日本の新しいサーカス団「さくらサーカス」に行ってきた / 元サーカス団員が見どころを解説

ロケットニュース24

先日、昔からお世話になっている姫路市のおでん屋さんで食事をした後に散歩がてらライトアップしている姫路城を見学していたら、お城のすぐ近くでピンク色にキラキラ輝く大テントを見つけた。サーカスである。

どうやら姫路城の城見台臨時駐車場に「さくらサーカス」が来ているらしい。姫路城の世界遺産登録30周年記念で公演しているそうだ。って、マジかよおい。翌朝関東に戻るつもりだったが急遽予定変更。オンラインでチケットを購入して公演を見に行くことにした。

・さくらサーカス

さくらサーカスとは和歌山に本拠を置くサーカス団。もともと別のサーカスで活躍していたファミリーが2020年に立ち上げた新しいサーカス団だが、世界トップレベルのパフォーマンスで観客を魅了していて、人気と知名度をぐんぐん上げているらしい。

実を言うと、私も10年以上サーカスの世界にいたので “新しいサーカス” の存在が気になっていた。もちろん姫路にも公演で来たことがあり、たまたま懐かしい現場周辺を歩いていたらド派手なテントが現れて衝撃を受けた次第である。イルミネーションの規模がハンパじゃない。


・そして公演当日

チケットはA席(2800円)を購入した。同じ席でも当日券だと3700円になるので前売りの方が断然お得。んで後から分かったことだが、A席とは「A席エリア内で自由に座れる席」なので、正面から鑑賞したい場合は早めに会場に行って見やすい席を確保するのがいいだろう。

客席は円形のステージを囲むように配置されている。リングサイドのBOX席と階段席のA席、さらに特別招待席なんてのもあるらしい。私はA席エリア内で見やすい席を探す。テントの構造上、どうしても照明等を吊るしている中柱の後ろは見えにくくなるから選ばない方がいい。

席を確保できたので開演前にトイレを済ませておく。ロビーでこれから舞台に立つアーティストを発見。本番前にもかかわらず写真撮影に快く応じてくれた。嬉しい。

さらに、さくらサーカスは公演中の写真撮影・動画撮影すべてOKだという。新しい団体なのでSNS等でバンバン拡散してもらうのが狙いなのだろうか。とくに動画撮影までOKというのは珍しい。つまりネタバレしても問題ないってこと。

たしかに、たとえショーの内容を知っていても「生で見たい」と思わせる “エンタメ力” がサーカスにはある。魅力はどんどん拡散した方がいいのかもしれない。んで、ショーの内容はどうだったかというと……やはり凄かった


人間離れした技の数々に圧倒されっぱなしである。



・世界最高峰のパフォーマンス

大注目はやはり、マルチネスブラザーズの「イカリオス」なる足芸パフォーマンスだろう。30秒間で最大50回連続で兄の足の上で弟が宙返りを繰り返す大技。サーカスのアカデミー賞こと「モンテカルロ国際サーカス・フェスティバル」で日本人初の金賞を受賞した芸だ。

もちろん綱渡りや空中ブランコといったサーカスならではの演目も楽しめる。ステージと観客席の距離は近く、アーティストたちの緊張感もビリビリ伝わってくるだろう。

その分、危ない場面で「キャァァァアア!」という悲鳴も聞こえてくるし、大技が決まったら「ウォォオオオオ!」という歓声がテント内に響き渡る。次の公演のために外で並んでいる人にも歓声が届くのでドキドキしながら開演を待つことになる。それがサーカスなのだ。

約2時間の公演はあっという間だった。世界10カ国のアーティストたちによる圧巻のパフォーマンスは見応え抜群。姫路の次は大阪城公園での公演が決まっているそうなので、お近くの方はぜひ生の舞台を見に行ってみてほしい。


ちなみに、お子さんと一緒ならショー全体が見やすいA席が個人的におすすめだ。迫力があるのはリングサイド(BOX席)かな。


参考リンク:さくらサーカス
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.

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