先日、「第一回蛍光灯の箱投げ全国大会」が開催され、熱戦が繰り広げられた。今回はその模様をお届けしたい。
蛍光灯の箱を飛ばすためだけに、大人たちが集結
「蛍光灯の箱って結構飛ぶんですよ。大勢で投げて大会とかやったら面白いと思うな~」。ある日、深く考えずDPZの林編集長にそう話した私。昔から蛍光灯を変える時によく投げていたのだ。
林さんが「良いですね!」と食いついてくれて体育館を予約してくれた時、正直少々焦った。(こんな企画で良いのかしら?)。しかし、その場所に行ってみてさらに焦った。
だって、飛ぶと言ったってたかが5,6mなのだ。そんなことのために、大人が私以外に4人も集まってくれてるのも焦りを助長する。
林選手なんて抜けられないリモート会議を体育館でこなしながら、参加してんだぞ!
「いや、そんなに飛ぶわけでもないんですよ。エヘヘ」…今さら言えない!ええい、ままよ!追い詰められた私は、皆の前で一か八か思いっきり投げてみた。
約6m。この時、はっきりと(あれ?やばいぞ、これ)という空気が充満したのを感じた。
皆で試行錯誤の開始
それでもあらゆる企画に挑戦してきたDPZの猛者達は文句も言わず、率先して練習を始めてくれた。
今回用意した蛍光灯箱は2種類。私が持ち込んだ日立製ハイホワイト(以下、クラシック)と、林さんがネットで見つけたもの(以下、ニュータイプ)。
皆で試投を繰り返すうちに、どちらも力任せに投げるとすぐ落下してしまうが、絶妙な加減だとやはり結構飛ぶことが分かってきた。
練習の結果、平均して8m以上は飛ばせるようになってきた。
ルール決め
練習と同時進行でルールも決めていく。
その結果、ルールは以下のように決定した。
~ルール~
①1人2投。「1投目+2投目」の合計距離で競う(投げることは“投箱”と呼ぶ)
②1投目は素の状態の箱、2投目は自由に改造した箱を投箱する
③箱はクラシック、ニュータイプ、どちらを選んでも良い
④記録は着地点ではなく、到達点。着地後に床を滑った分も含め計測
特に②は重要。これは最初から思いついてたので、事前に「どんな細工をしても良いので、道具を持ってきてください」と皆さんに伝えていた。
一通り試投を終えた後は、工作タイム。
さあ、準備完了。いよいよ競技開始!
箱児達の夢の舞台、始まる
まずは選手入場。
第1投目(素の状態の箱)
まずは1投目。唯一の経験者である私は負けるわけにいかない。箱は投げ慣れたクラシックを選択。
なんと7m37cm!平均の8mを大きく下回った。早速の大波乱。
ここからは各選手の1投目をダイジェストでご紹介。
林選手、トルー選手1投目
べつやく選手、石川選手1投目
この体育館は廊下に面しているため、他の会場使用者が頻繁に通り過ぎる。しかし、我々と目を合わせる者は誰もいない。
1投目の結果はこの通り。
優勝候補のはずが、最下位。このまま終わるわけにはいかない。私のしっぽに火が付いた。
[embedded content]
2投目。負けられない戦いが、箱にある
2投目は下位から順に投げていく。投げる前にどういう哲学で箱を改造したのかも説明してもらう。
まずは私。クラシックの空気を切り裂く感じとニュータイプの安定感。両者の良いとこどりを目指した。
さらに翼を付けてみた。
念のため垂直尾翼もつけてみた。
さあ、優勝候補の意地を見せてやる!
なんと!21mの大記録。1投目の約3倍も飛んだ!広い体育館も無駄じゃなかった。
べつやく選手2投目
べつやく選手は当初、パチンコ方式を考えていたのだがうまくいかず断念。シンプルに先をとがらせ、空気抵抗を減らす作戦に出た。
[embedded content]
林選手2投目
最初からずっと「作ってみたいものがある」と言っていた林選手。それがこれ。
アステカなどで使われていた「アトラトル」という道具で、テコの原理で非常に遠くまで槍を飛ばせるという。しかし、練習では突起が箱に引っかかり全然上手くいってなかった。
本番はどうか?
トルー選手2投目
トルー選手は、方向性としてはべつやく選手と近い発想。
当初は投箱時に回転を加える為に作った持ち手。
しかし思うように回転がかからず、単純にぶん投げやすいよう握りこむための持ち手に変化。
さあ、思う存分ぶん投げてくれ!
出た~!とんでもない大記録、21m5cm!
石川選手2投目
泣いても笑っても2投目もラスト。1投目にK点越えを見せた石川選手だが、一番物議を醸す改造を施してきた。何しろ、パッと見ただけではどういう原理で飛ばそうとしてるのか、皆目見当つかないのだ。
説明を要約すると、こうだ。筒形の箱の形状を活かし、中に長い棒を突っ込む。箱の先端にゴム紐がついているので、テンションがかかる。
その状態で箱を押さえ、投げると同時に手を放す、という仕組み。さすがヘボコン主催者。他の皆と発想の根本が違い、「装置」といった感じがある。
さあ、果たしてこの仕組みで飛ぶのか?
これで全員の投箱が終了。
[embedded content]
結果発表
1,2投目の合計距離を集計した最終結果は…
最初は色々焦ったが練習と改造によって徐々に記録は伸び、最終的には白熱の展開となっていた。ゆえに悔しさも湧いてくるが、ここは初代王者、トルー選手に素直に敬意を表したい。
みんなの挑戦、待ってるぜ!
競技終了後、全員共通した意見が「まだまだ記録は伸びる」というもの。そう、この競技はまだ産声を上げたばかり。第2回大会では、この記事を読んでくれたあなた達こそ主役になるのかもしれない。
独創的な投箱フォーム、思いもよらない改造。みんなの挑戦、待ってるぜ!