【ムスリムレポ】ラマダーンだ!! 断食だ!! 誰もがキツそうだと思われるが実は…

ロケットニュース24

Marhaban ya Ramadhan(ラマダーン、ようこそ)!! 皆、ラマダーンおめでとう!!

そう、2023年3月23日に僕たちはラマダーンを迎えた。たぶん知っている方は多いと思うが、我々ムスリムはこのラマダーンの間は日の出から日没まで断食をするんだ。

今回は我々の断食がどんな感じか紹介していくよ〜


・イスラムの断食

断食とは、すなわち「食」を「断つ」事。イスラム教限定なものではなく、他の宗教も断食することはあるだろうし、ダイエット目的で断食する人もいるはず。

イスラム教の断食は少し違っていて、日の出から日没まで行われる。日が出る前に朝ごはんを食べて、日没になったらご飯を食べる。

そして断食といっても断つのは食事だけではなく、「飲食」を断つのである。断食中は食べることも飲むこともできないのだ

それに加えてタバコなど物を体内に取り込むことは禁止されるし、「性欲」「怒り」「嫉妬」など悪い欲からも自ら断つのだ。悪い欲から自分を遠ざけて、心を綺麗にしありがたみを知ることがイスラム教の断食の目的である。

もちろんこの断食は精神と肉体が健康な人たちにしか強いておらず、病気の人や、生理中の人は断食しなくても良いのだ。ただ、ラマダーンの月中に断食していない分、別の日にしないといけない。


・前夜

ラマダーンの月に入る前、イスラムには1日5回の礼拝の他に1つ特別な礼拝がある。その名は「Tarawih(タラウィー)」。この「タラウィー」は5回目の夜の礼拝のあとに行われる、2ラカアートを4から12回繰り返して行う。1日5回の礼拝のように絶対ではないが、行ったほうが良いのだ。(イスラム教の礼拝について

「タラウィー」はラマダーン月中行われる。ちなみにこれはモスクで皆でする礼拝だ。僕の行きつけのモスクはこんな感じ。

ラマダーン前日だからか人が多い。前の記事でインドネシアはバイクが多いと書いたことがあったが、まさにこれ。


・クソ早い朝ごはん

時は朝3時半、僕らムスリムは朝早く起きて断食に備えて食事を取る。正直いって眠い、メッチャクチャ眠い。ラマダーン中もっともキツイ事やもしれぬ(僕が朝に弱すぎるだけかも)


食事はまぁ普通の食事、断食に備えるためとにかくできるだけ多く食事を取る

僕はチキンフライと肉のふりかけ的なものを食べたよ。


そんで適当にテレビを見る。ラマダーン中だけの番組がいっぱいあるので、「もうラマダーンかぁ」って気持ちになる。


もちろん断食中は飲むことも許されないので、お腹が許す限り水を飲む。僕はいつもコップ2杯以上飲むよ。

ま、どうせ5分後にはおしっことして全部出てしまうけどね。何でやねん


そして、朝イチのアザーン(礼拝の呼びかけ)が聞こえたら断食の開始。何があろうと飲食はもうダメ。僕は朝の礼拝をしたらすぐ寝るようにしている、睡魔にはどうしても勝てない。



・断食中は…

さて断食中、いつも通りの生活をしていく。学生は普通に学校に行って、働いている人は普通に仕事に行く。何も飲まず食わずなだけで、いつも通りの1日が来るのだ。

でも今日(断食初日)僕は休みだった。やったね。一応ライターとしての仕事があるので記事を書いて……


家事やったらあとはもうゴロゴロ。ゲームやって寝たらあっという間に1日が終わる。苦は無い。


でもまぁ授業がある時は普通に大学に行くけどね。断食中とはいえ人生で13回もやってきたので慣れているし、全然苦じゃない。むしろ食費が浮いて嬉しいぐらい

だから断食といっても皆慣れているから全然キツくなんかない。初めての人は多分きついと思うが、行動を控えめにしたら徐々に慣れてくるだろう。断食、悪くないぜ


・断食明け

さて、日が沈んだら今日1日の断食の終わりだ。この時間になると、みんな断食明けの準備に料理をしたり、市場にいって料理やお菓子を買ったりする。

そして日が沈むとモスクからサイレンとともにアザーンが鳴り響く。これが聞こえると皆嬉しそうに「Buka! buka!(明けた!明けた!)」と言う。


とくに、断食明けにムスリムはまず甘味を取ることを好むので、断食明けはまず甘い物から。これは「Es Blewah(エス・ブレワー)」といって、水に砂糖と「ブレワー(メロンみたいな果物)」を入れてキンキンに冷やしたモノ。

プハーッ、俺はこのために生きている。


我が家の断食明けの料理はけっこう豪華、皆飢えているので量は多め。

これが1日目


これが2日目


一日中我慢したあとのご飯は格別だ。ドチャクソ美味い。


・変化

「インドネシアってイスラム教が大半じゃん、ラマダーンの月中レストランはどうなんの?」って思う方がいるかもしれない。

この時期になると客が少なくなるし、店員もムスリムがほとんどだろうから日中は閉まっているお店もあるよ。日没に近づくと開店するお店が多い。


もちろん日中開いている店も少なくない、ムスリムは断食すれど非ムスリムは断食しないからね。断食中のムスリムのための配慮か、食べている人が外から見えぬよう窓などをカーテンや布で隠している店が多い

正直いうと別に隠さなくてもいいのにと思う。断食しているのは僕たちで、断食しない人たちまで巻き添え食らうのは可哀想だと思う。てか隠されたら逆に行きにくくないかい?


ちなみ「Malang Olympic Garden(マラン市にあるモール)」のフードコートは隠されていない。そのスタンス好き。それで良いのだ。


・お菓子お菓子そしてお菓子

めでたい月だからこそ、ラマダーン中にビスケットなどのお菓子を求めに買いに来る人が多い。お店やコンビニもこのように、お菓子を店頭に積んでセールしている。

家族用だったり、客にもてなす用だったりと、とにかく買う人が多い


・まとめ

大変そうに思われるイスラム教の断食だが、実はそうでもない。時間は日の出から日没までで、かれこれ人生で何年何十年も繰り返してやっているので、キツイと思う人は少ないであろう。何よりラマダーンは聖なる月なので、僕たちは喜んで断食をしてラマダーンの月を迎え入れる。そして特別な月だからこそ、特別な思い出があるのだ。

イスラム教のカレンダー「ヒジュラ暦」は太陰暦、すなわち月の満ち欠けに沿ったカレンダーなので毎年ちょっとずつずれる。今年のラマダーンは春の始めぐらいに来たが、僕が日本に住んでいたころはなんと真夏と重なっていたのだ。暑いわ日が長いわで満足に断食できた試しがなかった。まぁそもそもまだ小学生だし、何より無理したら絶対熱中症になるのでしょうがないけど。

無理な運動をしない限り全然耐えられるので、読者の皆さんも1日ぐらいやってみてはいかが? 飲むこともダメなので熱中症に気をつけて、あと油断すると太るから注意してね!

それじゃ Sampai Jumpa Lagi!!

リンク:Wikipedia「ラマダーン」
執筆:アキル
Photo:RocketNews24

Source

タイトルとURLをコピーしました