Appleの自動運転車開発プロジェクトで事実上の責任者を務めた人物がフォードに移籍

GIGAZINE
2021年09月08日 15時00分
メモ



Appleは2015年頃から「プロジェクト・タイタン」と呼ばれる自動運転車開発プロジェクトを進めており、2024年にはApple製自動運転車の生産が開始するとも言われています。そんな中、プロジェクト・タイタンの事実上の責任者でもあったダグ・フィールド氏がAppleを離れ、自動車大手のフォードに移籍したことが発表されました。

Ford Names Doug Field Chief Advanced Technology and Embedded Systems Officer | Ford Media Center
https://media.ford.com/content/fordmedia/fna/us/en/news/2021/09/07/doug-field.html

Apple’s car chief is heading to Ford – The Verge
https://www.theverge.com/2021/9/7/22661291/apple-car-chief-ford-doug-field

Ford poaches top tech executive Doug Field who helped lead Apple’s top-secret car project
https://www.cnbc.com/2021/09/07/ford-hires-ex-tesla-apple-executive-doug-field-to-lead-advanced-tech.html

Appleのプロジェクト・タイタンはかなり難航しているとみられており、2019年には大規模な人員整理を行ったことが判明しましたが、それでもプロジェクト自体は存続しているとAppleは主張していました。その後、2020年には「Apple製の自動運転車が2024年までに生産される」と報じられたほか、アメリカの電気自動車メーカー・Canooと提携に向けた協議を行っていたことや、2021年にはポルシェのシャーシ開発責任者を雇用したこともわかっています。

Appleがポルシェのシャーシ開発責任者を雇用、自動運転車開発プロジェクトが加速か – GIGAZINE


そんな中、2021年9月7日に自動車メーカーのフォードが、Appleのスペシャルプロダクト担当ヴァイス・プレジデントだったダグ・フィールド氏を雇用し、先進テクノロジーおよび組み込みシステムの担当者に任命したと発表しました。

フィールド氏は、AppleでMacのハードウェアエンジニアリング担当ヴァイス・プレジデントを務めた後、2013年にテスラへ移籍してモデル3の開発を率いた人物です。2018年にAppleへ復帰してからは、プロジェクト・タイタンの事実上の責任者を務めていたとのこと。

世界有数の資産運用企業であるアライアンス・バーンスタインでアナリストを務めるToni Sacconaghi氏は、「尊敬されており、経験豊富な幹部がいなくなるということは、どの企業にとっても痛手だと思います」と述べ、自動車部門を率いていたフィールド氏の移籍はAppleにとって大きな損失だと指摘しています。一方、Appleはフィールド氏の移籍について、「私たちはこれまでダグがAppleに貢献してくれたことに感謝します。そして、彼が新たな章でベストを尽くせることを願っています」と声明で述べました。

フィールド氏は海外メディアのCNBCに対し、「私はAppleの新製品について話しません。そしてAppleにおける私の仕事について話すつもりもありません。しかし、私がフォードで取り組むことを妨げるものは何もありません」とコメントしています。

by Jonathan Cutrer

フォードのジム・ファーリーCEOは、「ダグは世界で最も尊敬されているエンジニアリングおよび製品デザインリーダーです」と述べ、Appleやテスラなどのさまざまな企業で、画期的な自動車やモビリティ製品の原動力になってきたとしています。

フィールド氏は今後、フォードの最高製品プラットフォームおよびオペレーション責任者であるハウ・タイ・タン氏と緊密に協力し、フォードの次世代製品やエクスペリエンスの作成に携わるとのこと。「フォードが新しくて複雑な、自動車業界の魅力的な時代への移行を受け入れているため、私はフォードに加わることに興奮しています」と、フィールド氏は述べました。

なお、フィールド氏は1987年~1993年までフォードの開発エンジニアとして勤務していた経験があり、今回の移籍はフィールド氏にとって古巣への復帰となります。

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