電話番号を使ったGoogleアカウントの2段階認証は定期的に電話番号が変わるホームレスにとって有害であるという指摘

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Googleはアカウントの保護を目的として電話番号の登録を求めており、ユーザーは電話番号を登録することで不正ログインを防ぐ2段階認証を利用することができます。しかし、住居をもたず、所持品が常に盗難・紛失の危険にさらされているホームレスは、電話番号を用いる2段階認証のせいでアカウントにアクセスできない危険性があることが指摘されています。

Google’s product designers should talk to my unhoused friends.

When you require a mobile phone number for authentication, you guarantee that unhoused people will permanently lose access to their email when their phone is lost, stolen or destroyed (roughly every 12 weeks).

— Chad Loder (@chadloder)


Googleアカウントでは、電話番号や別のデバイス、物理キーなどを用いた2段階認証を有効化し、アカウントのセキュリティを高めることができるようになっています。電話番号を設定した際は音声メッセージまたはSMSを用いた認証が行われます。

このような2段階認証をオンにし、かつ端末を紛失してしまった人のためにはさまざまな回復手段が用意されていますが、以前サインインした別のデバイスが必要だったり、バックアップコードの入力が必要だったりします。このような代替手段の用意が難しいホームレスにとって、アカウントの回復は難しいことであるとTwitterユーザーのチャド・ローダー氏は指摘し、「ホームレスにとって、アカウントへ再度アクセスする手だてはない」と述べて問題を提起しています。

アメリカは低所得やホームレスの人々に無料で携帯電話およびSIMカードを提供する支援プログラムを実施しており、多くのホームレスはこのプログラムを通じてスマートフォンを受け取り、日々の生活に役立てています。しかし、ローダー氏が定期的に連絡を取り合う30人近いホームレスの人々にとって所持品の紛失は日常的に起こる問題であり、4カ月以上同じスマートフォンを持ち続けられた人は一人もいないそうです。ホームレスの人々は紛失のたびに新たなSIMカードを受け取っているため、4カ月ごとに電話番号が変わるとのこと。

ここで問題になるのが電話番号を用いた2段階認証だとローダー氏は指摘。2段階認証をオンにしたままスマートフォンを紛失した人、そしてアカウントの回復手段を利用できない人は、二度と同じアカウントにアクセスできなくなります。もしGmailでケースワーカーとやりとりしていた場合、同じアドレスから返信できないため、ケースワーカーとのやりとりがそこで途絶えてしまうとローダー氏は訴えています。


2022年2月、Googleは1億5000万人のユーザーを対象に2段階認証を自動的に有効化しましたが、ローダー氏は「このことが、最近アカウントを回復できない貧しい人々が増えている理由の1つかもしれません」と述べました。

ローダー氏は「住居を持たない人々は、スマートフォンだけでなくIDカードや薬などさまざまな所持品を紛失する危険が常にあります」「SMSベースの認証の普及により、貧しい人々は現代生活の大部分から締め出されることになりましたが、Googleのチームはホームレスにとってうまく使える製品を設計するのに最も信頼の置けるグループであるはずです」と述べました。

なお、Googleの2段階認証は有効化しても後からオフにすることが可能です。また、「Google認証システム」をなど、ユーザーはさまざまな2段階認証の手段を利用することができます。

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