すごい場所に隠してあった!
イスラエル考古学庁は、死海の西岸に位置するエン・ゲディ自然保護区内の洞窟で1900年前のローマの剣4本とピルム(ローマの投げ槍)1本を発見したと発表しました。
剣と槍を検証した研究グループは、ユダヤの反乱者によって戦利品として隠されていた可能性が高いと考えているとのこと。
剣は、自然保護区北側の岩壁に位置する、アクセスが困難な小さな洞窟に隠されていました。発表によると、50年前に同じ洞窟で墨書きで古代ヘブライ語が書かれている鐘乳石が見つかっています。
どうやって発見された?
イスラエルにあるアリエル大学の考古学者Asaf Gayer氏、ヘブライ大学エルサレム校の地質学者Boaz Langford氏、そして写真家のShai Halevi氏の3名は、鐘乳石を撮影するために今回の洞窟を訪れました。
すると、Gayer氏が岩の割れ目に刺さったピルム(投げ槍)を発見。さらなる調査の結果、割れ目の隣のくぼみには木の加工品が見つかり、研究グループはこれが剣の鞘の一部であると結論づけました。
その後、洞窟の徹底的な調査がおこなわれ、ローマの剣4本が発見されました。鉄の刃は非常に保存状態が良く、4本のうち3本は木製の鞘の中に入ったままでした。剣のうち3本は長さが60から65センチメートル、1本は約45センチメートルでした。
隠したのはユダヤの反乱軍?
ユダヤ砂漠調査プロジェクトのディレクターEitan Klein氏は、
孤立した洞窟の深い割れ目に剣とピルムがあったことから、おそらくユダヤの反乱者がローマの兵士から、または戦場から戦利品として持ち去り、再利用のために意図的に隠したものであることがわかります。
と発表で述べています。また、
これらの武器が洞窟に隠された歴史的な出来事を特定しようと動いています。その時期が、紀元後132年〜135年のユダヤ人の革命指導者バル・コクバによる反乱の時期であるかどうかを調査する予定です。
と付け加えています。
バル・コクバの乱は、「第二次ユダヤ戦争」とも呼ばれるローマ支配に対するユダヤ人の反乱で、最終的には失敗に終わってしまいました。反乱は失敗しましたが、研究グループの仮説が正しかった場合、少なくと戦利品は持ち去ることができたようですね。
バル・コクバの時代の青銅貨も洞窟で見つかっているので、剣がその時代に隠されたものだとする、さらなる根拠となっています。
今回の発見は、貴重なサンプルが見つかったエン・ゲディ自然保護区周辺の洞窟にまだ多くの古代の秘密が残っている可能性を示しています。考古学者らの調査によって、さらなる歴史の物語が明らかにされることに期待しましょう。