スシローをどの順番で食べれば一番おいしいのか考える

デイリーポータルZ

お寿司には「この順番で食べるといい」という順番があるらしい。

回らないお寿司屋さんだとおすすめ順で出してくれる(こともある)らしいが、私が普段行くのは俄然回る寿司である。

それなら、回る寿司の「最強の食べ順」を自分で考えてみればいいのではないか。

寿司の全メニューを、おすすめ順に並べてみよう!

スシローの全メニューを「味が薄い順」に並べよう!

お寿司には、こんな感じで「赤身」「白身」などざっくりした種類ごとのおすすめの食べ順があるらしい。

仙台駅で見かけた写真。味が薄い方から濃い方へ食べていくと、味がよくわかっておいしいらしい。

それなら、回るお寿司もそのおすすめに従って食べればいいのではないか。

せっかくなら各カテゴリの中での順番も決めてしっかり食べ順を決めてみたい。

いろんな寿司チェーンの中から、売上ナンバーワンのスシローをチョイスし、メニューを「こう食べるとおいしい」順に並べてみることにした。

スシローのメニューが多すぎた。 ※出典:https://www.akindo-sushiro.co.jp/menu/

ひとりで食べて確かめようと思ったのだが、想像以上にスシローのメニューが多すぎた。

とても食べ切れないので、身のまわりの「めちゃくちゃお寿司を食べそうな友人」をかき集める。

スシローを食べるためだけに集まってもらった6人の寿司レンジャー。よろしくお願いします!

突然はじまるスーパーロジカルお寿司会議

まずはスシローの持ち帰りメニューで、限定&サイドメニュー以外のすべての「にぎり」「軍艦」を注文。

めちゃくちゃ多い。

ちょっといいエビなどが販売中止で買えなかったが、だいたいのお寿司は買うことができた。

ではこうして手に入れた大量のお寿司をさっそく食べる…わけではなく、まずは先に「順番の予想」を行っていく。

これだけのためにお寿司のカードを手作りした。みんなで話し合いながら、味が薄そうな順にカードを並べていく。
「白身ブロック」「赤身ブロック」など、お寿司をカテゴリごとにわけて話し合う。

さくっと決まるかなと思っていたが、集まったメンバーの大半が金融やコンサルなどの「ロジカルな仕事をしている人」が多かったので議論は白熱。

「味が薄い濃いの定義はなにか?」「あなたのその意見の根拠はなにか?」とお互いを詰め合うスーパーロジカルお寿司会議が始まってしまった。

適当に並べようとしていたら「議論の前にまずは定義をはっきりさせよう」という意見が。確かにそうなので「味の薄い濃いとは?」という話し合いがスタート。
味の濃さは「醤油込」で考えるべきか、「醤油別」で考えるべきかを考える様子。(醤油をつけないお寿司もあるので「醤油別」になりました)
「生ハム寿司はどのカテゴリか」という難問。最終的に「”赤身魚”ではないが”赤身”ではある」というお寿司業界に一石を投じる意見が述べられ、晴れて生ハムは”赤身”寿司に。

特に白熱したのが付け合わせ議論だ。

「オニオンがあるとお寿司の味は薄くなるのか濃くなるのか?」という意見に対して、「オニオンはさっぱりしているから薄くなるはず」というオニオン与党と「水にさらしていないオニオンは辛くなるはず」というオニオン野党がまっこう対立。

一歩もゆずらぬ与党と野党の対立図。

最終的に「自分はスシローのオニオンを何回か食べたが、水にさらしていることが多かったと思う」というスシロー有識者の意見によって、オニオン与党が勝利した。 

妙にスシローに詳しいメンバーの意見が採用。

これ以外にも「大エビとエビ」「ジャンボホタテとホタテ」という大小の差については「エビやホタテ1匹あたりの栄養が同じなら、サイズが大きい方が味は薄くなるはずである」という当たっているかはわからないが筋だけはバッチリ通っている意見が採用

こうして思いのほか、きちんとした食べ順予想ができあがった。

ひたすら軍艦サラダを食べるのはつらい

次に決めるのは「誰がどのお寿司を食べるのか」という大問題である。

味の濃さをもとにお寿司を14ブロックに分ける。「ブロックのお寿司を食べきったら、それをもとに順番を考えてもらう」という妙に綿密なシステムを組んだ。

が、ここで問題になったのがブロックごとの明らかな格差である。

ルールにのっとってジャンルごとにお寿司をブロックわけしたせいで、「ひたすらトロだけを食べ続ける人」「ひたすら軍艦マヨを食べ続ける人」という格差が出てきてしまうのである。

一番もめた軍艦マヨブロック。参加者から口々に「ほぼマヨネーズを食べているだけ」「正直ここ以外ならなんでもいい」という声が。
こちらも不人気な「脇役のお寿司ブロック」。「こんなブロックを食べにわざわざ来たんじゃないよ今日は」という意見に全員が深くうなずいていた。

「このブロックだけは嫌だ」というそれぞれの思いを胸に、公明正大にじゃんけんでわりふってみたところ…

絶対に当てたくないブロックを引き当てたメンバーが、膝から崩れ落ちていった(すいません)

波乱もありつつ、とりあえず全員の食べるお寿司は決定。

ようやくお寿司を食べるときが来た!

間違えて食べるといけないので、必ず指差し確認してからお寿司を食べる。
サーモンチーズを食べて…
サーモンバジルチーズと比べる。
意外とサーモンチーズの味がうすい…?
全員真剣に味を確認。このうえなく静かな寿司パーティとなった。
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食べてわかった「わさびなす寿司」の味の濃さ

お寿司は最低でも2貫ずつあるので、食べるターンを2回繰り返した。

すべてを食べ終わったら、ついにブロックごとに「最強の食べ順」を決定する。同じブロックを食べたメンバーどうしで話し合い、ベストな順番を決めていくのだ。

同じお寿司を食べたメンバーで話し合う。「このサーモンは同じように見えるが海のような差がある」「このお寿司はゴマの芳醇な香りが鼻に抜ける」というお寿司ポエムが飛び交った。
白身ブロックはサクサク決定。貝の味が濃い派と薄い派の人がいたが、「貝によって違いが大きいのでは?」ということで後ろの方に置くことに。
議論をよんだ付け合わせのオニオン問題。結果は「サーモンなら味を薄くするが、エビだと味を濃くする」というまさかの展開。つねにネタを引き立てるオニオンへの評価が高まった。
散々もめた大エビとエビ問題は「完全に同じ味」で議論が決着。「大きい方が味がうすい」というそれっぽい理論は、エビが身を持って粉砕した。

また、食べた人すべてから活発な意見が出たのが「わさびなす寿司」だ。

食べる前は「味はうすいのでは?」という意見が多かった。

実際に食べた人からは「わさびなす寿司は、すべてに打ち勝つ味の濃さ」という意見が続出。

こんなブロックに入れている場合ではないとして、すべてのルールを飛び越えてメニューのラストにすることになった。

また、逆に味の薄さでメンバーを圧倒したのが「コーン軍艦」。

かなり味が薄いらしい。

「マヨネーズだし濃いのでは?」と思っていたが、子ども向けのメニューということもあって、衝撃的な味の薄さだったらしい。

「コーンの味の薄さ」で意気投合する担当のふたり。ぐんと順位があげられた。

全部並べるとこんな感じ。

「巻物」は本当は後ろだったが、味が薄いものが多かったので軍艦とまとめることにした。

こうして全部で2時間半の議論を終え、できあがった寿司の順がこちらである。

ぜひ、スシローにいったときはこの順番で寿司を食べてみて欲しい。きっといつもより繊細な味の違いに気づけるはずだ。

 

完全にじゃんけんでわりふったので、普段なら食べないお寿司を食べるいい機会にもなった。

特に、軍艦マヨブロックと脇役のお寿司ブロックどちらも完走した友人いわく「シーサラダ軍艦はめちゃくちゃおいしい」らしい。

この記事がなかったら食べなかったと言っていたので、たまには頼んだことがないお寿司を食べるのもよいと思う。

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