株式会社MM総研は、日本および米国の企業や団体を対象に、ビジネスでのChatGPTの利用動向を調査し、その結果を発表した。5月24日~5月31日にかけてWebアンケート形式で調査したもので、対象は日本および米国の企業/団体に所属する従業員1万3,814人(うち日本が1万3,412人、米国が402人)。
これによると、ビジネスにおけるChatGPT利用率は、日本では「利用している」が7%に留まった。「利用を検討中」は5%、「知っているが利用していない」は42%で、「知らない」は46%と約半数を占めた。一方米国では「利用している」が51%と半数を超えており、正反対とも言える結果となった。「利用を検討中」は18%、「知っているが利用していない」は23%で、「知らない」は9%と認知度の高さも明らかとなった。
この傾向は生成AI全般に共通しており、Stable DiffusionやDALL・Eといった画像系やそのほかの分野でも利用率には大きな差があったという。この差の要因としては、経営層の関心度合いの違いや、有料アカウントやAPIといった利用環境の整備などがあるとしている。
属性別で見ると、日本でChatGPTの利用率が高いのは、従業員の多い大手企業に所属している人で、職階では経営層や管理職が上位だった。業種別では、インフラ系、各術研究、情報通信が平均より利用率が高い一方、卸・小売、行政、不動産などは低い結果となった。
利用目的は日米ともに既存業務の効率化が大半で、日本では文章生成、要約、校正/構造化、情報検索などが具体的な用途として多くあがった。米国ではさらに、アイディア生成や自然言語でのコーディングといった用途でも多く活用されている。
生成結果に対する満足度は、10段階の6~7点でおおむね評価されており、9割以上のユーザーが「今後も利用継続したい」と回答した。また、利用者に対して利用維持や拡大に向けた課題について聞いたところ、5割弱が「回答の精度」をあげており、より高精度な回答を求めていることが分かった。
同社では、利用率や頻度、課題として捉えている箇所などの結果から、ChatGPTを試す動きには日米間で差が出てしまったと分析。一方で、ITベンダーによる一括支援、既存製品などを含めたソリューション化、国産大規模言語モデルの開発着手なども進んでおり、ChatGPTノウハウのハブ機能を持ち、適切に横展開できれば、利用率の押し上げも期待できるとしている。
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