「¥」表記は日本円か確認を–ECサイトで想定の約20倍の請求トラブル、国民生活センター

CNET Japan

 「¥」表示を見て日本円(JPY)と思っていたら、中国人民元(CNY)で決済され、約20倍の価格で購入したことになっていた――そんなトラブルが起きているとし、国民生活センターは4月19日、注意喚起を行った。

 具体的には、カリグラフィー(欧文の文字を美しく書く技法)のガイドブックなどをインターネット上で販売する「Calli-Calli」(現在はアクセス不可)で起きた。Calli-Calliの利用者から「『¥』表示を見てクレジットカード決済で申し込んだところ、日本円(JPY)ではなく、中国人民元(CNY)で決済され、約20倍の価格で購入したことになっていた」との相談が複数寄せられているという。

 相談事例として、1月下旬にCalli-Calliを利用し、「¥1,680」のガイドブックを選び、クレジットカード決済で申し込んだが、通販サイトから届いた受注確認メールには「¥1,680」と記載。ところが、クレジットカード会社から届いた決済のお知らせメールでは「¥32,916」になっていたとした。

 クレジットカード会社に決済のキャンセルを申請したがキャンセルはできず、通販サイトにキャンセルを申し出て、その結果次第で調査できる可能性があるといわれ、請求は一旦保留にすることになったという。

 こうした報告を受け、同センターで通販サイトの表示を確認したところ、消費者が画像共有SNS上の広告を見て、通販サイトで申し込みを完了するまでの画面では、「¥」表示が「中国人民元(CNY)」であるとの表示は確認できなかった。

 加えて、販売業者の名称、住所、電話番号は表示されず、連絡先はメールアドレスのみだったという(通信販売における販売業者は、通販サイトに販売業者の氏名または名称、住所、電話番号等を表示しなければならない旨が定められている。特定商取引法 11条)。

 当該販売業者に対し、事実関係を確認する問い合わせを行ったものの返信がなく、連絡が取れない状況にある。

 通販サイトは日本語で作成されているため、日本の消費者が¥表示を日本円(JPY)であると誤認して申し込んでしまう恐れがある。

 なお、同センターによると、インターネット通販では、販売業者は「最終確認画面」において、「販売価格・対価」を含む契約内容の一定の事項について表示することが義務付けられているという(特定商取引法 第12条の6)。

 販売業者によって表示されていなかった場合であって、消費者がその表示されていない事項が存在しないと誤認した場合などでは、契約の申込みの意思表示を取消すことができる(特定商取引法 15条の4)としている。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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