NVIDIA、ロボットシミュレーター「Isaac Sim」のアップデートを発表

CNET Japan

 NVIDIAは米国時間1月3日、同社のロボティクスシミュレーションツールのアップデートを発表した。企業はこれらのツールを使うことで、多岐にわたる現実環境や運用条件における仮想ロボットの構築・テストのすべてを、クラウド環境内で安全に実施できるようになる。


提供:NVIDIA

 「CES 2023」の特別講演で披露された同社のロボティクスシミュレーションツールキットは、倉庫や製造施設のような産業環境内での人の振る舞いをシミュレートできる。その目標は、協働ロボット(コボット)や自律走行搬送ロボット(AMR)が現実世界における人間の一般的な行動や、障害となり得る物体を把握、識別できるよう支援することだ。

 産業/商用ロボットの利用は急速に拡大している。同社によるとロボティクスプラットフォームの強化が自律型ロボットの開発や配置を加速させるという。また、人工知能(AI)の発展によって、さまざまな環境でロボットが確実かつ安全に稼働できるようになる。

 同社のロボティクス担当上級製品マーケティングマネージャーであるGerard Andrews氏は「よりスマートで、より自律性の高いロボットという次なる波の到来を促す複雑なソフトウェアシステムを開発する上で、シミュレーションは必須のテクノロジーだと言える。シミュレーションによって、仮想ロボットの複雑なソフトウェアスタックと、さまざまなAIモデルを検証できるようになる」と述べた。

 商品の集荷/移動や、カートの移動といった、環境内での人の振る舞いや行動のシミュレーションを加味することで、ロボットの導入がどのような状況をもたらすかを、人に危害を与えずに検証できるようになる。

 産業環境における人の行動や、倉庫内での移送といった通常のイベントと、緊急事態をはじめとする予期せぬイベントの双方をシミュレーションできるようになることは、ロボットが作業量の多い環境下でさまざまな状況に適応する上で役立つはずだ。

 その支援に向け、「NVIDIA Isaac Sim」は「NVIDIA RTX」テクノロジーを活用し、センサー周りのサポートを強化した。これにはさまざまな照明条件や、反射率の高い材料に対してより正確なセンサーデータを提供するためのレイトレーシング手法が含まれており、センサーから送られてきた物理的に正確なデータをリアルタイムでレンダリングできるようになった。

 その結果、物理的に正確なモデルに基づいたシミュレーション環境が実現でき、シミュレーション環境と現実環境の差が最小限に抑えられ、ロボットを最大限、的確に訓練できるようになる。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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