新型コロナ入院基準改定をめぐって論争が続いています。
入院対象は重症者らに限定、自宅療養が基本に
重症患者を優先して医療崩壊を回避することが目的だったはずですが、毎日新聞などメディアのミスリードによって、政府の対応が「中等症の人を病院から追い出す」みたいな印象を与えてしまい、おかしな事態になっています。
「中等症」という、ふつうの人は一昨日まで聞いたことのなかった言葉の「定義」をめぐって大きな混乱が生じているようです。
批判派の方と・・・。
「先、先を見て動いていかないと対応できない」と田村厚労相。ちょっと待った。「先を見て動いて」いたら「中等症も自宅療養が基本」などという事態にはならなかったのではないか。その反省も胸の痛みもなく、あっさり「命の保証は自己責任で」と国民を突き放す。これでは後手後手の対応しかできない。
— 山下芳生 (@jcpyamashita) August 3, 2021
合理的配慮派と・・・。
政府の入院制限は中等症の患者を一律自宅療養にするのでなく、症状別に優先順位を決めるもの。酸素吸入が必要な患者は当然入院。本来なら病床をもっと増やせばいいが、医師会が協力せず進まないし、国にも強制力がない。少ない医療資源を皆で争奪戦しているのが現状。これでは助かる者も助からない。
— 加藤清隆(文化人放送局MC) (@jda1BekUDve1ccx) August 5, 2021
たしかに、政権の今までの言行不一致が招いたと面もあります。
中等症の患者も自宅療養へ→つい先日まで安全安心、国民の命と健康を守ると言ってたのに、五輪のどさくさ紛れに何言ってるんですか?オチはありません。
— デーブ・スペクター (@dave_spector) August 3, 2021
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課題としては、自宅待機となった患者の症状急変に備えて、そのケアをどうサポートしていくか。訪問医療をオンライン診療などのDX技術でサポートしたいところですが、日本の医療体制がそれを拒んできた面も否定できません。
この状況下では、グレーゾーン(軽症と中等症(軽度)の線引き)の判断を現場に任せると、不測の事態に備えて、リスクの少ない方を選択する(重症と判断する)インセンティブが働く可能性が高く、政府の意図する医療提供体制の改善にはなりそうもありません。
政府にはより一層の丁寧な説明と、在宅患者へのサポートに関して体制整備、マスコミには事実に基づいた冷静な報道が求められます。