いらぬ心配を具現化します
「宝石箱をひっくり返したような」という比喩を聞くたびに心配になる。
実際に宝石箱をひっくり返したら大変だろう。
だって宝石だよ?
ひとつでもなくなっていたら事件である。
それに、床の宝石を踏んづけたときの痛さはレゴの比ではない。
さあ、やってみるぞ。
宝石入り宝石箱も売ってるAmazon
別の撮影を終えたあと、おずおずと宝石箱を取り出した。
Amazonで激安価格だったが、そう思うと今回の趣旨に反するので本当に高いものだと思うことにする。
ピンクのダイヤはきっと「なんとかの涙」みたいな名前がついて1億ぐらいするだろう。
同席しているのはライター、谷頭さん、ハナウタさん、トルー、べつやくさんだ。
「わー」という声があがった。きれいの意味の「わー」ではなく、あーやっちゃったーの「わー」である。語尾下がりのわーだ。
宝石箱をひっくり返したような景色があらわれた
比喩でしか聞いたことがなかった景色が眼前に現れた。
しかし、意外に悪くない。言うほどでもないんじゃないの?と疑っていたのだが、きれいだ。
キラキラしている(谷頭)
こういう居酒屋の床ありますね(ハナウタ)
この上にガラスが貼ってあるやつ(トルー)
居酒屋のトイレの芳香剤でこういうのある(べつやく)
と概ね東方見聞録(居酒屋の)という感想だった。
意外に飛びちったのでどこかに入り込んでないか心配になる。そう、問題はちゃんと回収しなければならないことだ。
宝石の数は合計91個。形が7種類あり、そのうち6種が10個、1種だけ30個ある。そこに真珠がひとつ加わる。
宝石箱をひっくり返した後始末
「あ、じゃあ僕はクローバーやりますよ」「おれは水滴型を集めます」
自然と役割分担ができて集めはじめる。
そして、恐れていたことが起きる。
ひとつ足りないのだ。
宝石が大事、という設定上の心配だけではない。
ここはレンタルスタジオだったので宝石を落として帰れないのだ。次の人が踏んづけたら(激痛)もう貸してもらえない。
幸いなことに無事見つかった。ひとつ1億円の宝石である。居酒屋の床に埋まっているやつだけど。
「宝石箱をひっくり返したかのよう」の慣用句の裏にはこんな物語があったのだ。とはいえ4人でやれば宝石箱をひっくり返しても90個を5分で回収できる。
宝石箱をひっくり返すと
・比喩にふさわしくきれい
・集めるときに元が何個あったのかメモをしておこう
・4人いれば5分で大丈夫
・小さいリアル宝石があったらこの限りではない