徳川家康が自ら手植えした「ミカン」が食べられる!? 400年前から引き継がれているその味とは?

ロケットニュース24

大河ドラマ『どうする家康』が始まってから、静岡の県をあげての「家康」推しが急激に加速した。

静岡は家康が生涯の3分の1を過ごした場所。大河という絶好の機会を得てとにかく家康人気にあやかろうという感じなのだろう。イベントやグッズ販売はもちろんのこと、新しく大河ドラマ館なんかも作られた。

そんな目まぐるしい家康プロモーションの中でも、昔から変わることのない家康ゆかりの物というのは静岡の至る所に存在する。

今回紹介する「ミカン」もその1つ。静岡には家康が自ら植えたとされるミカンの木が今も残っていて、なんと我々も食べることが可能なのだ!


・徳川家康お手植のミカン

家康が植えたとされるミカンは、静岡市の「駿府城公園」内に存在する。

公園の中心部には鷹狩りをしている家康像があるのだが、ミカンが植えられているのはその横にある柵で囲まれている部分。

中には簡単に入れないようになっているのだが、それもそのはず。この木は「家康手植のミカン」として、県の指定天然記念物になっているとっても貴重なもの。

立て看板によると、家康が将軍職を退いて駿府(今の静岡)に戻ってきた際、紀州(今の和歌山)より献上されたミカンをここに移植したとのこと。

家康が生きた時代は今から400年以上も前のことなので、このミカンが本当に家康が植えたものなのか厳密に言うと確証は無いみたい。だが、ゲノム解析で紀州ミカンだということはわかっているから、伝承と一致するんだって。

「家康が植えたミカン」であると教えられ昔から親しんできた静岡県民としては、家康が植えたものだと信じたい……というかもう信じちゃってるよね。県が厳重に管理して、天然記念物にもなっているから、作り話とか噂とかそういうレベルでないことは確かだろう。


・家康が植えたミカンを食べてみる

撮影時はすでに収穫時期を過ぎていたため緑一色であったが、この木は今でもたくさんの実をつける。

毎年、収穫作業見学や、ミカン配布イベントなどがおこなわれているが、ここ数年活発なのが「家康ミカン」を加工して新たな商品を生み出しPRしていこうというプロジェクト。行政から選ばれた事業者が、「家康ミカン」を使っていろいろと商品開発をしているのだ。

作られた商品は一般向けに販売されているので、ネットでポチれば誰でも家康が植えたミカンを味わうことが可能。ということで今回はチョコレートとマーマレードを買ってみたぞ。

まずは静岡では有名なチョコレート専門店「コンチェ」の「家康公お手植えみかんのチョコレート(2702円)」から。家康関連イラストのパッケージを開けると……

中から鮮やかなドライみかんチョコが2枚。みかんは皮ごとだからか、甘みと同じくらいしっかりとした酸味や苦味がある。そこに甘いハイチ産カカオが加わることで、風味豊かな大人の味わいに。

オレンジの皮にチョコレートがかかっているものはよくあるが、ミカンはかなり珍しい。しかもそのミカンは「家康が手植えしたミカン」なんだもんなぁ。こんなにレアな商品、世界中を探したって静岡にしか無いだろう。


そしてこちらは、コンフィチュール工房ロサ・マリーの「柚子と家康みかんマーマレード(1200円)」。

甘すぎず軽すぎずの上品な味だな。柚子とミカンだと柚子の方が強いかと思いきや、家康ミカンは全然負けてない。

実はこのマーマレード、世界各国より集まった3000本以上のマーマレードの中から金賞に選ばれたのだそう。ロサ・マリーさんの製造技術はもちろん、「家康ミカン」の凄さも世界に認められたってことだよね!?



・家康もびっくりのおいしさ

どちらも家康ミカンの特徴である皮の苦みや風味の強さを活かしたおいしさだった。400年経った今も、植えたみかんが食べられてるだなんて家康が聞いたらさぞびっくりすることだろう。400年の間に戦や空襲もあったはずだから、現存しているのは本当に凄いこと。丁寧に管理され、大切に守り育てられてきたんだろうな。

今回はチョコレートとマーマレードを購入したが、ほかにも「」や「ジェラート」など、家康ミカンを使った商品はいろいろとある。熱狂的な家康ファンであるならば、推しが植えたミカンだなんて食べずにはいられないのでは……!?

現在静岡で巻き起こっている家康ブームやプロモーションは、ドラマの終わりとともにいつかは落ち着くのだろう。だが、長い歴史を紡いできた「家康ミカン」はこれからも変わることなく後世に残って欲しいなぁと思う。


参考リンク:Concheロサ・マリー
執筆:まろ
Photo:RocketNews24.

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