Luupは6月29日、7月からの「LUUP」(ループ)のサービス内容を発表した。
7月1日に施行する改正道路交通法に伴い、新ルールに対応して新たに配備する機体やサービスの提供内容といった変更点をまとめている。
Luup 代表取締役社長 兼 CEO 岡井大輝氏
改正道交法に対応する新機体を配備–当面は従来機体と混在、サービス面もアップデート
Luupは2019年から、電動アシスト自転車、電動キックボードなどのシェアリングサービスとなるLUUPを、実証実験という位置づけで提供してきた。
LUUPのサービス概要
7月に施行する改正道交法では実証実験の結果を受け、原動機付自転車は「一般原動機付自転車」と、LUUPの電動キックボードが該当する「特定小型原動機付自転車」(特定原付)に分類される。
7月以降の区分
特定原付の要件を満たすためには、猶予期間となる2024年12月までに、時速20kmで点灯する「最高速度表示灯」の搭載が必要。加えて、特定原付のうち時速6km以下となる状態の車両は、特例特定小型原動機付自転車(特例特定原付)と認められる。自転車などが走行可能な歩道を、やむを得ない状況下で走行できるようになる。
7月以降の特定原付の主な要件
LUUPでは7月以降、電動キックボードの最高時速を15kmから20kmに変更。また、新たに配備する新機体では、最高時速20km時に点灯、最高時速6km時に点滅する「最高速度表示灯」を搭載する。車両が完全に停止している際に走行モードを変更することで、歩道を走行できるようになる。
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最高速度表示灯を搭載するLUUPの新機体
同様に7月から、特定原付に必要なナンバープレートのサイズも変更される。電動キックボードの幅に収まる正方形が認められ、新機体で採用するという。
新サイズのナンバプレート。ナンバープレートより横幅が小さい車両の場合、接触事故につながることもあったという
新機体は順次配備するが、当面は従来から配備する旧機体と混在する。最高速度表示灯がない旧機体は特例特定原付としては認められず、特定原付としてのみの利用にとどまる。Luup 代表取締役社長 兼 CEO 岡井大輝氏は、「交通ルールとしては、歩道を走行できない点以外はほぼ変わらず利用できる」と補足した。
当面は旧機体と、「6kmモードボタン」を搭載する新機体が存在することとなる
改正道交法に伴い、機体以外にもアップデートを加える。例えば、7月以降にLUUPの電動キックボードを利用する場合、アプリで新しい交通ルールテストをクリアする必要がある。
新しい交通ルールテスト
また、16歳以上であれば免許不要で電動キックボードが利用可能となるため、「マイナンバーカード」「運転免許証」「在留カード」「パスポート」のいずれかの年齢確認書類の提出が必要となる。ルール変更を意識付けるため、すでに運転免許証を提出済みの既存ユーザーにも提出を求める。
ただし、電動アシスト自転車のみを利用する場合は、交通ルールテスト、書類の提出ともに不要だ。
加えて、LUUPは6月から、アプリの英語対応も開始している。7月以降は日本の免許証を非所有の在留外国人や外国人旅行者なども、電動キックボードに乗れるようになることを見越した動きだ。「外国の方々に安全で乗っていただくために、しっかりテストを受けていただく必要がある。英語以外の多言語にも対応していく」(岡井氏)という。
アプリの多言語化を進める
ルール啓発は共同、単独両輪で
Luupは、改正道交法の施行に伴い7月以降、警察や自治体、それぞれの地元企業などと共同でイベントを実施する。また、新ルールを啓発する広告などを、Luup単独でも展開していくという。
開催予定の安全講習会
ガイドブックのリニューアルも
「交通法のルールはかなり複雑かつ煩雑。ルールが認知されないまま(電動キックボードが)普及しており、ルールを勘違いしている人もいるだろう。違反行為が周知の事実として広まれば、正しく乗るという圧力がかかる。本来は警察や政府の仕事かもしれないが、LUUPに乗っていない方々を含め、世論全体に正しいルールを知っていただくために取り組みたい」(岡井氏)とした。