【現地レポ】イスラム教の「特別な日にやる特別な礼拝」を紹介! 大変だと思われるけど実は…

ロケットニュース24

みんなは金曜日、どう過ごしているだろうか? 僕は迫りくる休日を今か今かと待ちわびながら過ごしている。

週の終わりを知らせる金曜日は、我々イスラム教徒にとって聖なる日だ。こんな特別な日に、イスラム教徒は特別な礼拝「合同礼拝」を行う。仕事など一旦忘れ、モスクに集まって礼拝をしていくんだ。

今回はそんな特別な合同礼拝を、モスク内の雰囲気とともに紹介したい。

前回の記事でイスラム教徒の礼拝について紹介したので、合わせて読むとより一層イスラム教に触れられるだろう。さぁ皆、読んで読んで!

・合同礼拝って?

イスラム教では週に一度、聖なる日「ジュムア(金曜日)」に合同礼拝が行われる。大体正午ぐらいに行われ、「五回礼拝」のうちの昼の礼拝にとって変わる。

この合同礼拝はちょっと特別で、なんと健康かつ成人男性にしか参加義務がない。女性や未成年、病人や旅行中の人は強制されない。

またこの礼拝は一斉に行われるので、参加する人は一旦仕事や勉強などの手を止める必要がある。ちゃんと支度して最寄りのモスクに足を運ばなければいけない

合同礼拝について神様はコーランの62番目のスーラ「アル・ジュムア」、9節と10節にてこのように命令している。

神を信じる者よ、もし合同礼拝の呼びかけが唱えられたならば、商売を放って、急いで礼拝に参加するべきだ。(9節)
礼拝が終わったら、神の恩名を讃え、また商売に精を出せば、その人は栄えるだろう。(10節)

というわけで、イスラム教徒(特に男性)は金曜日に何が何でも絶対に合同礼拝に参加しなければいけないのだ。

・今回の合同礼拝


さて、この日は金曜日。今日も友達と揃って合同礼拝をしに大学の工学部最大のモスク「Al-Hadiid (アル・ハディード)」に向かった。期末試験後のぶっ壊れた頭と心を癒やすいい機会だ

そして、モスクの前までいくと……。


説明しよう。金曜日になると合同礼拝のあとに食べ物をタダで配ってくれるモスクがたくさんあるんだ。これらはモスク側が購入したり、親切な人が提供してくれていたりして用意されている。ありがたや、ありがたや。

当然、これも僕の楽しみの一つ。だってタダだから。まぁ、タダだからちょっとした戦場になるけど……


そしてたどり着いたのが目的のモスク「Al-Hadiid(アル・ハディード)」。


体を清めて中に入るとこの通り、結構集まってる。皆床に座って合同礼拝が始まるのを静かに待っている。


座る位置を探してたら「ムアジーン(モスクの関係者)」が「アザーン」を唱えだした。敬意を払うため、唱え終わるまで立って聞くのがマナーだ。


そんで、アザーンが終わったら説教が始まる。合同礼拝では礼拝の前に説教が入るのが基本。内容は様々で、今回は「イスラム法に基づいた男女関係」について語られている。よくある話題。


男性にだけ義務付けられているとあって、モスク内は男一色だ。女性用のスペースだった2階も今回だけ男性も使うことができる。

説教中は黙って聞かなければいけないので、みんな神妙に聞いてる。神妙になりすぎて寝てしまう人も沢山いる。まぁ、このモスクはクーラーが効いていて絨毯もふかふかなので、気持ちよくて寝てしまうのは分かる。

そう思うと、なんだか目の前が暗くになっt-


・静けさの後の嵐

礼拝が終わり、モスクを出ると…

もう戦場になってる!!! 覚えているだろうか、あそこは食べ物が用意されてあった場所だ。皆集まって配られた食べ物を取ろうとしている。

僕も取りたいけど、正直あんなに人が多いと取れる自信がない。まぁ一応取りに行ってみるが……


皆取ろうと必死で前に詰めようとしている。やばい潰される、何より俺のリュックにあるパソコンがやばい! クソ、負けてたまるか。


貰えなかった!!!! うん、取れるとはあまり期待してなかったけど、記事的に取れる画は欲しかったなぁ。

──以上、イスラム教徒の合同礼拝だ。大変だと思われるが、実はそうじゃない。心も体も癒せるし、運が良ければ腹も満たせる良い機会だ。

この合同礼拝は絶対なので、もし職場にイスラム教の男性がいたら合同礼拝のための時間を与えてやってくれ。一緒に最寄りのモスクやイスラム教団体に紹介してくれるとなお良いかも。

それでは、Sampai Jumpa Lagi!

参考リンク:Al-Hadiid公式サイトコーラン日本語翻訳
執筆:アキル
Photo:RocketNews24

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