テレワークをはじめてから、自宅のPCがほぼ1日つけっぱなしになっている。消費電力が気になるし、排熱に対抗するエアコンの電気代が上がってしまわないか心配だ。
……この記事を書いている日、東京都で4回目の緊急事態宣言が解除された。
私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中で、今回は音声認識を駆使して、PCの電源をこまめにオン・オフしてみようと思う。
9月27日(月):Wake On LANでスマホからPCの電源を入れてみた
先日はNFCタグを使ってPC起動後のルーティンを自動化してみたが、そもそもPCの起動自体を自動化できないか考えてみた。
PCを遠隔起動する方法で、真っ先に思いつくのがWake On LAN (WOL)。今も会社のPCをリモート操作する際に使っているが、今回はこれを音声コマンドで実行してみようと思う。
WOLで電源を入れるには、PC側での設定が必要になる。これについては以前の記事を参考にしてもらうとして、それ以外で必要になるのが遠隔操作されるPCのIPアドレスとMACアドレスだ。
このうちIPアドレスは固定しておかないと、PCを再起動するたびに変わってしまうので、設定しておくことにした。一方、MACアドレスは「ハードウェアと接続のプロパティ」に表示されるので、ここで確認しておこう。
これらの情報をWOLツールに登録すれば、PCの電源を遠隔操作できるようになる。今回はiPhoneアプリの「WolowーWake on LAN」を利用することにした。
実際にIPアドレスやMACアドレスを登録したところ、メイン画面の電源アイコンをタップすることで、PCの電源をオンにできた。これを利用すれば、PCの電源を入れる動作を、iPhoneの機能で自動化することができそうだ。
9月29日(水):声すら必要なくPCを自動で起動させたい!
声でPCの電源を入れることに成功したので、今度は「オートメーション」による自動化に挑戦してみた。前回の記事のようにNFCタグを使うのも良いが、目指したのは“朝起きると同時にPCを起動する”環境なので、「起床アラーム」と連携させることにする。
iPhoneの「起床アラーム」では、曜日ごとに起床時間を変更したり、週末はアラームを鳴らさない設定にすることが可能。これを「オートメーション」のトリガーにすると、NFCタグと同じように“何も操作しなくてもタスクを自動実行”してくれるので(※)、今回の自動化にはうってつけだ。
※位置情報などをトリガーにした場合、タスクの実行時に確認画面が表示され、画面をタップする必要がある
さっそく起床時間をトリガーにした「オートメーション」を作成。翌朝にアラームをオフにしたところ、WOLの信号が送られたのを確認できたのだが、PCが起動する様子がない。なぜだ……。
いろいろ調べたところ、どうやらPCをシャットダウンしてから時間が経ちすぎたため、ルーターがPCを認識できなくなったようだ。そこで、「Wolow-Wake on LAN」の設定画面を開き、「IP Address」の末尾を「192.168.0.255」というように「255」に変更。これで信号がルーターに接続した全端末に一斉送信されるようになり、無事にPCが起動した。
「オートメーション」が実行されたことで、以降は朝に目が覚めた後、シームレスに仕事のメールをチェックできている。とはいえ、このままPCを起動しっぱなしでは電気代が気になるので、次回はシャットダウン/スリープの自動化に挑戦したい。