2月ですね。もう1カ月もすれば春がやってきます。春といえば、なにか新しい趣味のひとつでもはじめてみたくなりますよね。
……っていうベタな書き出しで始めてみましたが、この記事は皆さんが新しい趣味を始めたいかどうかにかかわらず、問答無用で電子工作を押し売りする記事です。
みなさんがつべこべ言わずに黙って電子工作を始められるよう、デイリーポータルZ制作の「電子工作ができるようになる動画」全11本を公開しました!!!
インターネットユーザー。電子工作でオリジナルの処刑器具を作ったり、辺境の国の変わった音楽を集めたりしています。「技術力の低い人限定ロボコン(通称:ヘボコン)」主催者。1980年岐阜県生まれ。(動画インタビュー)
前の記事:田んぼの外で独自に進化するかかしたち(デジタルリマスター)
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電子工作ができるようになる動画
今回公開するのは、小型コンピュータのRaspberry Piを使った電子工作レッスン。最終目的はリモコン操作(有線)可能なロボットを作ることです。
内容のリストはこちら!
- ヘボコンのストラテジー
- 準備:Raspberry Piのセットアップ
- 出力①:初めての電子工作・LEDの点滅(Lチカ)
- 出力②:モーターを動かす・止める
- 入力①:スイッチで操作する
- 配線:銅線をつないでみよう
- 入力②:センサーを使ってみよう
- プログラミング:サンプルコードを読んでみよう
- 制御:ロボットを操縦できるようにしよう
- ベンディング:市販のおもちゃを改造しよう
- メカ:いろんな動きを作ろう
センサーやリモコン操作などを受けて(入力)、それをプログラムで処理して(ソフトウェア)、モーターを動かしたりLEDを光らせたりする(出力)、この3つの基本にくわえて、応用として外部の機器を制御したり、ただの回転じゃないちょっと凝った動きを作るところまで網羅しています。
動画1本の長さは15分~30分(1本だけ1時間のがあります)。週に1本進めていけば、3カ月弱でロボットができるカリキュラム内容です。ほんとかよ、という感じですが、実はいま実際にこの講座で30台ほどのロボットが完成しつつあります。それも選りすぐりの飽きっぽい人たちの手で。
ヘボコン・アドバンスというイベント
何を隠そう、この動画はもともと2/26(日)に開催されるイベント、ヘボコン・アドバンスのために作ったセミナー動画なんです。出場者はみんな素人。この動画を見てロボット作りを学び、ロボットバトルで戦うイベントです。
いまできてきているのは、こんなロボット。(すべて制作中)
というわけで動画本編の前に、いったんイベント告知をはさませてください。
技術力は低いが背伸びもしたい人限定ロボコン(通称:ヘボコン・アドバンス)2023 イベント概要
動画を見てかろうじてロボットを仕上げた素人が、なんとかロボットバトルを行う大会です!
2023/2/26(日)
OPEN 10:30 / START 11:00 / END 14:00
@東京カルチャーカルチャー(渋谷)
※出場者の多いイベントのため、席数の都合で観戦チケットは少ないです。お早めにどうぞ…!
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過去のヘボコンの様子(これはセミナーなしの普通のヘボコン)
いよいよ動画本編です
というわけで動画はこちらから!
全編見たい方はプレイリストから見ていただければと思いますが、雰囲気を掴みたい方のために序盤の回を3本ほど抜粋して貼っておきます。
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さあ、一緒に、電子工作を始めよう!始めよう!!!!!(圧)
講師紹介
最後に、講師のお二人のご紹介、そして材料の入手先もリンクを貼っておくので参考にしてください。
淺野義弘さん
1992年生まれ、ものづくり好きなライター。大学1年生の時に3Dプリンターと出会い、デジタル工作の世界に足を踏み入れる。お弁当にふりかけで絵を描く『Lunchbot』や、機械の力でことわざを具現化する『文字もじりワークショップ』などを発明しつつ、中高生向けの映像教材やRaspberryPiを用いたIoT機器の制作などに取り組んだ。大学の研究員として産学官民連携のデータ活用や資源循環プロジェクトに関わったのち独立し、現在はものづくりの知見を生かしたライター業務を中心に、ワークショップやイベントの運営などにも取り組んでいる。
よしだともふみさん
電子工作アーティスト。群馬県高崎市生まれ。メカトロニクスや光学、印刷技術などへの興味を起点に作品制作を行っている。近作にEテレ0655/2355『歩くの歌』(2019年)のロボット製作、AR三兄弟『スポンジと運動』(2020年)のメカ表現製作や、バッファロー・ドーター『Jazz』(2021年)MV製作、クリエイションキッズラボにおけるワークショップ講師(リクルートクリエイションギャラリーG8 2022年)。株式会社オブシープ代表取締役。
電子工作のプロであるお二人にくわえて、毎回の利き手、およびヘボコンの戦略やロボットの傾向などを紹介した「ヘボコン概論」動画を石川が担当させていただきました。ちなみに動画を毎週1本のノルマに泣きながら編集したのも石川です。だからみんな見て…!
材料の入手先
さて、動画中には入手先の説明なく電子部品が出てきます。これらはヘボコン・アドバンスの出場者に配布された部品。自分でチャレンジしたい人のために、主要な部品は以下にリンクを貼っておくので、各自で購入してみてください。
Raspberry Pi 4
※現在品薄で入手困難!通常より高値がついているので購入時はご了承ください。
スイッチサイエンスさんのスターターキット
(↑比較的安くて、ACアダプタやHDMIケーブルなどが付属するのでおすすめ)
初めて触る人は上のリンクから買うのがいいと思います。いちおう、Amazonのリンクも貼っておきます(高いしケーブル類がついてないけどメモリが多い)
Raspberry Pi 用のSDカード
家に余っているマイクロSDカードで大丈夫です。32GB以上。
部品セット
いろんな電子部品の入ったセット。
モータードライバ
モーターを制御するための部品。通販ならマルツオンラインショップで買うのがよさそうです。
デュアルモータードライバー基板(TB6612FNG搭載)【ROB-14450】
大きいモーター
ゆっくり回るモーター。これは必須ではないのでお好みで。小さいモーターは部品セットの方に入ってます。
タミヤのアームクローラ
必要に応じてでOK。ロボットの足回りに使用しています。イベント用には Raspberry Pi から制御するために少し改造したものを配布していますが、セミナー動画のベンディングの回を見ると自分で改造できるようになります。
リボンケーブル
リモコン(Raspberry Pi やブレッドボード)とロボットをつなぐために配布しています。これも必要に応じてでOK。
ブレッドボードに挿さる銅線
これも必要に応じて。
あとはHDMIモニタ接続の、USBのマウスとキーボード、単三乾電池の用意が別途必要です。
ロボット、作ろうぜ!
正直なところ、このセミナーでわかるのはほんと初歩の初歩。そして「なぜこれが動いているのか」を知るためにはさらなる勉強が必要です。
だけど、初歩なりに、ただ動画と同じものを作るだけでなく自分なりのロボットが作れるような構成につくってあります。何を作るかはキミ次第!なのです!
いやそんなこと言われても、何を作ればいいのかわからない……という方。ぜひヘボコン・アドバンスへどうぞ。バラエティに富みつつ頼りないサンプル作品の数々が、「これなら自分にもできそう」という気分にさせてくれるはずです。
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