東京五輪・陸上女子やり投げの銀メダリストが、メダルをオークションに出品した。複数の海外メディアが報じた。
集まった資金は、重い病気を患っている子どものために使われるという。
「誰かの命を救うことができる」
ポーランドのマリア・アンドレイチェク選手は東京から帰国後すぐに、メダルをオークションに出品した。重度の心臓病を持つ生後8か月の男の子のためだ。自らの子ではない。総肺静脈還流異常症(TAPVC)を患い、アメリカでの手術を必要としている。
手術費は約4200万円。メダルは約560万円で落札され、チャリティーサイトでの寄付分と合わせて7割ほどが集まっている。
アンドレイチェク選手も2018年に骨肉腫を発症し、闘病生活を送った。今回の慈善活動について「メダルの本当の価値は、私の心の中にあります。メダルは単なる物ですが、それが誰かの大きな助けになります。埃をかぶっているのではなく、誰かの命を救うことができるのです。だから、オークションに出すことにしました」と説明している。
メダルの譲渡をめぐっては、東京五輪陸上女子のベラルーシ代表クリスツィナ・ツィマノウスカヤ選手も19年の欧州競技大会で獲得した銀メダルをオークションに出品した。東京五輪後にポーランドに亡命した経験から、収益金は政治的な困難に直面しているアスリートの支援に充てられる。