自然界に存在する奇妙な生物6選

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世の中には首を180度回転させて背面飛行する鳥魚の舌に取って代わる寄生虫4本もペニスがあるのに2本しか勃起させることができない哺乳類など、多種多様な動物が存在しています。数ある動物の中でも「進化論の果てに誕生した奇妙すぎる動物」6種について、サイエンス系ニュースサイトのLive Scienceがまとめています。

6 weird animals that evolution came up with | Live Science
https://www.livescience.com/weird-animals-evolution.html

◆1:透明なカエル
ほとんど全ての生き物を見たときに目に入ってくるのが皮膚ですが、中にはその皮膚が透けている生き物がいます。英語で「Glass frog(ガラスのカエル)」という異名を持つアマガエルモドキ科の一部の種は、その異名の通り「腹側の皮膚が半透明」という不思議な生き物。腹側から見た場合、胃腸を食物が通る様子や、ドクッドクッとうごめく心臓などが皮膚を通して観察できます。

by Amber Case

アマガエルモドキの一部がどのようにして透明な皮膚を得たのかという謎については、2020年6月に発表された研究では、「アマガエルモドキが生息する中南米の熱帯雨林は生い茂る草木など緑色が多いため、背中側の鮮やかな緑色が周囲に溶け込む効果を果たしている他、腹側の透明な皮膚は体の輪郭をぼかす作用があるため、カモフラージュ効果が得られている」と論じられています。

◆2:イチジクの中で一生を終えるハチ
イチジクは世界中で広く栽培されている果樹ですが、野生種はイチジクコバチという小さなハチと共生関係を結びます。果実の中でふ化したイチジクコバチのオスは、そのまま外界を見ることなく果実の中で死ぬという、奇妙な生態を有しています。

イチジクコバチのメスも果実の中でふ化しますが、オスと交尾した後に外界に出て行くという点が異なります。外界に出て行ったメスは受粉の準備段階にあるイチジクの木を嗅ぎ分け、匂いを元にイチジクの花に着地。果実部の先端にある開口部から中に侵入しますが、開口部は非常に狭いため、侵入する過程で羽や触覚を失うとのこと。こうして命を削って果実内部に侵入したメスは、産卵後わずか24時間で死亡します。

図5:メスのイチジクコバチの産卵 – YouTube
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イチジクコバチのメスは体に花粉を付着させたまま果実に侵入するため、イチジクコバチはイチジクの花粉媒介者の役割を担っています。なお、日本にはイチジクコバチは生息しておらず、日本で栽培されているイチジクのほとんどはイチジクコバチの受粉を必要としない単為結果性品種となっています。

◆3:幼生の特徴を保持したまま成熟する両生類
アステカ文明で用いられたナワトル語で「水」と「イヌ」を組み合わせたアホロートルという名前を持つメキシコサンショウウオは、幼生の特徴を保持したまま成熟するという珍しい特徴「ネオテニー(幼形成熟)」を示す種。両生類は幼生期にはエラを持ちエラ呼吸を行いますが、変態して成体になると肺や皮膚呼吸に移行します。しかし、メキシコサンショウウオは頭部の両側にあるエラや尾を幼生期から引き継ぎ、成体になってもエラ呼吸を続けます。

by Ruben Undheim

生息地であるメキシコ近郊において、メキシコサンショウウオは長らく食物連鎖の頂点に位置していましたが、ティラピアやコイなどの外来種の侵入や、環境汚染によって個体数が減少傾向にあるとのことです。

◆4:オスが出産する魚
日本では外見が竜に通じることからその名が付けられたタツノオトシゴは、およそ魚には見えない外見だけでなく「オスが腹部で卵を保護する」という生態でも有名です。オスの腹部には育児嚢(いくじのう)という袋があり、オスはこの育児嚢でメスが産み落とした卵を稚魚になるまで保護します。

by Adam

タツノオトシゴがこのような生態に至った理由については、メスはオスにふ化を任せることによって、出産直後に妊娠を行うことが確認されている他、出産時には大きくエネルギーを消耗するため、その後のふ化をオスが担うことでエネルギー消耗量を均等化しているのだと考えられています。

◆5:オスがメスに寄生する魚
アンコウは雌雄差がある魚として知られていますが、その中でも深海に生息するミツクリエナガチョウチンアンコウ科は男女間で圧倒的な体格差のある種で、メスはオスに比べて体長は約60倍、体重は約50万倍に達します。


メスを発見したミツクリエナガチョウチンアンコウ科のオスは鉤状の歯を使って体に食いつき、血を吸い出して栄養素を摂取しながらメスと一体化します。この一体化の過程では、オスは泳ぐ必要がなくなるため、目やひれに加えて主要な臓器が次第になくなります。メスが繁殖する準備ができると、メスが卵子を放出すると同時にオスも精子を放出し、体外受精を行います。

◆6:不死のクラゲ
あらゆる人間は最終的に死に至りますが、世の中には不死の生物が存在します。世界中の温帯から熱帯にかけて生息するベニクラゲは、雌雄が性的に成熟した状態から成熟前のポリプという時期にまで戻ることが確認されています。この成熟状態から未成熟状態に戻るというプロセスは理論上は無限に可能であるため、ベニクラゲは不老不死のクラゲとして注目を集めています。

Turritopsis sp. in 2020 – YouTube
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ベニクラゲの持つ不死の性質については、ゲノム解析によるメカニズムの解明が進められています。

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