メディアドゥは6月1日、早川書房が6月創刊する新レーベル「ハヤカワ新書」の創刊ラインナップ全5作品について、新書の本編と同じ内容が収録された「NFT電子書籍」がセットで付いてくる「NFT電子書籍付き新書」を提供すると発表した。
なお、新書の一部作品では、NFT電子書籍に紙の書籍にはない特別対談を収録。NFT電子書籍のほか、作品によっては動画などの限定特典の提供も予定する。
ラインナップは、『名作ミステリで学ぶ英文読解【NFT電子書籍付】』(著者:越前敏弥、税込価格:1496円)、『古生物出現!空想トラベルガイド【NFT電子書籍付】』(著者:土屋健、税込価格:1540円)、『馴染み知らずの物語【NFT電子書籍付】』(著者:滝沢カレン、税込価格:1496円)、『現実とは?──脳と意識とテクノロジーの未来【NFT電子書籍付】』(著者:藤井直敬、税込価格:1518円)、『教育虐待──子供を壊す「教育熱心」な親たち【NFT電子書籍付】』(著者:石井光太、税込価格:1496円)。
同社調べとして、紙の書籍に本編と同じ内容がNFT化された電子書籍として付いてくるのは、世界初の事例になるという。
今回提供する「NFT電子書籍」では、電子書籍ファイル(EPUB)を活用。スマートフォンのビューアで読めるのに加え、ブロックチェーン技術によってどのユーザーが入手したかをNFTとして証明できる。
また、同社のNFTサービス「FanTop」上で二次流通(売買)などが行え、二次流通が行われるたびに、権利者へと収益を分配し続けることができる仕組みを採用する。
加えて、「ギフト送信」機能を使って他のFanTop会員にプレゼントも可能(ギフト送信の可否は、出版社が作品ごとに設定可能)。ギフト送信機能により、家族や友人と距離を問わずに、オススメの本が貸し借りできるようになる。
同社では、「FanTop」の取り組みにおいて、コレクティブルで非投機的なプラットフォームの確立を目指すとしており、出版社など権利者側の意向に合わせ、作品ごとに二次流通時の権利者収益・印税の割合や、譲渡(ギフト送信機能)の可否などを設定できる、クリエイターファーストな環境を提供していく。
今後刊行予定の「ハヤカワ新書」ラインナップにおいても、NFT電子書籍付き新書では、今回の越前敏弥氏、石井光太氏の著書と同様に、対談などの追加のテキストのほか、動画など特別な限定コンテンツを提供する方針。
将来的には、NFT電子書籍にその書籍が原作となった映画や、著者が執筆中に聴いていた音楽を付けることなども、権利許諾をされた作品は可能になるとしている。