なんとなく引出しをあけたら、中学生の時の生徒手帳を見つけた。中には「学校のきまり」や「生活の心得」などが書いてある。
中学生の時は生徒手帳なんてあまり見もしなかったが、今読んでみると「そういう決まりがあったなあ」と思い出すことも多い。
あの頃の規則が、今あったらどうだろう。生徒手帳にあった9つの生活の心得を体験してみたいと思った。
※2008年7月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。
中学生としての生活
これが中学生の時の生徒手帳だ。なんだか変な色である。普段、音楽プレーヤやゲーム機など様々なカラーバリエーションの中から好きな色を吟味する我々だが、中学生は変な色を押しつけられても文句を言わない、ということがわかる。
メタリック・ブルーとかだとあまり中学生っぽくないのでこんな色でいいのかもしれない。
懐かしさを感じながら中を開くと、校歌と教育目標、学校の歴史に続いて、「生活の心得」というページがあった。
そこには「理想をもって生活の進歩をはかる。」という目標のもとに9つの心得が載せられている。
かつて中学生だったころのように、これらの心得に従ってあの頃の気分に浸ってみよう。
生活の心得 1 自主的に生活計画をたて、特に時間は必ず守ること。 |
さすが生活の心得の1つ目である。至極まっとうなことをおっしゃる。人生は限られている。時間を意識することに、反論の余地はあるだろうか。
にもかかわらず、この日は休みだったとは言え、僕は昼ごろ起きてだらだらとした一日を過ごそうとしていた。時間を守っていないわけではないが、自主的な生活計画を立てることは全然できていない。
中学生の時は何も考えずに朝起きて夜寝ることができたのに、今はできない。あの頃僕は昆虫か何かだったのだろうかという疑念が晴れない。
生活の心得 2 中学生らしい服装をし、中学生の誇りを持つこと。 |
続いて服装について。中学生らしい服装をすると、中学生の誇りを持つことができるらしい。
服装の詳細は「学校のきまり」にあった。以下のような内容だ。
3. 服装について
(1)通学服
男子<夏>
白無地のポロシャツ・ズボンは本校指定のもの。ベルト(ベルトは、黒か紺で幅が極端に細くないもの)は必ず着用のこと。
(4)通学ぐつ
男子・女子―運動靴(ひも付き)ハイカットの靴やデッキシューズは認めない。運動に適していることを前提とする。
(5)くつ下
男子 アイビーソックスとし、色は、白で、ワンポイントものも良い。
要するに、あの服装だ。中学生当時着用していたポロシャツとズボンは残っていなかったので、それらしいものを用意して、早速着替える。
これがはたして中学生らしいかどうかはよくわからないけど、「あのころの夏」という感じがした。何故だろうか?
いろいろ考えてみて、たぶんその感じが出ているのはこれのせいだろうと思った。
ダンロップの靴だ。中学生以外は、あんまりこの上下の服に合わせてダンロップを履いたりはしないと思う。
個人的にはダンロップを履くこと自体が結構久しぶりだった。懐かしさを感じさせる、ものすごいグリップ力に驚いている。地面が足にへばりついてくるようだ。
ダンロップのグリップ力こそが中学生の誇りと言ってもいいのではないだろうか。
生活の心得 3 健康に注意し、進んで運動に励むこと。 |
うん、健康も大事だし、運動も必要だ。
僕も中学生の時は陸上部だったし、ここはダンロップのグリップ力を発揮したいところだったが、公園は夏休みが始まったばかりの小学生たちに占拠されていたので、ちょっと走ったりはできそうにない。この日は暑かったのでマラソンをするにも準備が足りなかった。
仕方なく上り棒を使って運動をすることにする。(上り棒は中学生じゃなくて小学生っぽい気もするが。)
3回くらい上ったところでダウンした。これ以上の運動は無益だと感じた。腕がオーバーヒートして悲鳴を上げている。
ここまで貧弱になると、健康に注意することと進んで運動することは二者択一なのではないだろうかとまで考えてしまう。そういう部類の人には難易度の高い心得だ。
生活の心得 4 物を大切にし、整理整頓につとめ合理的使用法を考えうること。 |
生活の心得 5 勤労を尊び、作業に努力し、奉仕の心を養うこと。 |
またしても「そうだね」という心得だ。
こういうことは普段の生活の中で適切に成し遂げられればよいことだが、今回はあえてアクティブにやってみたい。
そういえば近所に自転車があふれて道路にはみ出てることがある駐輪場があった。これを整理するのだ。
二つの心得を同時に実現するような、整理整頓かつ奉仕的な作業を行うことができた。
こんなに街にあふれる程の自転車というのは、あまり合理的に使用されている結果だとは言えない。短い距離であれば、もっと歩くようにしよう。もちろんダンロップを履いて。…と、取ってつけたように考えてみる。