な、なんだこの餃子は……! 先日、当サイトのリクエストボックスに「食べてみて」と寄せられた餃子を食べたところ、当編集部はぶったまげるしかなかった。その名も「餃子工房 天平(てんぺい)」。大阪にあるお店でひとくち餃子発祥の老舗である。
創業は昭和30年。大阪の北新地といえば高級なイメージがあるが、はたして餃子の方はどうなっているのだろう。ってことで、冷凍ひとくち餃子が30個入りで1900円(送料別)のものを購入してみたらオシャレすぎた!
・大阪からの刺客
なお、リクエストのメッセージには「物凄い美味しい」とシンプルかつ直球な感想が書かれていた。美味しいじゃなくて「物凄く」か……と言葉の重みを感じたことで届く前からワクワクドキドキ。そしてポチってから待つこと数日……
届いた箱の時点で上品さを隠せていないが、これは我々がひっくり返る第一歩にすぎなかった。というのも、天平の餃子には何度も「驚き」が仕込まれていたのだ。
まずは調理前に冷蔵庫で2〜3時間ほど解凍する(冷凍商品の場合)というこだわりを経由する。これはまれにあるタイプではあるのだが、箱を開けてみると……うおっ!
美しいっ……!!!!
並び方だけでなく、キレイな包み方、さらには小ぶりなサイズといい何だかこれまで食べてきた餃子とは明らかに気配が違う。しかもしかも!
・油なしでの調理
なんと天平の餃子は油なしで調理するというのだから驚いた。餃子を焼くにあたり入れるものは水だけ!
火加減は中火で餃子が重ならないように並べ、そこに水40ccを餃子に直接振りかける。あとはフタをして4分ほど焼き、裏返して余熱で40秒ほどまた焼いたら完成だ!
注意点としては、餃子の焼け具合をこまめに見ておくこと。水が思ったよりも少ないため、焼けてから焦げ始めるまでのスピードがなかなか早いのだ。よって、気持ち早めに裏返すといいかもしれない。あとホットプレートを使うとか。
・これが初代ひとくちの実力か
さて、ひっくり返して完成した餃子がこちら。ひとくち餃子だから小さいのは分かっちゃいるが、それにしても小さい(笑)。ワンコインサイズくらいだろうか。
しかしながら、この小さいボディの中には感動がギッシリ詰まっていた。まずはタレなど何もつけず、そのままの味を確かめてみたところ……
羽鳥「新食感だね! これは初めての感覚だねぇ〜。油を使っていないけど、なんか油揚げの中に餡を入れてみたいな感じ……って、結構辛いなぁ〜。もうデフォルトの状態で味がついている。んで味的にはご飯と一緒でもイケるし、お酒とでもイケるタイプだね。
うん、めちゃめちゃ美味しい! 皮もイイし餡もイイ。ていうか、こんなに簡単に作れるのにこれだけの味がするのスゴいよ! オシャレだし、おもたせでも喜ばれそう。よく考えたなぁ〜」
──と羽鳥は驚きを隠せない。次に私も食べたら確かにこの餃子は他になく、物凄く美味しい。「うわーっ! 激ウマァ!!」と騒いで美味しさを表現するのが野暮と言おうか。とにかく上品である。
辛さも辛さでシツこさがなく、口の中でスッと消えていく。なお、説明書には酢醤油、ポン酢などいろんな形の食べ方が提案されていたのだが、中でもぶっちぎって美味しかったのが……
「マヨ醤油」。こんなのウマいに決まってるだろと言いたくなる組み合わせだが、ただでさえウマい餃子が格段にブーストされる。舌がピリッとする香辛料(唐辛子?)との相性だけでなく、餃子自体に食感の楽しさも相まって全部がちょうどよく仕上がった。
油なしでカリカリに焼ける裏側にどんな秘密が隠れているのかは分からない。ただ、そんなことがどうでもよくなるくらい、この餃子はもう何をしてもウマいものがある。包み方も芸術的で見た目もイイし、我々はただただひっくり返るしかなかったのだった。
もちろん、評価は文句なしで最高ランクのS。さすがは日本を代表するグルメの街・大阪である。いやぁ、それにしても餃子というジャンルにこんな文化があるとは……。まだまだ世界は広いなァ。