メタバース にノンバイナリーのLGBTQIA+アバターを導入:ニックス・コスメティックスの事例

DIGIDAY

ニックス・プロフェッショナル・メイクアップ(NYX Professional Makeup)は、メタバースにLGBTQIA+の表現をもたらしている。

6月のプライド月間に向けた今年で2年目となるアクティベーションの一環として、ニックスはメタバースのプラットフォーム、サンドボックス(The Sandbox)で使用できる8430点のデジタルNFTアバターをオークションで販売する。ニックスNFTは、6月16日からNFTマーケットプレイスのオープンシー(Opensea)を通じて購入することができ、価格は未定だが100ドル(約1万3400円)以下となる予定だ。サンドボックスには2月にグッチが参加しているが、ニックス・プロフェッショナル・メイクアップは、サンドボックスに参入する最初の化粧品ブランドとなる。

ニックスのアバターコレクションは、同ブランドのファンデーションの多様なシェードにインスパイアされた36色の肌の色を提供する。さらに、8430点のNFTアバターは、人口の84.3%がBIPOCコミュニティやLGBTQIA+の人々であるということを表したものだ。NFTアバターの販売オークションによる収益はすべて、ロサンゼルスLGBTセンター(Los Angeles LGBT Center)に寄付される。入手したアバターを暗号ウォレットに接続すれば、サンドボックスで使用することができる。

メタバースにおける多様性

「メタバースでは、メイクアップの表現がかなり変わるだろうと考えている。私たちの見せ方もまた違ったものになるはずだ」と話すのは、ニックス・プロフェッショナル・メイクアップの米国マーケティング責任者ヴィヴィアナ・ブランチ氏だ。「とはいえ、私たちのブランドのDNAに焦点を当てるということは、広範囲にわたって一貫させていく。また、私たちはこれまでもつねに品質、多様性、自己表現を支持してきた。それが、このメタバース環境でブランドを目立たせるやり方だ」。

メタバースのコンセプトは新しく、ただひとつの場所が存在するのではなく、さまざまなメタバースのプラットフォームがいくつもの島のように点在しているため、現在の多様性のプールを理解するのはむずかしいかもしれない。モーニングコンサルト(Morning Consult)が2022年3月に行った調査によると、米国の成人男性の18%がメタバースに「非常に興味がある」のに対し、女性でそう回答したのは7%だった。興味の度合いを人種別にみると、「非常に興味がある」と回答したのは、黒人が17%、ヒスパニックでは20%、白人は12%となっており、有望なスタートといえる。この調査では、セクシュアリティやジェンダーアイデンティティは考慮されていない。ほかにも、クリプトグラフィック・ブロックチェーン・インダストリーズ(Cryptographic Blockchain Industries)は5月下旬、「LGBTQコミュニティによるコミュニティのための初のメタバース」として、新たなメタバース空間を発表した。これは2023年にリリースされる予定で、名称はQトピア(Qtopia)である。

LGBTQIA+コミュニティが表現の平等性を推進

ニックスは2021年9月にバーチャルのクリプトファッションウィーク(Crypto Fashion Week)にNFTとともに参加した経験があるため、今回のアクティベーションは同ブランドにとってはメタバースへの初の進出ではない。とはいえ、今回の件が表しているのは、ビューティブランドが数あるメタバースアクティベーションのなかで突出する方法を見つけ、メタバースの規模に合わせて表現の平等性を確保する必要があるということだ。

「LGBTQIA+コミュニティが、非常に多くの点において推進力となっている。メタバースに自己表現と多様な表現をもたらすために、私たちはアライシップ(支援)を進化させている」とニックス・プロフェッショナル・メイクアップのゼネラルマネージャー、ヤスミン・ダストマルチ氏は述べている。

メタバースでもメイクによる自己表現や芸術的な表現を

アバターの所有者は、自分のジェンダーアイデンティティと性的指向をカスタマイズできる。ニックスの化粧品にインスパイアされたメイクアップのルックを身につけたアバターは、ボクセル化(ピクセルで表現したものを立体化したもの)され、プライドフラッグのレインボーカラーを表現している。ニックス・コスメティックスは、Web3のクリエイティブ&イノベーションラボであるピープル・オブ・クリプト(People of Crypto)と協力してNFTを開発した。

「Web3は、それを構築するアーティスト、技術者、クリエイターを高めることができる」とブランチ氏は言う。「現実世界でメイクアップによる自己表現や芸術的な表現を遊びながら発展させていくことができるように、いまではこの新しい(メタバースの)世界でもそれができるようになっている。現実世界で行うのと同じように、想像力にあふれたルックを作ることができるのだ」。

6月に行われるニックスのプライド・アクティベーションは、メタバースのNFTアバターだけではない。ロサンゼルスでは、アーティストのセス・ボガート氏によるライブ壁画の制作やドラァグショーなど、リアルな世界でのアクティベーションも行われる。ほかの多くのブランドと同様に、ニックスはリミテッドエディションのプライドコレクションをオンラインと店舗で販売している。

[原文:Nyx Cosmetics introduces non-binary LGBTQIA+ avatars into the metaverse]

EMMA SANDLER(翻訳:Maya Kishida、編集:黒田千聖)

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