バリウム検査の台の動きを人力で再現しました~検査台が語るサイドストーリー

デイリーポータルZ

これは本編では語られなかった物語。

先日、爲房さんが健康診断のバリウム検査を体験をする記事があった。バリウム検査の台の動きを人力で再現したいである。爲房さんはこの検査が好きで何度でも体験をしたいらしい。その様子が書かれた記事のサイドストーリーを検査台目線でレポートします。

1988年神奈川県生まれ。普通の会社員です。運だけで何とか生きてきました。好きな言葉は「半熟卵はトッピングしますか?」です。もちろんトッピングします。(動画インタビュー)

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行ったら木の板があった

なにをするかわからないが人数を集めていた。困っているだろうから参加するかーという気持ちと、きっと参加者たちも体験するのだろうと前日の夜から食事を抜き、本当の健康診断のような気持ちで準備をする。ハンバーガーやフライドチキンを食べたいが我慢した。

そして、撮影をしている場所に行く。少し遅れたのもあってかみんな一息ついて談笑しているようだった。「すみません!おくれまし…」ぐらいで大きな木の板があるのに気づく。

行ったらでかい木の板がある。

爲房さんと言えば工作で右に出るものはいない人である。すごい機械があるものだと思っていったら木の板だった。意表をついてきたなと思った。

そして「皆さんで板を動かして下さい」と言われた。検査する側、される側でもない。機械の部分をやるのか。また、意表をついてきたな。でも、はいと答えた。おれたちは社会の歯車だから。よかった、 気合を入れて検査着を買ってこなくて。

台の動かし方をホワイトボードに書く爲房さん。

今回、適当に動かすのではなく、本当のバリウム検査のように手順にそって動かすらしい。調べた動かし方をホワイトボードに書いていく。

そして、われわれは動かし方の練習をする。

バリウム検査の板を動かすのは生まれて初めての経験だ。というかみんなはじめての経験である。

板の支点として編集部の安藤さんがどこかから持って来たバランスボールがあるが、最初の想定では本当に人力だけでやるつもりだったらしい。その想定ではだれかの腕が終わりになる瞬間があると思う。あってよかったバランスボール。あと、バランスボールがある職場ってなんだ。

検査で指示する人と機械たち。準備万端である。

爲房さんが炭酸水を飲み、橋田さんから「げっぷしないで下さい」と言われている。本当にバリウム検査を見ているようだ。

カメラ目線で炭酸水を飲む爲房さんと「これ、薄いけどバリって割れない?」と不安な機械側の江ノ島。
頭側を倒して平行にしていく。
倒れた。

今のところそんなに負担ではない。バランスボールが良い感じに力を分散させているようだ。人間ドッグでもバランスボールを置いたほうがいいと思う。

そして、橋田さんから指示が出される。「右に三回回って下さい」と言われ、回る爲房さん。

「うわーやった!本当のバリウム検査!」とはしゃいでいる。
これはなんだ?

人が目の前で回る姿を見て「こういう動きをする動物を見たことあるな」と思った。砂のところで自分のにおいをつける動物。

あと、たまに重くなる。
他の人たちが平然としているので「え?重くない?」と確認する。お前たち機械か?

検査が終了して、装置から降りる爲房さん。「これですよ、これ」と目がキマっている気がした。たぶん、台に乗る前に飲んだの、そういうやつだと思う。

こんなにやりきった顔をする健康診断あるのか。

橋田さん泣く

「いやー最高の体験でした。橋田さんもやってください」と爲房さんが声をかける。一気にテンションが下がる橋田さん。

なにもしてないのにすでに嫌そう。

爲房さんがバリウム検査が好きなのに対して、橋田さんは本当に嫌いらしい。安藤さんが指示を出す。

「もう少し右にかたむいて下さい」と言われて「もう本当に嫌」と漏らす橋田さん。目の前で回りながら嫌がっている。

「きつい…」と言いながらも指示に従う橋田さん。

爲房さんが楽しそうにしていたので忘れていた、バリウム検査ってこちらは相手の指示に従うしかない、人間の無力さを味わう検査だった。

悲鳴や不満が橋田さんから漏れ出してもおれたちには見守ることしかできない。

なんとか終了し、立ち上がる機械。橋田さん、ぐったりしていた。

最後の最後まで嫌そうだった。だれかおいしいケーキとかあげてほしい。
疲れている。本当のバリウム検査もこんな感じだよな。

「本当の検査みたいできつくて嫌だった。これが好きなの?」と爲房さんを見つめる。「楽しくないですか?」と笑顔で答える爲房さん。その後、橋田さんを見たら泣いていた。きつかったらしい。

大人がきつくて泣く姿を土曜日の昼に見ました。

高瀬さん、はじめてバリウム検査

次は高瀬さん。まだバリウム検査を受けたことがないらしいが、2年後にバリウム検査を受けるそうだ。予行練習にちょうど良い。

炭酸を飲んでゲップをしないの段階できつそう。
無理な体勢で体をかたむける。
そして、回るように指示をされる。

「え?これ無理じゃないですか?」と言っていたが、その気持ちわかる。自分も検査のとき「え!早く!」と叫んだことがあった。「我慢してください」と冷静に言われたことを昨日のことのように覚えている。

はじめてバリウム検査のきつさにふるえる高瀬さん。

顔を真っ赤にしながらなんとか指示通りに体を動かす高瀬さん。背が高い分、台も結構ゆれる。そして、ゆれるたびにしてはいけない木の板の音がする。でも、この経験が2年後にいきてくるから。

たぶん(本当にこれが好きなのか?こんなにきついのに…)とはじめて会った爲房さんのことが怖くなったと思う。
はじめてのバリウム検査体験終了。

「よくきついと聞くがこんなにきついとは思わなかったので、練習できてよかった」と言っていた。

「これが2年後にあるのか」と弱々しい声になりながら漏らしていた。ふるえてその時を待て。

バリウム検査の才能

最後はトルーさん。トルーさんもバリウム検査を体験したことがないらしい。いつかやるそのときのために予行練習しよう。

機械たちも慣れてきたのか、動きがよくなってきた。

はじめてらしいがはじめてとは思えないぐらい動きがいい。学生の頃にバリウム検査部に入っていたと思うぐらいスムーズにこなしていく。

回転するのにうまいとかあるのかと思ったがあるな。

頭を軸にしてスムーズな回転をみせるトルーさん。バリウム検査の才能があると思う。履歴書の特技でバリウム検査と書けるぐらいうまい。

(オチで最後やるのかな)と考えはじめている江ノ島。
スムーズに終わる。

そして、最後に目隠しをして爲房さんがやることになった。なんだそのドキドキアトラクションは。

夢を希望の国に出発だ!(爲房さんの中では)
羊たちの沈黙でこんなシーンがあった気がする。
「うわーすごい!本格的だ!」と言っていたが本格的なバリウム検査は目隠しなんてしない。
終始、喜びの声を上げる爲房さん。1人だけスペースマウンテンに乗ってる?
その楽しそうな様子を温かい目で見守る機械たち。
時々、目の前に回っている目隠しした回っている人が来るの怖いな。
終了。とても満足そうな顔をしている。
疲れた。

この後、自分が乗ることなく、次の撮影をした。果物の四天王を決める会議だった。この記事です。

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