近い将来、スマートフォンにとってかわるかもしれない端末、ウェアラブルAI。
今年に入って、Rabbit R1にHumaneのAI Pinと続々リリースされています。実際のところまだ実用的と呼べるレベルにはないものの、ウェアラブルAIという市場自体は期待されているのかもしれません。また1つ新たなガジェットが生まれました。その名もPlaud NotePin。
記憶のカプセル
Plaud NotePinは、今日あったこと、考えたこと、浮かんだアイデアなどを記録しておける記憶のカプセルです。
基本的な要素は、もはやお馴染みの“ボイスレコーダー”。そこに大規模言語モデルが乗ることによって、音声を要約したメモや文字起こしが可能になります。Plaudの専用アプリから、メモの形(要約か文字起こしか)を設定可能。ネックレス、リストバンド、ピンとしての着用が可能です。
つまり、文字起こしや要約ができるAIが載ったボイスレコーダーを、ギュギュっとコンパクトにして身につけられるサイズ・形にしたのがNotePinです。
そもそもPlaudはAI搭載のボイスレコーダーPlaud Noteを展開しているので、商品名の通り、NoteをPinにして身につけられる形にしたわけです。
AIはクラウド型でサブスクプランもあり
身につけ、日常のデータを保存するとなれば、気になるのがセキュリティです。
まず、録音はマニュアルです。自動発動したり常時聞き耳をたてられていたりするのではなく、ピンのボタンをユーザー自身が押すことで録音をスタートする仕様になっています。NotePinにおけるすべての工程でデータは暗号化されています。が、AI処理は端末内ではなくクラウド処理型。
AIはお金がかかるというのは周知の事実であり、Plaudはサブスクプランも展開しています。Proプランは月額6.6 ドル。無料プランよりも、文字起こしできる毎月の時間や要約テンプレートが多いのが魅力。また、有料プランだと要約のスタイル(テンプレート)をカスタマイズすることもできます。
スタンバイモードで40日、連続録音は20時間のバッテリー持ち。
利用するのはOpenAIのモデル
Plaud NotePinが利用するのは、OpenAIのAIモデルです。米GizmodoがPlaudに問い合わせたところ、文字起こしに使用するのはOpenAI Whisper。クラウド処理する要約や高位機能で使用されるのは、GPT-4oやClaude 3.5 Sonnetなどの大規模言語モデルとのこと。
日常をメモする系が人気?
毎日起こるありとあらゆることをメモし、後から必要に応じて知りたいところだけぱっと見返せたら…とは誰もが思うこと。特に年齢とともに記憶力が落ちてくると、これ、切実な願いです。
メモしたことを要約し、後から簡単に検索するため、今、AIの力が注目されています。Microsoftのリコール機能やGoogleのScreenshots機能も、基本はこれです。そう考えると、Plaud NotePinはウェアラブルAIジャンルの中では、比較的、目的とタスクが明確で実用的なアイテムなのかも。
問題は、2万円以上だして、新しい端末を増やしてまで欲しいかということでしょうか。
価格は169ドル(約2万5000円)。現在、予約受付中で9月末から順次発送を予定。
Plaudの日本版サイトで現在取り扱いがあるのは、Plaud Noteのみ。NotePinについては記述なし。