「arrows」や「らくらくホン」のFCNT、民事再生手続きを申請

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 Androidスマートフォン「arrows」シリーズやシニア向けの「らくらく」シリーズで知られるFCNT株式会社は5月30日、東京地方裁判所へ民事再生手続開始の申し立てを行なったと発表した。また、親会社のREINOWAホールディングス株式会社と、端末生産などを担うジャパン・イーエム・ソリューションズ株式会社(JEMS)についても、同日付けで申立てを行ない、ともに受理されている。

 FCNTでは、携帯端末の製造/販売事業について、本日以降速やかに事業を停止し、修理およびアフターサービス事業についてもいったん停止する予定だとしている。なお、同社製品を取り扱うNTTドコモでは本件に関して30日、アフターサポート体制を整え、販売を継続していくと発表している。

 FCNTは、前身となる富士通株式会社のモバイルフォン事業本部として2000年に操業を開始。2018年には、富士通から投資ファンドのポラリス・キャピタルグループ株式会社へと事業が譲渡され、REINOWAホールディングス傘下で事業を展開しており、携帯端末の企画や開発、販売、修理などのサービスを提供してきた。

 しかし、市場の成熟化などによって売上が伸び悩む中、円安の進行や世界的な半導体不足の影響により、原価や費用が急激に高騰し、REINOWAグループの収益および資金繰りが急速に悪化。グループとして今夏の資金繰りの維持が容易でない見込みとなる一方、法的整理によることなくスポンサー支援を受けることも困難な状況に陥ったという。

 複数の事業会社からサービス事業などを承継/支援するスポンサー支援の意向表明を受け、今後はスポンサーへの継承によるサービス事業などの再生を目指す。

 なお、国内メーカーの携帯電話事業に関しては、京セラが今月開催された決算説明会にて、個人向け端末事業から撤退することに言及している。

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