巨大蛇アナコンダに生きたまま食べられてみた結果……

2017年5月31日の記事を編集して再掲載しています。

ナチュラリストの定義が変わってきそう。

少し前に、行方不明になっていた男性が体長7mのアミメニシキヘビの体内から遺体となって発見されたニュースが世界を震撼させました。男性はたったひとりで農作業に出かけ、大蛇に背後から襲われたと考えられています。

巨大な体、持久力を誇る筋肉、高性能オイルでコーティングされ滑らかな鱗、ターゲットになってしまった男性がどれほどの苦しみを経験したのか、私たちは想像することもできません。だって、万が一体験してしまったら、その体験談を語るチャンスは永遠にやってこないのですからーー、と思ったらいました!

しかも、世界最長だけど体重は比較的軽いアミメニシキヘビではなく、100kgを超えることも珍しくないアマゾンのオオアナコンダ(グリーンアナコンダ)に生きたまま食べられてみた、というのです。

「食べられてみた」ドキュメンタリー

『Eaten Alive』はディスカバリー・チャンネルで特集されたドキュメンタリーで、実際に「食べられてみた」のは27歳のナチュラリスト、ポール・ロゾリーさん。これまでにも幾度となくオオアナコンダと触れ合ってきた彼は、特注の防蛇スーツに身を包み、自らオオアナコンダの威力を知るべく獲物になってみることにしたのです。

このサイズのアナコンダの場合、シカやジャガー、ブタといった哺乳類でも難なく捕食します。もちろん、人間なんて朝飯前でしょう。

とはいえ、いくらアナコンダでも食べる相手を選びます。豚の血液を塗った怪しげなスーツを身にまとった人間を食べてやろうと思うはずもありません。ロゾリーさんが近寄ると逃げの姿勢を見せました。しかしナチュラリストとしての意地なのか、彼は諦めません。ついに念願のオオアナコンダがその巨体を絡ませました…!

最初は少し興奮した声色で実況中継するロゾリーさん。ドローンでとらえた映像がシュールすぎます。クルーが見守る中、彼は苦しそうに足を動かし、「とんでもなく重い。ものすごいを感じる。冷静でいられるように頑張るよ」と伝えます。しかし「このスーツじゃもたない、死ぬかも…」と息も絶え絶えなところで映像は終了。

気になる続きですが、Voxがアップした動画で確認することが可能です。

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Video: Vox/YouTube

これは『Eaten Alive』に対して呟いた科学者のTwitterコメントを併せて紹介している動画ですが、1:50あたりからギブアップするまでの様子が確認できます。

ロゾリーさんは徐々に静かになり、心拍数は急激に上昇。そしてオオアナコンダが大きな口を開き、頭から飲み込もうとしたところで、クルー全体に緊張が走ります。ついに限界を感じたロゾリーさんがギブアップ。駆けつけたクルーがオオアナコンダを引き離しました(結構簡単に引き離せたので拍子抜け) 。

スーツを脱いだロゾリーさんの腕には、締め付けがいかにきつかったのかを物語る痕がハッキリと残されていました。特注スーツでも太刀打ちできないオオアナコンダの威力に圧倒されます。

厳密には「生きたまま食べられてみた」ではありませんが、実験に協力してくれたオオアナコンダの腹を引き裂くことにならなかったのは両者にとって幸運としか言いようがありません。

Source: Vox/YouTube