サイバーエージェントグループの株式会社Lunatomoは、ピルのオンライン診療プラットフォーム「ルナトモ」を正式リリースするにあたり、2022年10⽉3⽇(⽉)に新サービス発表会を実施した。当⽇は、代表取締役社⻑永友絢⼦よりサービスを紹介した。また提携クリニック「グレイス杉⼭クリニックSHIBUYA」院⻑である産婦⼈科医の岡⽥有⾹先⽣は、現代⼥性の健康問題や、⽇本におけるピル利⽤の現状・課題について語った。
■誰でも安⼼して利用できる
発表会は、株式会社Lunatomo 代表取締役社⻑ 永友絢⼦氏の挨拶から始まった。
「ルナトモ」は、提携するクリニックの産婦⼈科・婦⼈科医師のみがオンライン診療およびピルの処⽅を⾏う、患者と医師をつなぐオンライン診療プラットフォームだ。永友社長がピルを服用している実体験から作ったサービスであり、誰でも安⼼して利用できることにこだわっている。
永友社長は、こだわりのポイントを4つあげた。
1. 現役の産婦人科医が診療
1つめは、自分自身が産婦人科医に悩みを解決してもらった実体験から、「ルナトモ」の診療は100%、現役の産婦人科医がおこなっていることだ。
2. 簡単設計
2つめは、仕事やプライベートで忙しい日々をおくる女性に利用して欲しいとの想いから、簡単設計にこだわった。
3. 初診および再診の費⽤を無料
3つめは、オンライン診療における初診および再診の費⽤を無料にしていることだ。永友社長によれば、「ピルの服⽤が初めての人のハードルを下げたい」「飲み続ける中での不安を産婦人科医に気軽に相談してもらいたい」との想いから無料に踏み切った。診療にはビデオ通話を活⽤しており、利⽤者の表情や顔⾊などを確認しながら医師が問診を⾏い、⼀⼈ひとりの症状やライフスタイルに合ったピルを提案する。
4. あんしん検査サポート」
4つめは、「あんしん検査サポート」だ。
定期便の「3カ月おまとめプラン」または「毎月お届けプラン」のいずれかを1年以上継続して利用かつ次年度の利用手続きをした人(※1)を対象に提供する、提携クリニックで利用できる検査サポートだ。クリニックでの自費診療による検査で生じた費用のうち、年間5,960円を上限として、次の12カ月の定期便で処方するピルの代金より割引する。
ピルを安心して継続的に服用してもらうためのサポートや自身の身体について“知る”きっかけづくりとしても活用してもらえるよう、「あんしん検査サポート」では血液検査のほかにも経腟超音波検査や子宮頸部細胞診などの検査も対象としている(※2)。本サポートは、ルナトモ提携クリニックのグレイス杉山クリニックSHIBUYAにて利用できるほか、全国主要都市を中心に受け入れクリニックの拡大を予定しており、今年中に10院との提携を目指す。
<サポート内容及び利用方法>
提携クリニックで検査を実施する際、10シート目のピルをお届け時に同封する「あんしん検査サポート専用クーポン」を持って行き、クリニックへ提出する。クリニックで検査代金を支払い後、クリニックから捺印されたクーポンをルナトモに提出することで、次の12カ月の定期便で処方するピルの代金より最大5,960円分を割引する。
※1 ルナトモでは、提携する医師がオンライン診療およびピルの処方を行なっており、定期便の利用に関しても診療を通じて医師が判断。診療の結果によっては、定期便の処方を受けられない場合がある。
※2 本サポートは、自費検査が対象。実施する検査の内容および実施有無については、最終的にクリニックの医師が判断する形となる。
■月経にともなう症状緩和に“低用量ピル”
引き続き、グレイス杉⼭クリニックSHIBUYA 院⻑ 岡⽥有⾹氏は、現代⼥性の健康問題や、⽇本におけるピル利⽤の現状・課題について語った。
岡⽥院⻑によれば、昔の女性の生涯で経験する月経回数が50~100回であるのに対して、現在女性の月経回数は450回にも増えている。現代女性は月経回数が多いことで、子宮・卵巣に様々な問題を抱えやすい。月経関連疾患は月経不順をはじめ、月経困難症、月経前症候群(PMS)などがある。
月経困難症とは、月経時あるいは月経直前に始まる、強い下腹部痛や腰痛を主症状としており、腹部膨満感、嘔気、頭痛、披露、脱力感、食欲不振、イライラ、抑うつ、下痢などの症状が知られている。月経困難症がある人は検診で問題ないといわれても、将来、子宮内膜症になるリスクが70%ある。加えて、子宮内膜症による不妊リスクも高いといわれている。
月経前症候群(PMS)は、月経3~10日前から始まる、様々な心身の不快症状だ。身体症状としては、下腹部痛、頭痛、乳房痛、手足のむくみなどが知られている。精神症状としては、イライラ、抑うつ、不安、興奮しやすいなどがある。
こうした月経にともなう症状緩和のためにできることの1つとして、低用量ピルによる薬物療法がある。ピルとは、黄体ホルモン(プロゲステロン)と卵胞ホルモン(エストロゲン)という2種類の女性ホルモンを合わせてできた錠剤だ。その中でも特に使用されているのが低用量ピルだ。岡⽥院⻑は「正しく服用することで高い避妊効果はありますが、ピル=“避妊”のイメージは間違いです。」と語った。
低用量ピルは“避妊”だけでなく、様々なメリットがある。服用により排卵が抑えられ、ホルモンバランスが一定になる。生理痛が良くなる、生理の量が減る、PMS・PMDDを改善する、一部の癌のリスクを低下する、子宮内膜症の発症予防、卵巣内膜症性病変を縮小する、大人ニキビなどの肌荒れの軽減など、様々なメリットがある。
逆にデメリットは、血栓症のリスクが少し上がる、一部の癌のリスクを増加させる、飲み初めに不正出欠が起きる可能性がある、思春期から飲むと骨塩量を低下させる可能性があるなどだ。血栓症のリスクを例にあげると、ピル服用による血栓症の割合は1万人に5~9人程度。出産後の血栓症の割合は1万人に45人であることを考慮すれば、かなり低い数値であることがわかる。
ルナトモでは、ピルの安心な服用に向け仕組みを整えるようサポートする。
事前問診:OC-LEPに基づいた事前問診を必ず実施
産婦人科医のみ:女性の体への知識豊富な産婦人科医が診療実施
あんしん検査サポート:女性に必要な検査をクリニックで受けられる
「ルナトモ」は、産婦人科・婦人科クリニックと連携した安心安全なサービス運営を通じて、多くの女性に婦人科診療やピルを“より身近”に感じてもらうとともに、誰もが気軽に安心して受診できる環境づくりに努め、一人でも多くの女性が心身ともに健康で自分らしく過ごせる社会を目指すとしている。
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