大切な日記帳を無人島に持っていくと追い込まれた時に燃料として使ってしまいそう

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はじめに

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会員限定メルマガに「無人島には持っていかない、大切にしまっておく自慢の品」と題して、ライターコラムを掲載。今回は、與座ひかるさんの「自慢の品」を紹介します。

日記帳(與座ひかる)

2010年からノートに日記をつけています。と言っても毎日は書きません。嬉しいことがあった日、だいぶ無理だった日、何もないけど書く気になった日…と、何かしらやる気が出た日に書きます。月に8回書くこともあれば、3ヶ月に1回しか書かないこともあります。

大学1年から12年間記録しているので、ほぼ自分史のような書物になっています。デイリーポータルZへの言及を探してみると、2013年5月29日(当時23才)に「将来はデイリーポータルZの人たちみたいに面白い記事を書きたいな〜!それかラップでもいい」と、ラップでもいいんだという記事へのあやふやな熱意が読み取れました。2年後の2015年4月20日には「デイリーへの参加が決まった!全然うまくかけない」と悩んでいる様子が。しかし同年5月8日には「石川さん(編集)に褒められた!よかった!なんかわかったかも!」と、1ヶ月でライターを理解した気になっている若かりし自分と対峙し…というように、とにかく自分のえぐみやすごみ、全てを読むことができます。

日常ではほとんど読み返しません。が、仕事で煮詰まった時など何かしらうまくいかない時に読むと効果は抜群です。日記をひらけば、お金がなさすぎて1000円で10日凌いだ日の記録、なぜか椎名林檎の文体でブログを書いていた日の記録、転職後に人見知りをしすぎて錯乱し男子トイレにしばらく入っていた記録など、思い出すといまだに心がざらつく失敗集がありありと書かれています。「この時に比べたら大分マシになった…」とすぐに気を改められるのです。失敗だけでなく、いい時も書いているので「記事がすごいウケた」などの気分があがる記録もあり、元気になることもできます。どの出版物を探しても、こんなに自分にカスタマイズされた本はありません。

紙に書いてあるので、無人島に持っていくと追い込まれた時に燃料として使ってしまいそうです。また、万が一倒れて助けがきた時、誰かに読まれた時のダメージが他のモノの比ではありません。家の奥にそっとしまいつつ、これからも自分専用の書物として更新をかけていきたいと思います。

終わってふたたび解説です

「大切な日記帳を無人島に持っていったら、燃料として使ってしまいそうだから持っていかない」という理由に納得しました。

デイリーポータルに執筆したい気持ちとラップでもいいか、という率直な気持ちを書いているのが正直で良いですよね。(はげます会担当 橋田)

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