ネクタリン──。その正体があっさりわかった人は、この記事を読んで学ぶべきことは1つも無い。これまで生きてきた43年間で『ネクタリン』の存在を知らなかった私、P.K.サンジュンを鼻で笑っていただければ幸いだ。だがしかし……。
一方で「ネクタリン? なんだそりゃ?」という方は、ぜひこの機会に『ネクタリン』のことを覚えてしまおう。先日、私が会員制スーパー「コストコ」で購入した『ネクタリン』の正体とは……。
・コストコで遭遇
コストコの魅力の1つに「出会い」がある。日本ではほとんど流通していないもの、流通していても普段の生活では滅多に目にしないもの。そんな未知の存在とひょっこり出くわすのも、コストコ通いがやめられない理由の1つであろう。
で、ここでさっそくではあるが『ネクタリン』の正体を発表したい。『ネクタリン』という響きの中にややヒントが隠されているから、わからない人はよくよく知恵を絞って考えて熟考してみよう。ネクタリンの正体とは……
桃の一種、でしたーーー!
そう、ネクタリンとは日本では滅多に見かけない桃系のフルーツのこと。不二家の桃のジュース「ネクター」と響きが似てるでしょ? ただし不二家のネクターは「古代ギリシャの神々の飲みものとして愛されてきた “ネクタル” が語源」とのことで、ネクタリンとは直接的な関係は無いようだ。
・アメリカ在住の知人に聞いてみた
さて、コストコの『ネクタリン』は8個入りで980円。1個あたりの価格は110円ちょいという計算だ。原産地はカリフォルニアだから、アメリカではお馴染みのフルーツなのだろう。
そこでネクタリンについてアメリカ在住の知人に話を聞いてみたところ、以下のような回答があったのでご覧いただきたい。
「ネクタリンって桃のネクタリンのこと? アメリカの桃は “ピーチ” と “ネクタリン” の2種類があって、1カ月前くらい(5月中旬くらい)からシーズンに入ったよ。ピーチもネクタリンも黄色と白があって、どれが好きかはその人次第かな?
あと、ピーチは産毛が生えていて、ネクタリンはツルツルしているのが特徴だね。熟れてくると甘くなって手で皮がむけるし、剥かなくてもOK。こっちのコストコでもアメリカ人がネクタリンを箱買いしてるから、アメリカ人もネクタリンが好きだと見た」
・食べてみた
ご覧のようにアメリカでネクタリンは、非常にポピュラーなフルーツだという。ビジュアルや大きさには「すもも」などに近い気もするが、果たしてネクタリンはどんな味がするのだろうか?
というわけで、表面をざっと水洗いしたら豪快にかぶりついてみる! ……なるほど。それなりに柔らかな実と比較すると甘さは控えめで、どちらかというと繊細で上品な甘さである。ハッキリ言うと甘みはやや物足りない。
ただし桃は追熟するフルーツである。1週間ほど置いてから食べてみたところ……おお。ビックリするほどではないものの、確かに甘みは増しており、実はさらに柔らかくなっていた。置き過ぎはリスキーであるが、ネクタリンはある程度好みの甘さになるまで待つのが正解なのだろう。
ただ正直なところ、それでもネクタリンは感動するほど甘くはなかった。だがしかし、上品かつ控えめな甘さだからこそ「毎朝1個」などと生活に馴染みやすいフルーツなのかもしれない。何より皮をむかないでかぶりつける手軽さは魅力的だ。
ちなみにこの後、八百屋やスーパーなどでネクタリンを探してみたが、結局1度も発見できなかったことを記述しておく。八百屋さんいわく「日本は長野産が多いね。言ってくれれば仕入れておくけど。普通の桃とは違うけどウマいよ!」とのことであった。
というわけで、未知の果物『ネクタリン』は「毛が生えていない桃の一種」とご記憶いただきたい。そして『ネクタリン』をご存じだったみなさん、最後までお付き合いいただきありがとうございました。むしろ何でネクタリンを知ってたのか知りたいス。
オススメ度(☆5中): ☆☆☆☆(フルーツがお好きな人なら!)
また買う度(☆5中): ☆☆☆(個人的にはもうちょっと甘さが欲しい)
オススメシチュエーション: 朝など忙しいとき、皮を剝かずに食べられるのは魅力的
参考リンク:コストコ公式サイト 、不二家「ネクターの歴史」
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.