ことができるため、チームにとって「ウェルネスデーはきわめて重要なものだ」と語る。

また、休暇やそのほかの特典を増やすなど、従業員がバーンアウトに対処できるよう支援する方法を見つけ出せば、従業員の長期的な定着率が高まるだろうと、広告業界の人材採用に詳しいクリスティ・コーデス氏は指摘する。

雇用主から休暇を促す

「(そのような取り組みが)定着率に貢献することはほぼ間違いない。従業員に(休暇の取得を)求めるのではなく、彼らの現状を把握して対応することが、従業員が雇用主に求めている思いやりなのだ」と、コーデス氏はいう。「今回のパンデミックでは、ほとんどの人が何らかの悲しみを経験している。悲しみは、それが認められない限り、真の意味で満たされることはない。(ウェルネスデーは)いま多くの人が求めている思いやりのある環境を作るうえで、非常に良い取り組みだ」。

バーガー氏によれば、ボルトは8月のウェルネスデー以外にも、瞑想やヨガのクラスを提供したり、思いやりやリーダーシップ、不安をテーマにしたクラスを設けたりしているという。「このような取り組みを実施したのは、従業員を日々の会議や打ち合わせから解放するためだ」とバーガー氏は述べる。クラスやウェルネスデーは、従業員が活力を取り戻して仕事に復帰できるようにするため、会社にとって役立つ取り組みだと付け加えた。

[原文:‘One of our biggest risks is burning out the team’: Why e-commerce startup Bolt added wellness days this past August

KRISTINA MONLLOS(翻訳:佐藤 卓/ガリレオ、編集:小玉明依)

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