職場が年中暑いのでPCファンを「最強の卓上扇風機」に改造したら最高だった 【テレワークグッズ・ミニレビュー 第15回】

INTERNET Watch

 新型コロナの影響で、テレワークを余儀なくされている読者も多いだろう。かく言うINTERNET Watch編集部でもそれは同じ。それぞれの住環境の中で、テレワーク環境をより改善すべく日々工夫を凝らしている。そこでこの連載では、そんなスタッフが実際に使ってオススメできると思ったテレワークグッズのレビューをリレー形式で紹介していく。


とにかく「最強の卓上扇風機」が欲しい

 コロナ禍以降、会社からは原則リモートワークを命じられ、同時に全社フリーアドレス化のために、編集部に置いていた機材や資料、私物などは全て撤収することになった。

 しかし、自宅隣のマンションの解体工事が始まってしまい、結局は会社には事情を説明して許可を得た上で、交通機関が混雑する時間帯を避けたオフピーク通勤で毎日ではないが出社している状態だ。

社内は大規模改装中だが、一部は利用できるようになってきた

 そんな職場で以前から気になっていたのがエアコンの稼働状況だ。例えば、夏は冷えすぎないように温度が設定されているので、真夏日に取材先から戻ってきたときはしばらく火照った状態なので暑苦しい状態が続く。一方、冬は暖房が結構効いているため、そのままでは暑く感じることが多い。それでも、オフィススペースのエアコンの設定温度は勝手に変えられないようになっているのが現状だ。

 そこでオールシーズン欠かせないのが卓上扇風機だが、実際に購入してみたらファンそのものがすぐに壊れてしまったり、断線などで使えなくなったという声を周りから聞いたり、自分でも同じような目に遭ったことがある。電源オン/オフや首振り機能などの細かな機能がなくても構わない。それよりも、風量がしっかりあって、ファンそのものの品質が比較的高く、長く使える「最強の卓上扇風機」はないだろうか……。

目を付けたのは「PCファン」、アイネックスの変換ケーブル「CA-USB12V」

 そこで目を付けたのが「PCファン」だ。自作PCユーザーであれば買い替えなどで古いものを余らせていたり、予備用に保管していることもあるのではないだろうか。

 そんなPCファンをUSB接続タイプの卓上扇風機に変えてしまうというのが、アイネックスから発売されているPCファン用USB電源変換ケーブル「CA-USB12V」だ。12V昇圧タイプなので、PC内部を冷やすための冷却性能はそのままに、暑さにやられた自分を徹底的に“冷却”してくれる。

 自分はこのケーブルを使って、各編集部から放出されたジャンク品の中から見つけたPCファンを再利用し、卓上扇風機として数年間使い続けている。フリーアドレス化で私物を持ち運ばなければいけない状況になってからさらに重宝しており、自分にとってはPCファンを「最強の卓上扇風機」に変えてくれるケーブルとして愛用している。

「CA-USB12V」でUSB接続に変換したPCファンをノートPCに挿して使用している。薄く軽くて風量もあるPCファンをそのまま卓上扇風機として使えるのが最高にクールだ

「CA-USB12V」本体。つなげるだけでPCファンを卓上扇風機として使えるのが特徴だ

アイネックスではパワーユーザー向けパーツとして販売。昇圧することで端末やPCファンに不具合が生じたことは今までない

12Vに昇圧してPCファンの冷却性能はそのまま、性能を最大限に生かす

 PCファンはPC内部のパーツなどを継続的に冷却させるための安定性と耐久性を備えているのが特徴だ。サイズやデザインもさまざまで、回転数、最大風量、ノイズレベルなどの細かなスペックも公開されており、徹底的に冷やすタイプから静音性に優れたタイプまでメーカーごとに幅広くラインアップしている。「CA-USB12V」を使えば、こうしたファンの性能を卓上扇風機でも生かすことができるのだ。

こうしたさまざまなスペックやデザインのあるPCファンを卓上扇風機として使えるのは面白い

 「CA-USB12V」は、3pinやPWM 4pinコネクタを備えたPCファンをUSB電源動作に変えることができる1mのケーブルで、メーカーでもPCファンを簡易卓上ファンとして使えることをうたっている。このケーブルの面白いところが、USB Type-Aコネクタで通常は5V動作になり風量が弱まるところを内蔵チップを搭載することによって12Vへ昇圧する点だ。この仕組みによって、PCファンの持つ冷却性能はそのままに、コネクタを変換するだけでお手軽に実用的な卓上扇風機が出来上がる。

 自分が会社で入手し、現在使っているPCファンは2013年ごろに発売されたCORSAIR製の140mm角ファンになる。PCファンなら一般的な厚さの25mmだが、同製品はフレームも薄い上に約135gと軽くて形もシンプルなので、リュックに入れても邪魔にならず持ち運びやすい卓上扇風機として活躍している。

140mm角ファンを使っているが、幅の狭いデスクに置いても必要以上に場所を取らない

本体が薄いのでリュックに入れても邪魔にならず、軽いので持ち運びにも便利だ

 本体に搭載された赤いLEDは本体側でオンオフすることはできないが、こういった仕様に満足できなかったら別のものに挿し替えて、各メーカーの製品のスペックの違いやデザインの変化を楽しみ、自分にとって最強の卓上扇風機になり得るPCファンを見つけ出す面白さがある。

いざとなればPCファンをパーツ冷却用に流用できる便利さ(?)

 本製品は昇圧用のチップが内蔵されたことでコネクタ部分がやや大きくなっていることや風量調節機能がないことがデメリットだが、数年間使っても断線することなく安心して使えている。

 PCファンをそのまま卓上扇風機として使えば、スタンドもなく不安定になるが、そんなときはPCファンスタンドなどを別途追加してカスタマイズすればいいだろう。

 例えば、80mm/92mm/120mm角PCファン対応のファンスタンドに加えて、5V駆動にはなるが、PCファン用USB電源変換ケーブルがセットになった長尾製作所の「SS-NFSTAND-5V」などがある。ユーザーによっては、100均のスマホスタンドなどを流用しているケースも見かけたが、そのあたりはユーザーのアイデア次第だ。

自分はカスタマイズは行わず、例えば角度調整が必要なときは机の周りの物に立て掛けて角度を付けたり、PCファンとの距離を調整することで対処している

 便利なので職場だけでなく、自宅でも余ったPCファンを卓上扇風機や外部冷却ファンとして使用している。最近では、11年前に購入した自作PCケース付属の排気用120mm角ファンが動かなくなったので、卓上扇風機として使っていたPCファンを急遽流用することがあった。万が一予備がなくなったとしても、「CA-USB12V」につないだPCファンをいざというときに本来の用途に使える、自作PCユーザーとしても助かるメリットがある(?)。

かつて卓上扇風機として使っていたPCファンは自作PCの排気用ファンとして活躍中。それにしても、11年間も稼働していたPCファンの耐久性にも驚かされる

 なお、「CA-USB12V」は全ての組み合わせにおいての動作を保証するものではなく、自作PCにも慣れたパワーユーザー向けの製品にはなるが、PCファンのちょっと変わった使い方としてお勧めしたい。

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