ドコモ5G、500万ユーザー突破–Google製スマートグラスやXR基盤など法人施策を強化

CNET Japan

 NTTドコモは7月15日、法人向けに5G技術を活用したDX化のサービスや取り組みなどを紹介する発表会「docomo 5G DX MEETUP for business」を開催。複数の法人向け5G対応機器を発表した。本稿では、その中でもGoogleのスマートグラス「Glass Enterprise Edition 2」や、360度リアルタイム空間共有システム「AVATOUR(アヴァツアー)」について紹介する。

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ドコモ代表取締役副社長の丸山誠治氏

 会見では、はじめに同社代表取締役副社長の丸山誠治氏が登壇し、同社の5Gの現況と取り組みについて説明した。同氏によると、7月15日時点で5G契約数は500万超、5Gエリアの基地局は1万局を超え、対応端末はiPhoneやAndroidを25機種、データ端末を1機種発売しているという。

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法人での5G活用例

 法人での活用は、5Gの特徴である回線スピードを生かしたライブやコンサートなどの高精細映像伝達や、工場などでの機器の遠隔操作、オペレーターや点検作業などでの遠隔支援、教育現場での遠隔授業などで利用されていると説明。

 同社では、5Gの基礎実験を2010年に開始して以来、5Gの普及促進に積極的に取り組んでおり、特に法人向けでは2018年1月に「5Gオープンパートナープログラム」を立ち上げ、2021年7月現在はさまざまな業種から約4000社が参加している。

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ドコモが協創する5G案件の都道府県別案件数

 2020年の5Gサービス開始以降、このプログラムを通じて、全国で約300件の協創事例が生まれた。丸山氏は「5Gはさまざまな社会課題を解決するインフラであり、とくに地域による活用事例が期待されている」と説明した。

Googleのスマートグラスを国内投入

Google Glass Enterprise Edition 2の実機。メガネの"レンズレス"版のような印象を受けた
Google Glass Enterprise Edition 2の実機

 発表会では、法人向けの新製品として、Google製のスマートグラス「Glass Enterprise Edition 2」の発売が予告された。丸山氏は会見登壇時からの上着の内ポケットにしまっていたといい、従来のスマートグラスよりコンパクトであることをアピールした。

 重量は46g(フレームの重量を除く)で、展示会で実際にかけてみたが特別重いという印象はなかった。Google製ということもありAndroidをベースにしており、アプリ開発などで高い拡張性をほこるとしている。


顔を認知し名前を表示するプログラムのデモ。スタッフ全員が認知していなくても店舗の上顧客を見つけることもできそうだ

こちらは顔を認知した際にLINEに日時と画像を送るプログラム。これを応用して遊園地の迷子捜しや警備などで使えるという

 具体的な活用例として、ドコモでは「店舗で得意客を認知して接客に活かす」、「遊園地などで迷子の子どもを探す」などを挙げる。展示会では、ドコモ社員の顔を学習させ、名前と表情などから推測される「マスクをしている」などの情報を絵文字状のアイコンで表示するデモと、学習させた顔を検知し、LINEに通知を送信するプログラムをデモしていた。

 軽量なメガネ型という利点からシーンを問わず活用できるとしている。発売は8月10日を予定しており、価格は未定だが、担当者によると10万円台後半を見込んでいるという。Glass Enterprise Edition 2のスペックなどについてはこちらの記事を参照してほしい。

360度カメラを活用したXRプラットフォーム「AVATOUR」

 「AVATOUR」は、Insta360などに代表される360度カメラと5G対応スマートフォン、ヘッドセットを配信機材として利用したXRプラットフォーム。

「AVATOUR」のデモ機材。市販の4K対応360度カメラと5G対応のAndroid端末で動作していた。
「AVATOUR」のデモ機材。市販の4K対応360度カメラと5G対応のAndroid端末で動作していた。

 従来のXRコンテンツの配信では高価な専用機材や回線を用意しなければならなかったが、AVATOURでは市販の機器を組み合わせることで動作し、導入の障壁を下げている。

 AVATOURは、自由視点と遠隔操作という特性から工場や企業の海外拠点の視察や監査に好適とするほか、バーチャル旅行で異なった季節の風景を楽しむなどの活用もできるとしている。閲覧者は360度カメラで各個人が見たい視点から遠隔でコンテンツを楽しめる。

 閲覧にあたってはVRゴーグルのほか、PCやスマートフォンにも対応する。また、現時点では対応カメラの国内投入が決まっていないが、システムは8Kカメラにも対応する。

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