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インターネット上には「重機を使わず、素手で土を掘ったり道具を作ったりして、豪華な家を建築するムービー」が数多く投稿されています。しかし、それらのムービーのほとんどは偽物で、実際には大勢の人々が参加していたり、掘削機などの重機が使われているという告発ムービーがYouTubeチャンネル「SunnyV2」によって投稿されています。
How Primitive Building Videos Are Staged – YouTube
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「重機を使わず原始的な方法で家を建築するムービー」はインターネット上に数多く存在しますが、それらのムービーの元祖とも言えるムービーは、2015年にYouTubeチャンネル「Primitive Technology」が公開した「素手で道具を準備して立派な屋根付きの家を建築するムービー」です。当該ムービーの内容は、以下の記事で詳しくまとめています。
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Primitive Technologyが公開した上記のムービーは大きな注目を集め、記事作成時点では8000万回以上の再生回数を記録しています。また、Primitive Technologyのチャンネル登録者数は1070万人に達しています。
Primitive Technologyが大きな成功をおさめた後、「原始的な方法で家を建築する」という内容のムービーがYouTubeに数多く投稿されるようになりました。しかし、投稿されているムービーの中には、明らかに「原始的な方法」以外の手法で作成されている建築物が多く登場しているとのこと。
投稿されている建築ムービーの中には、以下のように「プール付きの家」を建築するものもあります。
しかし、それらのムービーに登場するプールの水は、自然界で湧き出ているとは思えない真っ青な色をしていることが多く、Primitive Technologyは「どうして水の色が青いのでしょうか」と苦言を呈しています。
また、「原始的な方法で家を建築するムービー」のほとんどは少人数で建築したことをアピールする構成になっていますが、この点にもウソが含まれています。
例えば、以下の写真には白い服をした作業員の姿が映り込んでいます。
また、「原始的な方法で家を建築するムービー」の撮影現場を上空から撮影した映像には、現場で作業に取り組む作業員たちの姿が記録されています。
SunnyV2は、「原始的な方法で家を建築するムービー」の元撮影スタッフと連絡を取ることに成功。
元撮影スタッフに質問を送付した結果、ほとんどの建築物は3~10日という短い期間で建築されていたことが明らかになりました。
一方で、Primitive Technologyは「約100日で建設した」と回答。このことからも、後追い勢の建築期間が短すぎることが分かります。
後追い勢の建築期間が非常に短いのは、ムービーに登場しない器具を用いて建築を行っているからです。ムービーに登場しない器具の使用が顕著なのが、以下の穴掘りの場面です。
ムービーでは「男性が棒を用いて掘り進めている」と表現されていますが、画面右側には男性が持つ棒の幅と一致しない痕跡が残っています。
また、地面には大型のタイヤか無限軌道が通過した痕跡も残っています。
さらに、SunnyV2は「火起こし」の場面にも着目しています。Primitive Technologyの場合は、細かい木くずや大きめの枝を並べて丁寧に火を起こしています。
しかし、後追い勢のムービーでは「石同士を打ち付けて着火し、木の枝に近づける」という成功するか疑わしい方法で火を起こしていました。
また、後追い勢のムービーでは「柱を地面に固定するためにコンクリートのようなものを作る」というシーンが登場。
しかし、SunnyV2は「ただの泥水にしか見えません」と断言しています。
また、「柱に使われる木材や竹の切断面がキレイすぎる」という問題もあります。
Primitive Technologyの場合、以下のように「石器で切りつけた木を倒す」という方法で伐採しています。つまり、金属製の器具に頼らない場合、切断面がキレイにそろうのは不自然というわけです。
さらに、後追い勢のウソを決定づける証拠が以下。このムービーには建築した家のプールに、竹を使って水を引く様子が収録されています。
しかし、現地を訪れた視聴者からは「プラスチック製のパイプが残されていた」という証拠写真が寄せられています。
上記の告発ムービーが公開された後、Primitive Technologyは「よく言ってくれた。ありがとうSunnyV2」というコメントを残しています。
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