キヤノン電子がゼロから作ったワイヤレススピーカー「albos Light & Speaker」

CNET Japan

 キヤノンマーケティングジャパンは11月18日、キヤノン電子製のスポットライト型アルミスピーカー「albos Light & Speaker(アルボス ライト アンド スピーカー)」の発売に先駆け、先行体験できる専門店「albos ROOM」(東京都中央区銀座5-7-1)を11月21日までの期間限定で、東京都中央区銀座にオープンした。

東京都中央区銀座に設けられた「albos ROOM」

albos Light & Speaker(アルボス ライト アンド スピーカー)」

 albos Light & Speakerは、12月中旬に発売されるBluetoothスピーカー。5月に応援購入サイト「Makuake」で先行販売しており、目標金額100万円に対し、2500万円以上を集めた。

 「音響」と「照明」の2つの機能を備え、円筒型のフォルムからは360度、全方位に音が広がる仕組み。ボディ上部にフルレンジスピーカー、下部にはパッシブラジエーターを配置し、コンパクトながら臨場感あるサウンドを再生する。

 手掛けたのは、電子、電気機械器具、光学機械器具、情報機器などの設計、製造を請け負うキヤノン電子。「幸せを感じる空間を作る」をテーマにモノづくりを進めており、五感に響く「光」と「音」に着目し、スピーカーづくりが始まったという。

 キヤノン電子 LBP事業部HMI事業推進部HMI設計課課長の本多健一氏は「キヤノン電子は部品の開発、製造が主な業務なので、コンシューマー向け製品、ましてやスピーカーづくりは経験したことがなかった。まさしくゼロから始まったプロジェクト」と経緯を話す。


キヤノン電子 LBP事業部HMI事業推進部HMI設計課課長の本多健一氏

 開発は約2年前にスタート。「当初は何がわからないかがわからなかった(笑)」(本多氏)というほど、手探りでのスタートだったと振り返る。電気系統のエンジニアやメカ、ソフトウェア、デザイナーなど、それぞれ1〜2名を社内から選抜し、スピーカー作りに取り組んだとのこと。動くライトを上部に配した特徴的なデザインは、早い段階でできていたという。

 キヤノン電子初のスピーカー開発ということで、ゼロから学ぶ部分が多かった一方、精密機器を作る製造ノウハウなどは、今まで培ってきた技術を数多く投入。「ボディはアルミ削り出しを採用しているが、アルマイト加工を1000分の1ミリ単位で施している。この目の粗さによって光り方が変わるので、何度もサンプルを作り、最も輝く目の粗さを確認していった」(本多氏)と試行錯誤を重ねる。


スピーカー下部に操作ボタンなどを配置している

ライトは「高出力LED」を使用。光色は「白色、暖色」の2色から、調光(光の明るさ)は「弱、中、強」の3段階から切替えられる

 音質面では、臨場感あるサウンドを目指すと同時に、低域を重視。「社内で試聴会を実施したところ、低音が物足りないとの声が上がった。その時点でかなり仕上がっていたが、低音が出るようにするには電源回路の見直しが必要。もう一度やり直して、現在の音質になった」(本多氏)という。

 5月に実施したMakuakeでの先行販売では、利用者から数多くの意見が寄せられたとのこと。「商品を楽しみにしてくれている声をたくさんいただき、本当に嬉しかった。多くのご支援をいただけてありがたかった」(本多氏)とユーザーの声が励みにつながったという。

 albos ROOMの開場時間は11〜19時。4つのパーソナル空間を備え、albos Light & Speakerの音と光を体験できる。


パーソナル空間の内部。落ち着いた雰囲気で音と光を体験できる

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