リボルブグループが モバイルゲーミング に参入:ファッションにおけるデジタルイノベーションの最前線を目指す

DIGIDAY

モバイルファッション・ゲームの機会に取り組む企業が増えているなか、リボルブ(Revolve)はゲームをローンチし、その大規模な女性コミュニティを活用してオーディエンスを増やそうと計画している。

バーバリー(Burberry)やグッチ(Gucci)などのファッションブランドは、過去2年間で独自のモバイルゲームをローンチしている。バーバリーはアドベンチャーゲームのBバウンス(B Bounce)、グッチはアプリ内にアーケード(Arcade)をローンチした。だが、大抵のブランドは、ほぼ単独で行うよりも、成功リスクが低く、確立されたゲーマーコミュニティがあるRoblox(ロブロックス)やディセントラランド(Decentraland)、マインクラフト(Minecraft)などの人気のゲームプラットフォーム上に、比較的簡単で手頃な価格でのローンチを採用している。

ファッションにおけるデジタルイノベーションの最前線に立つ

その流れに逆らったうちの一社が、オンラインファッション小売のリボルブである。同社はエンターテインメントスタジオのミューズ・コレクティブ(Muus Collective)と提携し、2023年に導入予定で独自のWeb3ファッションゲームを制作することを選択した。これは、リボルブにとってメタバース的な世界への最初の進出となる。今回の提携は、特に女性のあいだでモバイルゲーミングの人気が高まっていることがきっかけとなっている。一方、誕生して3年のモバイルファッションゲーム、ドレスト(Drest)は、2021年以降、月間アプリインストール数が50%増加し、250以上のファッションブランドがゲーム内で自社アイテムを紹介している。

リボルブのチーフブランドオフィサーであるライサ・ジェローナ氏は「当社の目標は、ファッションにおけるデジタルイノベーションの最前線に立つこと。私たちは常に、顧客との関わり方を進化させ、ブランドに命を吹き込む新たな方法を探している」と語った。「リボルブらしさに忠実でありながら、非常に熱心な新しいコミュニティへのリーチを拡大する絶好の機会を見出した」。data.aiによれば、2021年には世界中のモバイルゲーマーの49%が女性で、モバイルゲームのダウンロード数は世界中で合計830億回に達している。リボルブの顧客の78%は女性だ。

リボルブグループの2022年第3四半期決算は、売上高が2億6900万ドル(約361.3億円)で、前年同期比10%増となった。同社は拡張モードにあり、メンズウェアや拡大したサイジングの品揃えを充実させてきた。ラグジュアリーブームのなか、2019年にローンチし、ザロウ(The Row)やケイト(Khaite)、ピータードゥ(Peter Do)といったレーベルを販売する好調なフォワード(FWRD)へもますます力を入れている。リボルブは、フォワードからモバイルゲームへと、フェスティバルファッションやオケージョンドレス、ハイエンドなアイテムの提供を計画している。ミューズ・コレクティブは、リボルブとフォワードの衣服のデジタルツインや、ゲーム独自の純粋なデジタル作品を制作する予定だ。

リボルブはミューズと密接に協力して、ユーザーが商品を探索し、お気に入りのルックをスタイルし、シームレスに買い物ができるような没入型のゲームをデザインする。ミューズ・コレクティブの共同創業者でCEOのアンバー・ベザーラー氏は「我々はどのスタイルをゲームで紹介するかを決定するために協働しており、ゲームプレイが出現した際には、ほかの機会を探っていくつもりだ」と話す。「リボルブには、すばらしいゲームプレイを構成するための優れたアイデアがあり、ブランドIPを非常にうまく活用しているため、リボルブが我々から学ぶように、我々もリボルブから多くを学んでいる」。

ジェローナ氏によると、リボルブは「リボルブとフォワードで販売しているインフルエンサー、スタイリスト、ブランドの多様なネットワークを活用し、アプリ内にチャレンジをローンチして、ピアツーピアのつながりを強化する」計画である。それによって、メタバース体験に慣れることができるだろう。

2022年10月、ミューズ・コレクティブは世界最大のゲーミングベンチャーカンパニーである、グリフィンゲーミングパートナーズ(Griffin Gaming Partners)から500万ドル(約6.7億円)のシード資金を獲得している。

ゲーミングを活用して多くの人々をWeb3に取り込む

モバイルゲームのドレストは、ファッションに特化したゲームの可能性を示している。ネッタポルテ(Net-a-Porter)のベテラン、ルーシー・ヨーマンズ氏が制作したドレストは、ファーフェッチ(Farfetch)やそのほか250のラグジュアリーおよびメインストリームのファッションブランドと提携し、その品揃えをゲーム内のデジタル衣服として取り込んでいる。だが、ブロックチェーンの統合や譲渡可能な資産など、Web3の要素が一部まだ不足しており、ミューズのゲームではそれらを促進することを望んでいる。

リボルブのゲームは、Web3に慣れていない人でも直感的に操作できることに重点を置くとベザーラー氏は言う。「プレイヤーがWeb3の側面に関わるかどうかを問わず、本当に楽しく遊べるモバイルゲームにしたい。そもそもWeb3に対応していないゲームを作るというのは、戦略としてはお粗末なように思える」。

リボルブは、ミューズ・コレクティブとの共同所有モデルを通じて、今回のパートナーシップを推進している。この小売業者は、来年のローンチまでにゲーム開発において積極的な役割を果たす予定だ。長期的な計画ではゲームをリボルブとフォワードが提供する没入型ソーシャルゲームの一部にするつもりである。 インスタグラムだけで、リボルブには550万人、フォワードには76万4000人のフォロワーがいる。

「リボルブは、データ主導の革新的なeコマースにおけるリーダーであり、文字通りインフルエンサーマーケティングの戦略を描いてきた」とベザーラー氏は語る。「その結果、リボルブはこのような忠実で熱心な顧客層を獲得している。私たちの目標は、一緒にファッションの未来を形作ることであり、ゲーミングをひとつの楽しい方法として活用し、より多くの人々をWeb3に取り込む手助けをしたいと考えている」。

[原文:Revolve Group is getting into mobile gaming]

ZOFIA ZWIEGLINSKA(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)

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