ブルックは、一般消費者の『店舗内の売り物ではないものは、欲しいと思っても購入できない』 という課題を解決する新しいマッチングプラットフォームだ。例えば、飲食店で使用されている食器、カフェに置かれた小物、ホテルで使用した枕やドライヤーなどを見て、「その場で買うことができたら」と考えた人もいるだろう。ブルックは、そんな自分自身が「体験」した「非売品」を購入することができる。今回、「ブルック」の仕掛け人である株式会社Wallenge 代表取締役 内藤 吏揮氏にお話しをうかがった。
編集部:「ブルック」を着想したきっかけはなんですか?
内藤氏:「ブルック」の着想は、ホテルに宿泊した際の体験から生まれました。快適な枕やベッドに心奪われ、それを自宅でも使いたいと思ったのですが、購入手段がありませんでした。
ホテルのスタッフに聞くと、枕やベッドなどの非売品を販売することは、仕入れコストやスタッフの手間が増えるため行っていないとのことでした。この経験から、市場に存在するギャップに気づきました。ギャップとは「一般消費者は欲しいものが購入できない。」「メーカーは潜在顧客取り逃がしている。」「店舗は非売品に興味を与えているが、目に見えうる形で還元されていない。」ということです。つまりこのギャップを埋めることにより、全員がハッピーな社会になるのではないかと考えたのがきっかけです。
編集部:特徴を教えてください。
内藤氏:購入までのステップが少ないことです。
QRコードを読み込んだ後の商品画面から決済画面まで1ページで完結します。商品を選びカートに入れるページは、同一ページ内でポップアップする仕様です。そのため顧客は同一ページで決済画面まで進むことができます。また決済手段はamazon payであるため、amazon payを持っている方はアカウントを作る必要がなく、スムーズな購入手続きが可能です。
編集部:飲食店の食器、カフェの小物、ホテルのドライヤーなどの他に、どのようなものが「ブルック」で流通するといいと思いますか?
内藤氏:お客様に聞くのが一番だと考え、250人にwebアンケートを取りました。下記のアンケートの結果をもとに「ブルック」を展開していきたいと考えております。
質問内容:非売品で欲しいと思った商品があれば教えてください。
■ホテル
-歯ブラシ
-コップ
-シャンプー・リンス
-ビュッフェに並んでるジャムや蜂蜜の小瓶
-枕
-パジャマ
-マットレス
-ベッドパッド
-風呂の椅子
-化粧品類
-ホテル内のBarの円筒型のスピーカー
-ドライヤー
-抱き枕
-かかとの角質取り
-花瓶
-スリッパ
■カフェ
-鉄製コップ
-コーヒーカップとソーサー
-レトロな置物
-カトラリー
-絵画
-ティーゴーゼ
-食器
-インテリアグッズ
-掛け時計
-木目のテーブル
-グランドピアノ
-アンティークな蓄音機
-足踏みミシン
-ステンドグラス
-柱時計
-箸置き
-小さな冷蔵庫
-トースター
-プライス立て
-ボールペン
-アフタヌンティー用の皿
-ランチョンマット
■その他
-クリスマスのオーナメント、リース
-アメリカやフランスのアンティークなブリキ看板
-籠素材のトランク
-ブリキの電車
-クリニックのブリザードフラワー
-商品が陳列されているカゴ
-寝具売り場のぬいぐるみ
-観葉植物
-電気スタンド
-ぬいぐるみ
-ラッピング用スタンプ
-外国の本
-アパレルショップ店員が来ている服
-マネキンにつけているアクセサリー
-ステンドグラス風ランプ
-飛行機のお手洗い内のハンドソープ
-収納棚
-スマホ
-ショルダーバッグ
-照明器具
-ECサイトで商品画像と一緒に写っていたアイテム
-炊飯器
-テレビ
-録画機器
-オムツのゴミ箱
-クラッシュロック
-高速道路のベンチ
-マネキンが履いていたブーツ
-美容室のお金のトレー
編集部:カフェやホテルに導入予定とのことですが、次に導入を予定している場所はどこですか?
内藤氏:カフェやホテルでの展開に続き、様々な新しい業界に「ブルック」を導入する計画があります。例えば、街中でカスタマイズされた車を見かけ、それをスマホでかざすと購入できるようになるシーンです。また、レストランオーナーが他店で見かけた完璧な家具配置を自分の店にも簡単に導入できるようになるなど、その可能性は無限大だと考えております。現在、ブルックに最適な業界を積極的に探索しているところです。
編集部:最後に、今後「ブルック」の機能面において予定している、または検討しているアップデートはございますか?あればどんなものでしょうか?
内藤氏:2つあります。
①画像認識機能:QRコードではなく、商品自体にカメラをかざすことにより購入することができる機能です。
②外国人旅行者向け機能:外国人旅行者がホテルに宿泊した際に購入できるページ。まず日本人向けにリリースをして、その後外国人旅行者向けのページを実装する予定です。
編集部:内藤様が考える、「ブルック」によって実現したい社会はどんなものでしょうか?
内藤氏:「ブルック」が実現したいのは、日常の環境がそのままショッピング体験になる社会です。豪華なホテルの枕やカフェの洗練されたインテリアなど、街中のすべてのものが購入可能になり、広告が実体験と融合します。
具体的には、下記のとおりです。
□非売品という概念をなくす。
□店舗の仕入れの意図が変わる。
ホテル例)
現在:枕やベッドはホテル内で利用していただくためのみ→購入費用のみ
ブルックの世界:枕やベッドは売り物になり、広告的な意味合いをもつ
□広告のあり方を変える。次世代の販売手法。新しいビジネスモデルになる。
現在:購入のきっかけは広告
ブルックの世界:購入のきっかけは「体験」
□売上構成が変わる。客単価が上がる。
カフェ例)
現在:イートイン・テイクアウト・フードデリバリーの売り上げ
ブルックの世界:(イートイン・テイクアウト・フードデリバリーの売り上げ)+ブルックの販売手数料
編集部:本日はありがとうございました。
「ブルック」の世界観は、世界中の「非売品」が「売り物」になるというものだ。ホテルや店舗内の売り物ではないものでも、「ブルック」がサポートした店舗であれば、非売品のPOPに掲載しているQRコードから入手ができる。今までになかっただけに、今後の展開が楽しみなサービスだ。
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