黒坂岳央です。
人類の集中力が劇的に低下している。そんな恐ろしい研究結果がある。マイクロソフト社のカナダの研究チームの発表によると、2000年時点では12秒だった集中力が2015年には8秒になっているという。ちなみに金魚は9秒なので、人間は金魚以下ということになる。
Study: Thanks to portable devices, our attention spans are now shorter than those of goldfish
2015年からすでに8年の月日が流れている今、スマートウォッチやスマートグラスなども注目を浴びておりおそらく現代人の集中力はますます低下しているのではないかと推測が可能だ。
スマホが集中力を破壊する
現代人の集中力を破壊する犯人は間違いなくスマホである。PCはかなり以前から存在していたが、集中力を破壊するという話はなかった。PCはスリープ状態にすればよく、電車内や移動中には使えないためデスクに座っている時に利用は限られていた。
しかし、スマホがこの状況を完全に変えた。歩きスマホで怪我をしたり、映画鑑賞中にスマホを使って迷惑だと怒られたり、車の運転中のスマホ操作で事故を起こす人も出てきた。これは今までなかった現象であり、集中力を奪い取られたことで起きている状況である。
特にスマホアプリは現代人の集中力や可処分時間を奪い取ることを計算しつくされており、SNSでいいねやコメントがついたことを知らせる新着通知に抗える人はほとんどいない。集中力がなければ、仕事や勉強などで集中力を要する場面で何事もできない。
現代人はスマホを効率的に活用し、ますます力を得たものとスマホに振り回されっぱなしで集中力を奪い取られ続けるものと二極化しているような状況である。
現代人はスマホを使っているのではなく、まるで奴隷のようにスマホに動かされている状況なのだ。
現代人のスマホ管理術
スマホに管理されて集中力を奪い取られるのではなく、スマホを管理するための技術について取り上げたい。筆者は専門家ではないが、下記を意識して集中力を維持している。
まずはシンプルにスマホを遠ざけることだ。同じ部屋に電源が入っている状態だけでも集中力は奪い続けられる。だが、2つ部屋に機内モードにして置いておくのが良い。筆者は夜は家に持ち込まず車の中に置きっぱなしにしている。つい気になってスマホを見る、ということをなくしている。また、どのアプリでも通知は原則OFFが良い。通知がONではまったく仕事にならないので、通知は必ずOFFにする。
そもそも、集中力が必要な人は集中力を奪う活動をスマホを通じてしないほうが良いだろう。仕事でインスタグラムやTwitterなどのアプリを使うのはいいが、プライベートの遊びで承認欲求を満たすためにSNSをすると四六時中自分の投稿への反応が気になってしまう。だからこうしたアプリはスマホに入れないようにし、どうしてもやりたければPCのみでやるようにするのである。
◇
新たなるテクノロジーの登場をするたび、「できる人・できない人」に大きな差がついていく。
IT革命が起こった時、「ナレッジシェアリングが世界規模で起こることで、人類の知力格差はなくなる」と予測されていたが、結果的にはこの逆のデジタルデバイドが起きた。スマホの登場も同じで、「これでいつでも仕事ができる。効率化になる」と思われていたが、ふたを開けると集中力を奪い取られ続けて以前より仕事や日常生活に支障をきたすケースは増えた。
どこまでいってもテクノロジーは使うものであり、使われるようではいけない。
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