なんでも6月24日から25日にかけて、東京駅のイベントスペース「スクエア ゼロ」(改札内 地下1階のど真ん中あたり)でアイスの「ジャイアントコーン」のできたてが食べられるイベントが開催されるらしい。
は? 「ジャイアントコーン」にできたてもクソもねぇだろ? 量販店向けに製造されるアイスの味が多少の経過時間で変わるわけ……と思ったが、食べずにジャッジするのはよくない。
興味が湧いて公式HPを見ると、一部のスーパーやドラッグストアでもできたてVerが販売されるという。店舗のリストは一部のみ公開されており、私の住む埼玉にも対象店舗の存在を確認。しかも23日から販売開始されている。せっかくなので試してみることに。
・オザム
ちなみに埼玉で公開されている対象店舗はほとんどが「オザム」というスーパー。
私は一度も利用したことが無いチェーンだ。Google Mapで見ると、私の住む場所よりもだいぶ奥地に点在しているようだ。
どこへ行こうが私の家から片道1時間以上かかるが、なるべく家から近い店舗のうち、駅から近いところが良い。パッと見た感じでよさそうなのは「オザムバリュー笠幡店」だった。じゃあちょっと行ってくるか……。
この時はまだ、ジャイアントコーンのためにこうも奔走することになるとは思っていなかった。
・オザムバリュー笠幡店不法侵入事件
電車を乗り継ぎ、比較的長きにわたる埼玉暮らしでも終ぞ訪れたことのなかった奥地へ。そもそも笠幡という駅と地名の存在を、今日初めて認知した。
ここが「オザムバリュー笠幡店」か。できたてのジャイアントコーンはあるかな?
店内に入ったところ、どうも違和感がある。なんだか微妙に営業していない雰囲気。周囲には何人もおじさんたちがいて、何らかの作業をしている。
入り口にも作業中のおじさんが複数いたが、誰も私の侵入を止めなかった。今も何やら荷物を抱えたおじさんが私の横をすり抜けていったが、私がいることに関してはスルーだ。
しかしマジで営業している感は無い。これは……と思い、近くにいたおじさんに「これって営業してます?」と聞いたところ、「えっ、営業してませんよ」と。
改装中とのことで、営業開始は24日(この日は23日)から。今はオープンを翌日に控えた追い込みの作業中だったもよう。
どうやら私は強力なステルススキルをパッシブで発動させ、ざっと10人近いスタッフに検知されることなく不法に店内をうろついていたようだ。スパイにでも転職するかな。
という事で皆さん、「オザムバリュー笠幡店」は24日にリニューアルオープンします!
・絶望の高麗川
最初に目をつけたのが、まさかのリニューアルオープン前日で閉店中の店舗とは。タイミングすげぇな。そうなると、次に近い店舗は「スーパーオザム高麗川店」だ。
ちなみに私は、今日の今日まで“高麗川”の読み方を知らなかった。電車の表示でKomagawaだと把握。へぇ、”たからがわ” だとか “こうらがわ” あるいは “こうらいがわ” あたりだと思っていたわ。
埼玉県民なのに知らねぇのかよ! 常識だろ!! と怒られそうだが、私は埼玉が明日滅びても何も思うところが無い程度にしか埼玉への愛と感心を持っていない埼玉県民。
埼玉への忠誠を魂に刻むための、十万石饅頭を用いた洗礼の儀だって受けていないのだ。むしろ滅びて税金とかチャラにならねぇかなと思っている。パッと滅びねぇかな。
そんなこんなで次の目的地、「スーパーオザム高麗川店」へ到着。店内に入ると、アイスのコーナーにて普通に「ジャイアントコーン」を発見した。
しかし、余りに普通……そう、一切「できたて」とかそういうポップが何も無いのだ。これははたしてノーマルVerなのか、できたてVerなのか。
見分ける方法を知るべく、ここでグリコのお客様相談センターに電話。聞いたところ、ノーマルとできたてを客が外見から判別する方法は存在しないと伝えられた。
マジかよ。じゃあもうあれか? 完全にフィーリングでいくしかないのか? 試しに売り場の店員さんに聞いてみたが、彼らにも品出ししたジャイアントコーンがどちらなのか、全く分からないという。
・天沼の奇跡
高麗川は堕ちた。ここにいてもらちが明かぬ。最後の可能性に賭けて「オザムバリュー川越天沼店」へ向かうことに。ちなみに笠幡の時からそうだったのだが、この辺では1時間に1本か2本しか電車が来ない。
家を出発したのは13時だったが、もう17時である。まさかジャイアントコーンにここまで苦労することになるとは。
車窓を流れるよくわからない埼玉の風景を眺めることしかできない状況を前に、私の精神的疲弊が指数関数的に上昇していく。
そして時刻は18時。最後の希望「オザムバリュー川越天沼店」へ到着。正直あまり期待はしていない。なんせ、店員でも見分けはつかないのだしな。
しかしここで奇跡が起きた。「オザムバリュー川越天沼店」でジャイアントコーンについて尋ねたところ、店員の兄ちゃんが「ちょうど出すところだったんですよ」と箱ごと持ってきてくれたのだ!
しかもここで、ガチに一般人は知る由もない情報をゲットした。なんとできたてのジャイアントコーンの段ボール箱は、赤いテープで封をされていて見分けられるというではないか……!
私も実際にその箱を見たが、確かにテープは赤かった。ただし中身はノーマルと全く一緒ゆえに、一度赤いテープの段ボール箱から出してしまえば見分ける術はない。こいつを個別に「できたて」として陳列するかは担当者次第だ。
長く辛い道のりだったが、ようやく できたてのジャイアントコーンをゲット。今日は蒸し暑い。溶けないよう厳重に氷と共に袋に詰めた。
あとはノーマルのジャイアントコーンを手に入れるだけだ。ここから10分ほどの、駅前のコンビニで売っているのを事前に確認してある。
そんなこんなでここにノーマルのジャイアントコーンと できたてのジャイアントコーンが揃った。右ができたてだ。
ビジュアルは同じ。
食べると……違いは全く分からん。チョコやアイス部分に明確な差異があるとは思えない。
これはやっぱ同じかもな。そもそも、ちょっとくらい時間がたってもクオリティが落ちないよう作られているものだろう? 一緒なんだよこれは……
おや?
コーンが微妙に違う……か?
本当に些細な差だが、しかし、できたての方がコーンのサクサク感が強い気がする。というか、コーンがドライな気がする。そしてノーマルの方がわずかに湿気っている気がする。
なるほどな。一度売り場に並んだジャイアントコーンは、なんやかんやで微妙に溶けたり凍ったりを繰り返すだろう。時間がたつにつれ、コーンが水分を吸っていく可能性は十分に考えられる。
できたてのジャイアントコーンは、コーンの乾燥度が比較的高い……そういうことなのかもしれない。
もしかしたらチョコやアイス部分も何らかの違いはあるのかもしれないが、少なくとも私には差を検知することはできなかった。
ではどちらが美味いのか。まあ、ぶっちゃけそんなに差は無いかなって。これはつまり、高い製造と包装技術のおかげで、できたてとそん色ないクオリティを長期間保てるということだろう。どっちも美味い。
参考リンク:江崎グリコ
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.
Screenshots:GoogleMap、江崎グリコ