昔から憧れているお刺身がある。それは魚ではなくて、タケノコの刺身。マンガで読んだのだかテレビでみたのだかよく覚えていないが、掘りたてのタケノコを刺身で食べるというのをやってみたいのだ。
竹林にいって自分でタケノコを掘り、それをその場で刺身にしたら、さぞ美味しいことだろう。
ただ残念なことに、竹林を所有している知り合いがいなかったのでその夢は実現しなかったのだが、ようやく友人の友人のおばあちゃんが所有する竹林でタケノコを掘ってもいいということになった。すばらしい。
※2008年5月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。
おばあちゃんの竹林へ
タケノコを掘っていいというおばあちゃんの家は茨城県。朝早く掘ったほうがエグみが少ないらしいので、早起きをしてやってきた。
このおばあちゃんとは今日が初対面なのだが、子供の頃にお年玉をもらったり、駄菓子を買ってもらったような気がしてくる素敵なおばあちゃんである。
そういえば、おばあちゃんとタケノコ掘りにいった記憶はないけれど、おじいちゃんと蜂の子採りにいったことはある。田舎が長野なものでして。
傘を杖代わりにズンズンと坂道を進んでいくおばあちゃんについて竹林をめざしていく。
そして途中で傘をシャベルとクワに持ち替えて、さらに急な坂をズンズンと登っていく。おばあちゃん、元気元気。
ついたところは10メートル四方ほどのちょっとした竹林。ここがおばあちゃんの竹林で、「伸びちゃっても困るから生えているタケノコは全部掘っちゃって!」というおばあちゃんのお言葉に甘えて今日はタケノコ掘り放題。
さあ堀りたてのタケノコでお刺身をつくるのだ。
タケノコを探そう
タケノコを掘るためには、まずタケノコを探さなければならない。地面からグッと頭を出しているタケノコよりも、まだ地中に埋まっているくらいのタケノコが柔らかくて美味しいらしい。
地表に出ているタケノコだったらすぐに見つかるのだが、これは憧れの刺身で食べるには固いだろう。
どこだ、柔らかい刺身クオリティのタケノコは。
柔らかいタケノコを求めてキョロキョロしていると、おばあちゃんが落ち葉をかき分けて「ほら、ここ!あ、ここにも!」と、まだほとんど土に埋まっているタケノコを次々に発見していく。おばあちゃん、ダウジング機能付きなのだろうか。
おばあちゃんに聞いたところ、もちろんダウジングではなくて、なんでも微妙に地面の持ち上がっているところを見つけたり、足の裏の感触などから、地中のタケノコの場所がわかるのだという。
いわれてみると、なるほどなんとなくわかってきた。こういう自然相手の探し物は私も大好き。タケノコ掘り以前にこのタケノコ探しがとても楽しい。