どうした?自民党、岸田首相は案外無風で長期政権になるぞ

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日本のエンタメビジネスを代表するのは吉本興業とジャニーズ事務所が双璧かと思いますが、「ジャニーズ アイランド」のトップだった滝沢秀明氏が突然の辞任退社、後任に井ノ原快彦氏を藤島ジュリー景子氏が決めました。私は芸能界には疎いのですが、ビジネスに限定して言えば、日本に世界でも稼げるエンタメ産業に仕立てるという意気込みが感じられないのです。多分ですが、ジュリー社長は苦悩の日々ではないかと思います。また、あの「キンプリ」のメンバー3人が辞めることも今朝ほど速報で入ってきました。韓国がエンタメで圧倒圧勝する中、「嵐」活動休止前はジャニーズが世界に打って出る姿勢も見せていただけにジュリー氏の経営手腕は限界かもしれません。

では今週のつぶやきをお送りします。

アメリカ雇用はそんなに順調?

北米でクビ切りは金曜日の午前中に行うことが多く、昼過ぎに目をはらした人が段ボールを抱えて会社を後にするシーンに遭遇することがあります。マスク氏が今日からツィッター社社員のクビ切りを開始するのでそのような光景が見られるのでしょうか?ただ、北米は「切った貼った」のドライな世界ですので週明けにはケロッとして就活を始める人も多いようです。

さて10月の雇用統計が26.1万人増と発表になり、事前予想の20万人を上回りました。直近の雇用関連の指標がかなり良好に推移していたのである程度の上振れは想定の範囲内です。ただ、失業率が0.2%悪化、平均時給が0.4%上昇、労働参加率は0.1%下落でややマチマチでまだら模様です。もう一点、雇用統計では一人の人が複数のアルバイトをした時、それが重複カウントされるので様々な資料を組み合わせて分析する必要があります。

アマゾンの新規採用停止やリフト、ストライプのレイオフ実施など雇用シャッフルが続く中、「雇用インフレ」が今のインフレ問題の最も厄介な事態となっています。FRBは利上げを継続し、企業に「参りました、もう人は採用しません」というところまで叩きのめす気なのでしょうか?しかも雇用統計は遅行性の資料になるため、気が付いた時は手遅れの場合も多いのです。2日のFOMCを受け市場が消化した利上げ見通しは12月14日0.50%、2月1日0.25%で12月も0.75%引き上げと見る専門家の比率は下がっています。とすれば株式市場はしばし、荒い値動きとなりそうです。

どうした?自民党、岸田首相は案外無風で長期政権になるぞ

覚えている方もいらっしゃるでしょう。岸田氏が1年ちょっと前に首相になった時、私は「好きではないけれど長くなる」と申し上げました。その後、岸田政権がふらつき、「後任人事」などと騒がれた際もそんなことはないと申し上げたかと思います。理由は人材がいないのです。もちろん、名前を上げよと言われれば片手ぐらいは浮かぶのですが、果たして「首相の器」かといえば世代替わりの中で360度全方向で安定/信頼感があるとは思えず、小粒に見えます。それは岸田氏も含む、という意味です。結局、時代があまりにも難しくなりすぎて首相の責務が大きくなりすぎたともいえるのでしょう。

そんな中、安倍派の後継選びが迷走していると報じられ、派閥の長も決められない状態になっています。候補の中には上記の5本の指に入る方も複数いますが、リーダーシップを取れず、やりたいと思う人が積極的に根回しをしているようにも見えません。これでは安倍派に首相の器の人材は育っていないということになります。もう一点注目は麻生氏が韓国に行った点です。これは岸田氏と麻生氏が飯を食う中で岸田氏がドイツ大統領が来るので自分は行けないから麻生さんに代わりに行ってくれないかと頼んだものです。比較的突然決まったと理解しています。

ではなぜ、林外相じゃなかったのか、です。日韓問題について岸田さんは尹錫悦大統領とはG20で会うからその時に再度、話をするにあたり麻生さんにその下地作りを託したわけです。麻生さんに花を持たせたわけですが、理由は派閥上、山際氏の問題が背景にあるからでしょう。そしてその山際氏は自民党のコロナ対策本部長にしれっと就任しています。つまり、岸田氏は見事に問題解決をやってのけたのです。こういう調整は上手なのです。岸田さんの支持率はへまをしない限り、今以上には下がらないでしょう。長期政権の予想とはとりもなおさず、ライバル総崩れで自民党ガタガタの裏腹とも言えそうです。

自民党HPより

再生エネルギー再考、「電気の地産地消化」

再生エネルギーの代表格、太陽光を主役にするのは正しいのか、と最近思っています。理由は太陽光は地球何処でも受けられる一方、発電という意味で強さと安定感で劣勢にあるからです。ただ、何処でも取り込みやすい点に於いて小規模電力消費、例えば家庭での自給自足などには向くものの産業やインフラといった大規模なものについてはもっと観点を変える必要があるのですが、なかなかマスコミの論調がごった煮的な扱いで国民に理解が浸透していない気がします。

先日テレビの報道で富士山ろくのミニ水力発電や盛岡の温泉発電を報じていました。水力発電所は村を潰して大々的にやるイメージが強いのですが、日本の地形と川の流れ、つまり重力を利用することを考えたら出来ることはまだまだあることを証明しました。また、温泉発電は実は昭和の時代からあり、岩手の八幡平は昭和41年から、大分県大岳の九州電力の発電設備は昭和42年に認可されています。自然に逆らわないならば偏西風や潮流もあります。

また最近感じるのが「電気の地産地消化」。経済産業省も推すこの表現はまだ新しいのだと思いますが、日本のあちらこちらで地域の特性を生かして小規模の発電が生まれています。これはある意味、大手電力会社への挑戦で、彼らがいつまでも殿様商売をして「電力を貯めさせない」「自由市場を作らせない」「価格の統制を目指す」ことに対する沈黙の抵抗ではないかとみています。折しも大手電力会社はほぼ赤字。価格値上げを政府に申請する中、「おらが村は何で電力?」という時代が来てもおかしくないという風を感じ始めています。

後記
人生で一番やりたかったこと。ビジネスも好きですが、実は国際人養成とか日本人の国際化といった分野でした。大学生の時はなんだかよくわからないけれど自分は国際人になると張り切って、その後、海外出張だらけの日々やアメリカやカナダで仕事をする経験を積み上げてきました。今日まで仕事にかまけていたのですが、ここに来て急に教育案件との関わりが増えてきて新たに教育分野でのラブコールが複数入っています。一部で宣言しているように2024年から自分を次のステージにシフトする計画ですが、その輪郭が見えてきたような気がします。人生って本当に楽しいです。やりたいことだらけです。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2022年11月5日の記事より転載させていただきました。