東京都在住の会社員、5割弱が「地方や郊外への移住に興味あり」~リクルート調査 

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 株式会社リクルートは、地方移住と多拠点居住に関するアンケートの集計結果を公表した。回答者の46.6%が、地方や郊外の移住に興味があると回答している。

 この調査は、東京都に在住している20~59歳の会社員を対象に、インターネットで8月10日~18日に実施した。回答者数は2479人。

「地方・郊外移住への興味」に年齢による大きな差なし

 「地方や郊外への興味があるか」との質問では、「とても興味がある」が11.5%、「興味がある」が35.1%、「興味がない」が28.6%、「全く興味がない」が24.8%だった。このうち「とても興味がある」「興味がある」と回答した計46.6%の1156人には、年齢層による大きな差異は見られないという。

 ここから先は、この移住に興味を持っている1156人を対象に行った調査だ。

 「都心までどの程度で行ける地方や郊外への移住に興味があるか」では、「1時間程度以内」が31.8%、「1時間から2時間程度」が43.3%、「2時間以上」が15.6%、「わからない」が9.3%。

(左)「地方や郊外への興味があるか」、(右)「都心までどの程度で行ける地方や郊外への移住に興味があるか」

「新型コロナがきっかけ」が7割

 「地方や郊外への移住を考えたきっかけと新型コロナウイルス感染拡大の関係」(複数回答可)では、「新型コロナの環境で、テレワークなどの柔軟な働き方が可能になったため、地方や郊外への移住に興味を持った」が43.4%、「新型コロナの環境で在宅勤務が増え、よりよい住環境で生活したいと思ったため、地方や郊外への移住に興味を持った」が33.1%、「新型コロナの環境で、都市部の生活に魅力を感じなくなったため、地方や郊外への移住に興味を持った」が20.5%、「新型コロナの影響で収入が減ったため家賃や生活費を下げるために地方や郊外への移住に興味を持った」が12.9%、「新型コロナの影響と、地方や郊外への移住に興味を持ったきっかけは、特に関係が無い」が29.7%だった。

 移住を検討している人のうち、70.3%は新型コロナウイルス感染症が関わっているという結果になった。

「地方や郊外への移住を考えたきっかけと新型コロナウイルス感染拡大の関係」

移住に興味はあるが「実施していることはなにもない」が半数程度

 「いつまでに地方や郊外への移住を実現したいか」では、「すぐにでも実現したい」が6.7%、「1年以内をめどに実現したい」が13.8%、「3年以内をめどに実現したい」が15.2%、「時期はわからないが将来的に実現したい」が46.5%、「実現したいとまでは思っていない」が17.9%だった。

 「地方や郊外への移住のために取り組んでいること」としては、「すでに移住先・居住地が確定しており、手続きを進めている」が3.2%、「居住候補の地域を訪れたり、一定期間過ごしたりしている」が11.8%、「情報収集を進めている」が26.6%、「まだ具体的に実施していることはない」が58.5%となった。

(左)「いつまでに地方や郊外への移住を実現したいか」、(右)「地方や郊外への移住のために取り組んでいること」

 この2つの調査結果では、どの程度実現しようと考えているのか、行動を起こしているかが分かる。3年以内に移住したい人が計35.7%だ。また、移住への進ちょく状況だが、「すでに移住先・居住地が確定しており、手続きを進めている」「居住候補の地域を訪れたり、一定期間過ごしたりしている」「情報収集を進めている」という行動を起こしている人は計41.6%となる。

 つまり、移住に興味はあるが、半数程度は「実現したいとまで思ってはいない」「まだ具体的に実施していることはない」という状況と言える。

コロナ終息後もテレワークが続けられるかとの不安も

 東京都から郊外や地方に移住するにあたり、心配や不安もあるだろう。「地方や郊外への移住や不安や心配事」(複数回答)として挙げられているのは、「仕事面」が64.0%、「経済面」が56.7%、「環境面」が47.6%、「住宅面」が42.2%。

 このアンケートのフリーコメントでは、「配偶者や子どもたちなど、家族の同意を得るのが困難」「子どもの教育環境が、地方でも充実させられるか不安」「夫はテレワークだが私はそうでないので、そのような仕事が見つかるかどうか」という家族に関することも心配や不安として挙げられている。

「地方や郊外への移住や不安や心配事」

 また、「リモートワークが当たり前になったとはいえ、週に1、2回は出社を求められる状態であり、今後コロナが落ち着いた際にはさらに出社が増える可能性も排除できない」「コロナが終息して通常出勤が一般的になってしまった場合に生活を継続できないのではないかという懸念」という、テレワークが継続できるか不安だというコメントも見られる。

住宅情報サイト「SUUMO」でも移住希望者の増加が見える

 また、リクルートが運営する住宅情報サイト「SUUMO」でも、移住に興味がある人が増えているということが見えている。池本洋一氏(SUUMOリサーチセンター長)によると、「SUUMOの閲覧数はコロナ禍で約1.3倍程度に増え、今もその傾向は継続しており、掲載物件がニーズに対して足らないほどの状況」だとしている。

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