サムスンの廉価端末Galaxy A54レビュー:ライバルがPixel 7aで苦戦必至

GIZMODO

5月25日発売!

Samsung(サムスン)の今年の廉価端末Galaxy A54。日本では、ドコモ、au、UQmobileから、5月25日に発売です。

スマホが現代インフラとなる今、ある程度のスペックを保ちつつ価格を抑えた中価格帯の端末は気になっている人も多いはず。

過剰ハイスペックは不要という人にうれしいのが、iPhoneならばSEシリーズ、PixelならばPixel Aシリーズ、そしてサムスンならGalaxy Aシリーズです。

米Gizmodo編集部がサムスンのAシリーズの最新版、Galaxy A54をレビューしました。AndroidユーザーならPixelとGalaxyで迷う人は多いかと思いますが、結果から言っちゃうと、Pixel 7aがライバルとなるGalaxy A54に勝ち目は薄いかも…


サムスンの中価格帯端末Galaxy A54、正直、今年は苦戦すると思います。

理由は、フラッグシップと同じチップ搭載でカメラはアプデしているというPixel 7aの存在があまりに大きいから。

価格で言うと、Galaxy A54は450ドル(約6万3000円)から、一方Pixel 7aは500ドル(日本ではキャリアとプランによって7万円前後)なのでGoogle(グーグル)よりも低めスタートなんです。

ディスプレイは高画質だし、バッテリーもちもいいし、個人的にはデザイン(手の収まり)もA54の方が好き。

ただ、Pixel 7aが相手じゃ厳しいと思ってしまうのは、カメラのクオリティとワイヤレス充電機能、そして容量の問題があるから…。

Samsung Galaxy A54

Photo: Florence Ion / Gizmodo

Samsungの中価格帯端末。ライバルはpixel 7aで、ディスプレイの画質とバッテリーでは上をいく。

価格:450ドル(約6万3000円)。

好きなところ:高画質ディスプレイ、耐水IP67、バッテリーもちがいい。

残念なところ:PIxel Aシリーズと比較すると暗所撮影で劣る、メモリが6GB、ワイヤレス充電非対応。

Photo: Florence Ion / Gizmodo

中価格帯で大切なことのひとつに、安っぽく見えないというのがあると思います。これを考慮しているから、GoogleのもサムスンもSシリーズが好調なんだろうなと。

それで言うと、昨年のGalaxy A53のブラックはちょっと地味すぎる気もしましたが、今年は洗練さがアップ。A53と比べると、今年のA54に廉価端末の雰囲気はありません

A54はカラバリ3つで、オーサムバイオレット、オーサムグラファイト、オーサムホワイトがありますが、レビューで借りた端末はオーサムバイオレット。画像で見ると紫ですが、リアルだと個人的には青が強いと思います。

高級感があるので、500ドルの端末にはとても見えません。ボディの前面背面にあるガラスもかなりタフ。プラスティック箇所もありますが、チープさはなく、端末全体に安定感あり。耐水IP67。

左:Galaxy A54 右:Galaxy A53
Photo: Florence Ion / Gizmodo

6.4インチのAMOLEDディスプレイは文句なしできれい。画面のリフレッシュレートは120Hz。明るさは最大1,000nits。Pixel 7aが6.1インチなので少し大きめ。Pixelと比べると彩度が高すぎると感じる人もいるかもしれませんが、そこは好みで。

あとは、Pixelは画面が暖かめ(黄)で、Galaxyは冷ため(青)ですが、そこも好みで。直射日光下だと、A54の方が指紋が目立つような気がします。

Photo: Florence Ion / Gizmodo

バッテリーで勝利するもメモリで苦戦

Pixel 7aで注目されているのは、Pixel 7に搭載されているGoogle印のチップTensor G2が採用されていること。

一方A54に搭載されているのは、サムスンのExynos 1380、最新ミッドレンジ8コアチップセットです。

ベンチマークでは、もちろん去年のA53超え。ただ、スペックとして気になるのは、メモリが6GBのままということ。Pixel 7aはメモリがアップしているので、ここがひとつA54が苦戦を強いられるところだと思います。

バッテリーテストは楽勝。A54に搭載されているのは5,000mAhバッテリーで、Pixel 7aの4,385mAhよりも大きいです。編集部のバッテリーテストでも、Pixel 7aが16時間11分だったのに対し、A54は18時間48分と余裕。リフレッシュレートが120Hzなことも考えれば、これは中価格帯としてお見事な結果。

残念なのはワイヤレス充電に非対応ということ。対応だけしておいてくれたら、充電器は有線でも同梱なしでもどうでもいいんですけどね。

すでにワイヤレスに慣れている人からしたら、Pixel 7aがワイヤレス充電できちゃう分、A54をちょっとうっとおしく感じますね。

暗所撮影が見劣りする

縦並びでカメラが3つ。
Photo: Florence Ion / Gizmodo

カメラスペックは、リアのメイン広角カメラが50MP、超広角が12MP、マクロカメラが5MP。フロントは32MP。リアのマクロはいらないかなーって気もしますね。動画撮影は、画質最大4K(30fps)。

Photo: Florence Ion / Gizmodo

カメラ撮影全体では、暗くなければ文句なし。昼間の屋外で困ることはありません。

が、気になるのは夜、暗所撮影です。ナイトモード発動でも、光を十分に取り込めず、撮れた写真は暗めです

また、アルゴリズムの限界なのか暗所ではピクセルのジャギジャギを感じるところも。ここがPixel 7aに負けている最も大きな点です。

つまり、スマホ選びでカメラを重視する人がPixel 7aとGalaxy A54で迷ったら、間違いなく前者にいくということです

Photo: Florence Ion / Gizmodo

サムスン版Androidすき

Photo: Florence Ion / Gizmodo

A54の中身はAndroid 13にOneUI 5.1載せ。サムスン限定の機能であるBixby Modesとかウィジェット整理とかスクリーンショットマネージャーが使えます。

Galaxy A54のソフトウェアアプデは公式が4年保証セキュリティアプデは5年。これ、Pixel Aシリーズよりもちょっと親切です。

Android 13の落ち着いたアプリデザインが使用されているのは好感触。好みはあると思いますが、個人的には、このアイコンの方が画面のごちゃごちゃがなく、スッキリしていて好きです。ダークモードにすると壁紙も暗めになる機能があって、それもいいですよ。

Pixel 7aに勝つには「フラッグシップ級」の機能が足りない

Photo: Florence Ion / Gizmodo

ちなみに、A54はアメリカだと450ドルですが、5G版は500ドル(約7万円)。居住エリアにもよると思いますが、なんだかんだ後者を買う人が多いのではないでしょうか…。

となれば、Pixel 7aとの価格差はなくなります。価格差がないなら、やっぱり弱い

セキュリティアプデが長いことで、長期的に使える中価格帯端末というアピールはあると思います。が、これは長期的シェアは後押ししても、今年の端末という点ではすぐさま販売台数には現れないはず。

となれば、やはりPixel 7aとライバルとして肩を並べるには、ハード面でもうひとつふたつ高位機種向けの機能がほしかったなぁ。ワイヤレス充電や容量アップがあったら、あるいは…。