ソニー×ホンダのモビリティは、私たちにどんな未来を見せてくれるのか

GIZMODO

EV車のニュースタンダードになれるか。

2022年10月13日、ソニーとホンダの合弁会社設立が発表されました。新たに誕生したソニー・ホンダモビリティ株式会社のコラボレーションは、世界にどんな未来を、私たちにどんな世界を見せてくれるのでしょうか。

これまで発表された製品(コンセプトカー)を振り返りながら妄想を膨らませてみましょう。

2020年に発表されたソニーのコンセプトカー

CES2020で発表されたソニーのコンセプトカーは、VISION-S「常に進化し、成長していく車へ」。

Image:SONY

社内外に張り巡らされたセンサーが自動運転、自動駐車、自動車線変更までしてくれる優れもの。

image: SONY
https://www.sony.com/ja/SonyInfo/vision-s/safety.html

張り巡らされたセンサーが周囲360度の交通状況を把握。自動走行、自動パーキング、自動車線変更など、Level 2+相当の運転支援を高精度に実現します。さらに、ソフトウェアアップデートにより、Level 4に相当する自動運転システムへの発展を目指しています。 車内のセンサーで、誰が乗ってるかを判断しパーソナライズされたルートを案内してくれます。

また、ToFセンサー対象物で、反射した光がセンサーに戻るまでの飛行時間で距離を測るToF方式の距離画像センサーを高度に駆使し、乗員の状態やジェスチャーの認識を行ないます。

移動中もエンタメを満喫

新時代の自動車はもちろん5G対応。退屈な移動中もエンタメを楽しめます。音楽、映画だけでなく、ソニーといえば…そう!プレステも移動しながらできちゃいます。車載モニターがゲーム空間に早変わり!そしてもちろん立体音響で臨場感溢れる空間を満喫することができます。

ホンダは2017年にHonda Urban EV Conceptを出展

一方ホンダは、東京モーターショー2017に、EV車のコンセプトカーHonda Urban EV Conceptを出展しています。「もっと、人に、暮らしに、寄り添う。先進技術が生んだ、これからのスモールカー」。

Image:Honda
Image:Honda

EV車の量産とデザインを考えたホンダが出した結論が、この車に結集しています。都市移動に最適化したデザインであるとともに、 HondaスモールカーのDNAである“キビキビした走りの楽しさ”と“愛着を感じる親しみやすさ” が表現されたこの車両。

ホンダは地上だけでなく将来的に、空と陸のモビリティを融合させた新たなモビリティを作り出すことを目標に掲げています。創業以来強みを持つ二輪車においては、既にEVを展開しています。それがモバイルパワーパックを搭載した二輪車です。このモバイルパワーパックは、「充電」から「交換・シェア」への転換を目指してホンダが開発したバッテリーパックです。

筆者はこのモバイルパワーパックこそが今回の新会社のキーになると考えています。モバイルパワーパックは、先ほど紹介した二輪車の他に、小型ショベルや輸送車両などに搭載するための実証実験が行なわれています。

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Video: 本田技研工業株式会社 (Honda) / YouTube

このモバイルパワーパックの出力強化と軽量化を達成できれば、四輪車搭載に耐えうるかもしれません。そうすれば長距離ドライブも可能になり、現在のEV車の課題である充電時間を、大幅に短縮することができます。

両社のねらい

ホンダはモバイルパワーパックの普及を目論んでいると考えています。モバイルパワーパックを軸に、楽天やコマツなどと共同開発した製品を発表していることからも明らかです。さらに二輪車もモバイルパワーパックで稼働するe:シリーズを発表しています。ここでラインナップに四輪車が加われば鬼に金棒。モバイルパワーパックをさらに普及させる起爆剤になり得るでしょう。

車体デザインや、エンジン稼働部分などに強みを持つホンダに対してソニーは、エンタメ空間として車内空間を演出すると考えられます。これまでの製品技術が活用されると、車内は自宅を超える快適空間になるかもしれません。

Image:Sony

こんな未来が来るかも

車で目的地に向かっている途中、喉が渇いたのでコンビニに車を停める。水を買うついでに駐車場の一角に設置されたバッテリー交換ステーションからバッテリーを取り出す。残量の少なくなった車のバッテリーと入れ替えれば充電完了。もちろん決済はスマホで完結。

水を買って車に戻るとアプリが連携しているので、車に触れずに開錠、ドライブ再開! 5Gのつながった車内では、プレステでオンライン対戦で友達とおしゃべりをしながら。自動運転なので前を見る必要もなし。ゲームも360度音響で、まるでその場にいるような臨場感が味わえます。オンライン対戦で白熱している間に目的地に到着。こんな未来がすぐそこまで来ています。

考えられる課題

今現在のモバイルパワーパックはまあまあ重いです(1個約10キロ)。それをドライブの度に取り替えるのはやや重労働に思えます。そして、発表されている二輪車でバッテリー2個搭載ってことは、四輪車になるといったい何個搭載されるの?という疑問も。そこはソニー・ホンダの技術力に期待したいところ。

これまでソニーとホンダが発表してきた内容から、妄想を膨らませてみました。2025年にどんな車、いや新時代の“モビリティ”が公開されるのか、今から目が離せません!

Source: Sony, Honda